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Masaharu Yoshioka

音楽評論家。ソウル、ブラック、ダンス・ミュージックを得意とする。ソウル・ミュージックの情報サイト、『ソウル・サーチン』ウェブ http://ameblo.jp/soulsearchin/ (なお現在ごらんのこのページはソウルサーチンブログのミラーサイトです)と同名イヴェントを運営。1975年以来、レコード、CDなどに添付されるライナーノーツは1,000枚以上執筆。その他、雑誌、新聞、テレビ、ラジオなどの番組出演も。著作に『ソウル・サーチン』、翻訳書に『マイケル・ジャクソン全記録1958-2009』、『マーヴィン・ゲイ物語引き裂かれたソウル』、『マイケル・ジャクソン観察日誌』、『モータウンわが愛と夢』など。Twitterは、http://twitter.com/soulsearcher216 フォローしてください。

TITLE: ●ケント・モリ~その存在理由

February 09, 2010

【Kento Mori: The Reason To Be Here】

強烈。

西寺郷太さんのはからいで、ケント・モリくんに会うことができた。そして、いろんな話をした。当初は、午後7時から2時間くらいの感じかと思っていたが、これがとんでもない。マイケル話でみんなで盛り上がり、最初に話をしていたスタジオから三茶サンキングへ移動。結局朝までになってしまった。

会った印象はとにかく強烈なエネルギーがある人物だということ。しかも、超ポジティヴなエネルギーに溢れている。その一点だけでも素晴らしい。しかもフレンドリーないい人物。僕自身も、久々に人と会って、プラスのエネルギーをたくさんもらった感じがする。それは郷太くんも同じだったようで、今、真剣に執筆しているマイケル・ジャクソンの新書原稿が煮詰まり、ちょっとやわになっているところにケントくんと会って、「がぜん、やる気が出た」と言っている。

1985年3月3日生まれのケント・モリくんは2006年4月、意を決して渡米。それからすべての出来事が、運命的に起こっていく様子は、劇的なドラマそのものだ。僕自身も、Everything happens for a reason(すべての出来事には、理由がある)という言葉を信じるが、彼の場合、それをこれでもか、これでもかと、地で行く人生を歩んでいる。彼自身の言葉の節々に、「理由があって、そのことが起こっている」という表現が出てきたのも頷ける。

もうひとつ、これは僕自身が考えた言葉で、「人生は5分で変わる」というものがある。たった5分の凝縮された何かがあれば、その人の人生は劇的に変わる、というものだ。たとえば、シンガーやミュージシャンが素晴らしいパフォーマンスを見せれば、そのたった5分のステージで、オセロゲームの白と黒が一瞬に逆転するように、すべて変わることがある。

マイケル・ジャクソンが『モータウン25』で見せた「ビリー・ジーン」のパフォーマンスは、この「人生は5分で変わる」の典型的な例だ。スポーツ選手も、特に個人技の場合、それが起こる。ダンサー、シンガーたちにはそういうことが起こりやすい。

ケント・モリくんにとっては、マドンナのオーディション、そして、マイケルのオーディションは、まさに「人生は5分で変わる」の瞬間だった。

マイケルのオーディションのとき、他のダンサーたちのことは気になったのか、と聞くと、「いや、とにかく自分自身が最高のパフォーマンスをすることに集中した。そうすれば、受かると絶対思ってました」と言うのだからすごい。

マドンナのツアー・メンバーに選ばれ、そのツアーに出たことで得た自信を元にマイケルのオーディションに出向き、合格。しかし、マドンナとの契約が残っていたために、泣く泣くマイケルの『ディス・イズ・イット』を断念。しかし、誰も予期せぬ形でマイケルが急死。その直後、マドンナのステージで、マイケル・トリビュートを、ケント・モリが敢行。それがまた大評判となり、ケント・モリは世界から注目されるダンサーとなっていく。そして、マドンナ・ツアー終了後、「マイケル・ジャクソン・トリビュート」のツアーへ。

マドンナとの契約があったために、世界一仕事をしたかったマイケルのダンサーになれず、大きく落ち込んだ彼。だが、マイケルのツアーにいけなかったことにも理由がある、それはいつかわかる、と彼は祖父に言われたそうだ。それがマイケルの死などということは、誰にもわからなかった。

10日から一瞬LAに行くというので、何しに行くのかと尋ねると、AIとの仕事だという。だが、まだAI本人には会ったことがない、という。そこでサンキングからAIに電話して、「ケント・モリがいるから来ない?」と誘うとAIもやってきて、マイケル談義が盛り上がった。おもしろいことに、LAではAIの妹とはすでに知り合っていて、AIとは電話では話したことはあった、という。ダンサー仲間との接点、共通の知り合いも多数いるようだった。

みんなでわいわいいいながらマイケルの『ブカレスト』のDVDを見ていると、ケントくんは踊りだした。「ビリー・ジーン」「ヒューマン・ネイチャー」など大喝采。また、『ディス・イズ・イット』(ブルーレイ版)を一緒に見ながら、解説を受け、ケントくんが一瞬映る瞬間などをコマ止め、まき戻しして見たりしているうちにあっという間に朝になった。

人との出会いが、出来事を生み出し、その出来事が、次の出来事につながり、何かが起こっていく。それは神が描く華麗なるシナリオさながらだ。僕は彼を見ていて、「ものすごく引きの強い男、そういう運命の元に生まれた男」と強く思った。そして、ケント・モリには、マイケル・ジャクソンのエクステンションとなって、そのメッセージを伝え、広めていくという大きな存在理由がある。

ソウル・サーチンでは今後も彼の一挙手一投足に注目していく。

■ マイケル・ジャクソン『ディス・イズ・イット』(ブルーレイ)

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■ マドンナ スティッキー・アンド・スウィート・ツアー・ライヴ・フロム・ブエノス・アイレス(仮) 2010年3月31日発売。2008年10月のツアー。ケント・モリ参加。

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