brilliant corners

Posted by     Kay Suzuki | June 18,2014

日本での生活を全て投げ捨て学生ヴィザだけ抱えて来た2004年の1月に渡英してちょうど10年超。人生何があるか分からないもので、気が付いたら結婚までしてすっかりここ東ロンドンはHackneyの住人としてかなり根を生やした感のある今日この頃。実はそんな地元、Dalstonの家から歩いて10分の距離に友達とレストランを始めたんです。

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何度かこのブログでも登場しているボクのここ数年のSpiritual Homeとも言えるパーティBeauty & The Beat(以下BATB)で知り合った友達のAneeshとAmitのPatel兄弟が去年の今頃からKlipschorn(*)を常設するバーを作りたいから音響やパーティの相談に乗って欲しいという話から始まり、物件をチェックした処かなりのサイズのキッチンがある事が発覚。前々からDalstonに寿司屋の必要性を説いてた手前、結局ボクがデザインとレストラン、そしてAmitがバー・サイドをプロデュース。Aneeshがインテリアや全体のヴィジョンを提案しつつCedric Wooを始めとしたBATBのクルーやボク等全員で音響を日々研究しつつ構築していく事になったんです。

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(*Klipshornは1946年にポール W. クリプシュ氏によって開発された記念碑的な3wayのフルホーン・スピーカー。クラブ文化の祖David Mancuso氏がLoftで使用し、BATBやCosmoが主宰するLucky Cloud Sound System、日本では札幌のフィルモアノース、渋谷のLighthouse Recordsを始めとした場所で使用され、世界中のオーディオマニアが崇拝するスピーカーとして有名)

 

実はボクは子供の頃から料理が得意で、高校生の頃に寿司屋でバイトして以来料理人としての経歴も10うん年以上あるんです。当時、その寿司屋の向かい側には巨大なDisk UnionとAudio Unionがあり、当然バイト代はほとんどレコードや録音機材に消えて行ったっていう意味ではこの頃からボクの人生はあんまり変わってないような気もします。料理人以外にもロンドン移住前からDJ機器の販売やグラフィックデザインの仕事をしていた事もあり、移住後も翻訳、執筆、ITや飲食業のコンサルタントまで音楽家として以外にもとにかくありとあらゆる仕事をして来たので、このbrilliant cornersは今までの全ての経験をフルに活用したまさに今までの集大成とも言えるプロジェクトなんです。

現在の使用機材はスピーカーが先述のKlipschornスピーカーが1組と同社のLa Scalaを1組の計4発。それをRogers社のモノラル真空管アンプ1組とLeak社ステレオ真空管でドライブ。ミキサーにはヴィンテージのBozak CMA 10-2-DLSをIsonoeブランドで知られるJustin Isonoe氏が完全カスタマイズ。PanもEQも全てバイパスして低ノイズ仕様の特注アイソレーターも装着。ターンテーブルもOnyxのストレートアームと外付け電源でアップデートを施しGoldring社のハイファイ針を使用。オープン当初一度だけCDJを接続したもののあまりの音の落差にそれ以降は完全にアナログ再生のみ対応。更にダンサーと音響に優しいウッドフロア、壁と天井には吸音材も配置して音の反射を極力抑えて更に居心地が増しました。

BC

 

ドリンクも所謂ありがちなブランドは一切無し。全てインディペンデントな蔵から選りすぐったヨーロッパのオーガニック・ワインや地元のクラフト・ビール、フレンチ・カリビアン・ラムから世界中でブームを巻き起こしてるメキシコのメスカルまでAmitの舌によってセレクトされたここでしか呑めないモノばかり。

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料理はボクが日本食を現代の栄養学的視点からアップデートさせて後は音楽同様、いかに自分の五感が刺激されるかを意識してメニューを組み立てました。ちなみにこのデザインはDMT体験中にMC Escherの絵画を見て降りて来たアイデア。日本の伝統的亀甲模様がモチーフになっています。
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昔から色んな人に言い続けているんですが、ボクにとって音楽と料理の創作プロセスはまったく同じなんです。メニューの一品、一品が楽曲でこのメニュー全体がアルバムのようなモノで、寄り選った地元の食材を集めて化学調味料や電子レンジを使わずに出来る限り新鮮で質の高い素材で料理するのも本物のアナログ・シンセや良いミュージシャンを使ってアナログ盤をプレスするのとまったく同じ感覚。ベースとなるダシや旨味成分に中音域のメロディやコードとなる肉やソースを加えて、高音域のハイハットやシェイカーを薬味やスパイスとして効かせる感覚なんです。

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御大King Curtisもこのメンフィス・ソウル・シチューを創った時はきっと同じ事を感じてたハズ。
良い素材(ミュージシャン)使って良い味だしてます。

Menphis Soul Stew / Kings Curtis & The Kingpins

 

11月からオープンして以来大袈裟な宣伝もせずほぼ口コミだけで広がって来た事もあり、有名・無名を問わず同じ感覚を持つ数々のコレクターやDJ達がひっそりと廻しに来てくれています。

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先月のSun-Ra生誕100年記念日には一晩を通してSun-Raのみをかける企画をし大盛況。

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東ロンドン大学教授でBATBのDJでもあるJeremy GilbertがDJ CosmoやLove Saves The Dayの著者Tim Lawrence を招いて「ヴァイナル文化」というテーマでパネル・ディスカッションを開催したり、先日の日本ツアーも大好評だったDJ CosmoによるClassic Album Sundaysも7月からbrilliant cornersにて開催。アルバム一枚通して聴いてる最中は携帯の電源も切り、私語も厳禁というこのイベントのBCでの第一回目はなんとManuel Gottschingの大作、E2-E4。

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僕達としては如何に居間の延長上として友達を楽しませる事が出来るかがテーマ。音響、酒、食事、音楽と全てが生々しく5感に響くような空間としてこれからも日々アップデートを繰り返して行きます。

ちなみに火曜日夜にはwifeがヨガを教えています。

http://core-focus.co.uk/ 
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現在新機能を加えた新しいbrilliant cornersウェブサイトも作成中。日本のみなさんもロンドンにお立ち寄りの際は是非♪ 今後もbrilliant cornersの日本語情報はこちらからお届けします。

 

brilliant corners
470 Kingsland Road, London E8 4AE
Open Wed – Sat 17:30 to 00:00, Sunday 16:00 to 00:00
http://brilliantcornerslondon.co.uk/
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P.S…Koichi Sakaiとボクが担当するラジオSpirits Frequencyの前回放送分はこちらから。

Bless
K

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