LM-1 Drum Machine TOP 10

Posted by     Kay Suzuki | October 08,2014

バレアリック系を中心に数々のミックス、レビュー、インタビューを掲載している Test Pressing にボクのトップ10が投稿されたのでせっかくなので日本語版をこちらに。

(*オリジナル記事はこちらから)

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KAY SUZUKI / LM-1 DRUM MACHINE TOP 10

そろそろ分かってもらえてるかと思うんですが、ボクは昔から音楽における時間の概念やグルーヴ感についてはとにかく異様なこだわりがあって、その中でもドラミングはその礎を築く意味でも非常に重要な存在。そしてClyde Stubblefieldや、Steve GaddTony Williams等の歴史に名を残して来た数々の名ドラマー同様、ドラムマシンにもそれぞれの個性溢れるグルーヴとトーンがあるんです。

一番有名なのは日本が誇るローランドのTRシリーズ(特に808, 909, 707, 606)。80年代のアンダーグラウンドを象徴するマシンとして数々のダンスミュージックを創り出して行った訳ですが、ボクにとっての永遠の憧れとも言えるのがこの LM-1 Drum Computer。後にAkai MPC60やMPC3000といったこれまた時代を変えるドラムマシンを開発する事になるロジャー・リン氏が1980年から1983年までたった725台しか製造しなかったまさに”幻のマシン”。彼はこの後よりサンプル・レートが高く、音数も増え、更に価格まで抑えたLinn Drum、通称LM-2を発売する訳ですが、もうそこにLM-1のあの魔法のようなグルーヴは無くなってしまってるんです。。。Linn氏本人のインタビューを読むとより技術的な仕組みは説明してくれていますが何故あのマシンにそこまでのソウルが籠ったのかはどうやら本人にも分からない模様。。。

ヴィンテージ・カーじゃないですが、生で動いてるのを見るだけでもなかなか難しいこのマシン。そんな男のロマンを掻き立たせてくれる数々のグルーヴをTOP10にしてみました。

 

Prince / D.M.S.R.
LM-1ユーザーで最も有名なのがPrince。’82年のアルバム『1999』以降、現在に至るまでまさに彼のビートの代名詞とも言える程多用しています。大昔のキーボードマガジンのインタビューでも彼は地球に存在する全てのドラムマシンを試したけどLM-1ほどファンキーなグルーヴを出すマシンは居ないと断言。彼のスタジオにはカスタマイズを施した2台が存在するらしく、その雑誌当時の写真でもミキシングデスクの真上に鎮座し紫のファイバーライトで彩られたLM-1があったのを覚えています。とにかくこれでボクがどのドラムサウンドを話してるか理解してもらえるかと。

Prince – D.M.S.R.

 

The System / You Are In My System
これまたLM-1らしいグルーヴを見事なシンセのコール&レスポンスで隙間を埋めた素晴らしいトラック。リズムのマトリックスに体が絡まって思わず踊ってしまうこのグルーヴにタムタムとハイハットの妙なTripletが絡まったドラムのフィルインが入る度に完全にトリップしてしまいます。

 

Jamie Principle / Baby Wants To Ride (Club mix)
フランキー・ナックルズのバージョンがどのドラムマシンを使ってるのかが解読不明なんですが Steve “Silk” Hurleyバージョンは確実にLM-1。PrinceのVibeに近いのもそのせいかと。

 

The Time / 777-9311
Princeが自宅でほぼ全ての楽器を演奏、プロデュースし、その後Morris Dayがメインボーカルを加えたそう。同じパターンを他のドラムマシンでプログラムしてもこうはならないだろうな〜。。。Princeお得意のベースラインも健在。

The Time / 777-9311

 

Michael Jackson / Wanna Be Startin’ Somethin’
意外と知られてないのがマイケルの『Thriller』のドラムはLM-1,TR-808、そして生のドラムとその組み合わせで構成されている事。このハイハットのタイミングとクラップの音の切れ味!!

 

George Benson / Turn Your Love Around
ポップチャートに入った初めてのLM-1使用曲。プログラミングを施したのはTOTOのドラマー Jeff Porcaro。LM-1発売当時、コレでスタジオの仕事を追われると思ってパニックしたドラマーが多数居る中、彼はマシンのプログラミングを覚えてその仕事の場を逆に増やしていった訳です。

 

Wally Badarou / Mambo
ボクの中ではコレが一番スピリチュアルなLM-1。Island Recordのリズム隊、Sly & Robbieと共にCompass Studioで数々の80年代の名曲を産み出した元祖シンセマスターWally Badarou先輩。去年再発されたこの名盤『Echoes』は彼のトレードマークでもあるSequential Circuits Prophet-5を駆使しドラムは全てLM-1。

 

Herbie Hancock / Textures

前者と甲乙着け難い位こちらもかなりスピリチュアルな最高に美しいHerbie Hancock先生、80年の名盤『Mr Hands』の最後の曲。ワンマンバンドスタイルでLM-1のプログラミングからボコーダー、YAMAHAのジャイアントシンセ CS-80のアフタータッチやリボンコントローラーを駆使したベースやコード。全てがHerbie先生の多重録音。ココ1年で一番聞いてる曲かも知れない。アルバム全ての曲が最高です。

 

Bob James / Macumba

数々のサンプルネタが潜む82年の『Hands Down』から。この楽曲のクレジットにはバッキングボーカルにLuther VandrossにPatti Austin(!)。こんな二人の大物シンガーを捕まえてかなり贅沢な使い方しています。作曲クレジットにはイギリスの70年代の人気バンド、HeatwaveのメンバーでMichael JacksonのRock It等を作曲したRod Tempertonの名前も。

 

Mtume / Juicy Fruit

マイルスバンドにも在籍していたキーボーディストMtuneの汁がしたたり落ちるかのようなこの名曲もLM-1。Mtune自身が最近のインタビューで明かした所によると彼はこの曲でLM-1のクオンタイズ機能を使っておらず全て彼自身が生で打ち込んだグルーヴそのままを使ったの事で少々他の楽曲とグルーヴ具合が若干違うんですがこの重たいスネアやパンチのあるキック、中低音に気持ちよく突いて来るタムタムとLM-1の個性は全開。楽曲全体がベースとLM-1の会話で成り立ってるかのようなマジカルなトラック。

 

Was (Not Was) / Earth To Doris

Was (not was)はいくつかの楽曲でLM-1をフィーチャーしてますがコレは特にトリッピー。妙な話を筋を追って楽曲を聞いている内にいつの間にか曲が終わっている感じ。。。LM-1 のタムタムとピッチを下げたクラップは完全にプリンス譲りの使い方。迷曲。

そういえばTest Pressing には先月ボクのインタビューも掲載されました。

Screen Shot 2014-10-08 at 03.44.07
ここ10年の間に色々なシーンに関わって来てまたこうやって改めて自分の事を振り返る機会もいいもんです。英語ですが是非。楽しんでもらえますように♪

 

 

Bless
K

 

 

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