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Wax Poetics Japan
Super Soul Show
Fadda-T a.k.a. Turner
沖縄の老舗レゲエ・セレクターが紡ぐジャマイカン・ソウルの世界
by Hajime Oishi
日本の都市部においてダンスホール・マナーのサウンドシステムが現れ始めたのは80年代半ばから後期にかけてのことだったが、日本最南端の地・沖縄でもっとも早いタイミングから活動を開始していたのが、1991年結成のKING RYUKYUである。その後、19年に渡って沖縄のダンスホール・シーンを牽引し続け、県外にもその名を轟かせてきた彼ら。その中心人物であるFadda-T a.k.a. Turnerは、ジャマイカン・ミュージックのみならずソウルのコレクターとしても知られており、これまでにもその成果を『SUPER SOUL SHOW』と題されたミックスCDシリーズなどで発表してきた。このたびリリースされた『Fadda-T's SUPER SOUL SHOW Exclusive Vol.1』は同シリーズ初のオフィシャル・ミックス。レゲエ・セレクターならではの視点から捉えられた、個性豊かなソウル・ミックスとなった。
ジャマイカを訪れた経験のある方であればご存知のとおり、この島はけしてレゲエ一色に塗りつぶされているわけではない。若い層にはR&Bやヒップホップがごく当然のように聴かれているし、年配が集まるパーティではディスコやソウルも普通にプレイされる。そもそも50年代末から60年代初頭にかけて生まれたスカもアメリカから入ってきたリズム&ブルースやジャズからの影響をダイレクトに受けたものであって、この国の音楽文化は常にアメリカから何らかの刺激を受けて発展してきたようなところがある。それゆえに「ジャマイカ音楽のバックグラウンドに関しては昔から興味があったんです」と語るTurnerがソウルの世界にブチ当たるのも、至って自然なことだった。
「ジャマイカのダンスの現場の音源を聴いていた時、向こうでもオールド・ソウルとかスウィート・ソウルがかかってることを知ったんですね。で、1996、7年にジャマイカに行った時、平日にフラッと遊びに出かけたらソウルがかかってたんですよ。ちっちゃなコーナー・バーで近所のオバちゃんのバースデイ・バッシュをやってたんだけど、そこでプレイしていたのがブラック・プリンスっていうサウンド。とにかく延々ソウルが流れてるんです。それで“これだ!”と思ってしまって」
ジャマイカで長年プレイされてきたソウルのレコードを掘る――そんなマニアックな道に足を踏み入れてしまったTurnerは、ジャマイカやニューヨークの実況録音テープを細かくチェックしながら、ジャマイカン・ミュージックの背景にあるものを探っていくことになる。
「向こう(ジャマイカ)のテープを何十回も聴いていると、セレクターが歌詞に合わせて曲を繋いでいたり、そういうことに気がつくんですね。なかには全然アメリカでもヒットしなかった曲もあるし、ジャマイカ・オンリーで(7インチに)プレスされてるものもある。レゲエを聴いてると“なんでこんなマニアックな曲をカバーしてるんだろう?”って不思議に思うことがあるけど、ジャマイカでは“アメリカでヒットしてるから”っていう理由だけでカバーされてるものばかりじゃないんですよね。だから、僕が探してる曲って、ソウルのマーケットでほとんどスポットが当たっていないものだったりするんです」
ジャマイカ人セレクターが自身の感覚だけを頼りに見つけ出したソウルの(隠れた)名曲を、ローカル・シーンの定番となるまでかけ続けた。それをプロデューサー/アーティストが独自解釈のもとカバーし、より広範囲にその音源が広まっていった――大雑把に整理するとそんなところだろうか。Turnerはコツコツとソウルの7インチを集めていくなかで、そういった道筋を1つ1つ確認し、その古層を掘り起こしていくという地道な作業を続けてきた。『SUPER SOUL SHOW』シリーズはその探求の成果であり、今回の『Fadda-T's SUPER SOUL SHOW Exclusive Vol.1』は同シリーズの1つの到達点とも言える内容である。「向こうで愛されてる曲ばかりなんですよ」という本作には、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの「Ain't Nothing Like the Real Thing」やスティーヴィー・ワンダーの「My Cherie Amour」といったよく知られたモータウン・クラシックのほか、フレディ・マクレガーやシャインヘッドのダブプレート、ジョニー・ギルの「My My My」やクリス・デ・バーの「Lady in Red」なども収録。マーヴィン・ゲイの「How Sweet It Is」から、そのインスト版であるファンク・ブラザーズの「How Sweet It Is」に繋ぐあたりでは、Turner流のレゲエ・マナーも顔を覗かせる。
なお、インナーにこんな文字が誇らしげに掲げられている――“All Vinyl Mixed by Fadda-T a.k.a. Turner”。「正確に言うとアルバム・オンリーの曲もちょっとあったんで、全部45(7インチ)じゃないけど、ダブプレート以外は全部レコードです。CDだったら誰でもできちゃいますからね。掘ることが楽しくて始めたわけですし、レコードから伝わるものってあると思うんですよ。レコードの素晴らしさを広めたいっていう思いもありますし、そこを共有してる方とは話が合う(笑)。この前、東京でやらせてもらった時も黒田大介さんとご一緒させてもらって。僕は7インチをまわしてたんだけど、ブースの横でずっとご覧になってて、“なるほどね、そういう解釈で繋ぐんだ”って1曲1曲拾ってくれるんですよ。初対面だったのに、それで仲良くなって。面白かったですね」
今回は『Fadda-T's SUPER SOUL SHOW Exclusive Vol.1』と併せて、トロージャン・レーベルに眠るソウルのレゲエ・カバーをまとめたコンピ『REGGAE GOT SOUL』もリリースされる。この2枚を併せて聴くことによってレゲエとソウルの関係性をヴィヴィッドに感じ取ることができるだろうし、一方では「探してたレコードがようやく見つかって、それに自分で針を落とす瞬間ってやめられないものがありますよね」と語るTunerの、生粋のヴァイナル・ジャンキーぶりに共感を覚える人も少なくないはずだ。レゲエ/ソウル・リスナー両方に強くオススメしたい2枚のアルバムである。
Fadda-T a.k.a. Turner from King Ryukyu Sound
1991年日本で一番ジャマイカに近い島沖縄で自身のキャリアと同時にKING RYUKYU SOUNDを立ち上げる。今年19年目を迎える日本でも屈指の老舗サウンド。SOUNDの活動は主に90年代に全国にその名が広がりMIGHTY CROWNやGUIDING STAR等と一時代を築く。その後、幾多のメンバーチェンジを経て、近年はセレクターのSALUTEと二人で活動。沖縄で開催されているJAPAN REGGAE FESTAのメインMCとしてもお馴染みである。現在、KING RYUKYUの活動と並行にfadda T's SUPER SOUL SHOWと題し、自ら提唱するJAMAICAN SOULというオールドソウルやレゲエの元ネタを中心とした選曲をメインに全国主要都市のレゲエクラブでプレイ!同タイトルのMIX CDやライヴCDもリリースし、新たなムーブメントを巻き起こしている!
2010.08.20 FRI
SOULFUL STRUT
Fadda-T's SUPER SOUL SHOW
Exclusive Vol.1 & REGGAE GOT SOUL Release Party
FADDA-T a.k.a. TURNER from KING RYUKYU SOUND
MARTIN-KINOO from CHELSEA MOVEMENT
MASTER BASS
A NIGHT OF JAMAICAN SOUL
Vinyl Play Guaranteed
@Club Cactus
OPEN 23:00
ADM ¥2,500 / 1D
Info :
Club Cactus 03-3408-9577 www.clubcactus.jp
Rhythm Of Life Inc. 03-5858-6707 www.rhythmoflife-inc.com
8/4にユニバーサルミュージックより待望のオフィシャル盤MIX CD「Fadda-T's SUPER SOUL SHOW Exclusive Vol.1」と「Fadda-T's REGGAE GOT SOUL」をリリースした沖縄KING RYUKYU SOUNDのFADDA-T a.k.a. TURNERのリリース・パーティー、"SOULFUL STRUT"開催決定!FADDA-Tによる60's, 70's 80'sソウル物をメインとした"SUPER SOUL SHOW"はもちろんのこと、ゲストにMARTIN-KINOO from CHELSEA MOVEMENT、MASTER BASSに招いてヴァイナル・プレイでお送りする一夜!A NIGHT OF JAMAICAN SOUL!!!









