PEACE ft. JUMP N FUNK | online exclusive | Wax Poetics Japan

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PEACE ft. JUMP N FUNK

ニューヨークで最もホットな、世の中について関心の高い人たちがレベル・ミュージックのグル―ヴに踊り、語らう反戦パーティーJUMP N FUNKがついに日本に上陸。DJ Rich Medinaが織りなす知的なアフロビートのミックスとVJ Mark Hinesによる革命的な映像の数々がアフロ・ファンクのパイオニアFela Anikulapo Kutiを祝いナイジェリアの人々と連帯する。音楽とダンスは政策を変えられないけれど、人々に喜びと力をくれる。フェラ・クティはこう言った。「音楽は武器だ」と。JUMP N FUNKに来て、踊り、語る人々はきっと政治を変えるポテンシャルとなるのかもしれない。このイベントへの思い入れをRichとMarkの2人に訊いた。
(Interview 小池モナ/ 校正 Chieko Tamakawa) 


5th-element: このイベントJump N Funkが始まったきっかけを教えてください。 
Rich Medina: Jump N Funkは9年前の8月にニューヨークで始まったパーティーなんだ。一緒に活動していたDebbie Sealyと学芸員のTrevor Schoonmakerと一緒に始めた。Trevor Schoonmakerは美術館でThe Fela Exhibitという展示を開いてもっとみんなにフェラ・クティについて知ってもらおうとしていた人だ。 

Mark Hines: 2001年頃のニューヨークでは、「フェラ・クティとは一体誰で何をした人なのか」という意識やアフロビートについて、一般的な人々の知識は無いに等しかった。フェラ・クティを誰も知らなかった、というわけではないけど、アフロビートのシーンが存在しなかった。もちろん活動していたミュージシャンたちはいたけれど、アフロビートを聞きたいっていう時に行くべきところが、これといって無かったんだ。 

Rich Medina: そこで美術館の展示のパーティーとして、みんなの意識を高めるために
美術館での展示が終わってからパーティーを始めたんだ。音楽をかけて、情報を流す。フェラについて気になっている人や展示に興味がある人のためにね。3ヶ月後には400人がパーティーに来るようになった。ウエスト・ブロードウェイのShine(現在のCanal Room)で夜7時から11時までの早い時間帯にフェラの曲をかけたりしていたんだけど、Jump N Funkが大きなパーティーになって、クラブ側からオファーがあって遅い時間にもプレイさせてもらうようになった。そして9年経った今、Jump N Funkを日本で開催しアフロビートの音楽を日本でプレイできるってことは僕たちにとってすごく重大なこと。このイベントには強い思い入れがあるからね。 

Jump N Funkはこれまでにも世界中で開催されていますね。 
Rich Medina: イギリス、パリ、ブリュッセル、NY、サンフランシスコ、アトランタ、フィラデルフィア、アムステルダム、シカゴ、マイアミ・・・・など。自分達のやっていることを世界中でできるのは本当にありがたいと思っているよ。どこの都市に行っても、フェラ・クティについて熱心な人たちがいる。それから路上でフライヤーを目にして、行ってみようと思った人たちや、フェラを知っているヨーロッパの人からすれば、このアメリカ人のイベントはなんだろう、と思ったりしながら、本当にいろいろな人が来てくれるんだ。ダンサーやDJ、クラバーなど。音楽がどこでも通じる普遍性を持っているから、幅広い層の心をつかんでくれている。とてもありがたいことだよ。 


Mark Hines: Jump N Funkは文化的な体験としての性質が強いから、他のパーティーより客層が 幅広いと思う。他のパーティーと違って入った瞬間に個性を感じてもらえると思うよ。 

私が音楽を聴き始めたころは、メインストリームのポップでした。そうしてしばらくするうちに、いろいろな音楽を聴くようになって、世界には多様なすばらしい音楽があるのに、日々耳にする頻度には大きな差があると感じました。 
Mark Hines: そういうこと。自ら選んで聴くわけじゃなくても、これを聴けって言われるようなもので ポップを耳にしないわけにはいかないからね。 

Rich Medina: それは日本だけに限ったことじゃない。どの国であってもポップが音楽業界を支配する。商業主義、マス・マーケティング、企業の巨額な資金に牛耳られているのさ。例えばジャスティン・ビーバーやブリトニーの曲のフックを知っているのは、彼の音楽を敬愛していなくても、あちこちで歌がかかるから。誰だって覚えるよね。 

情報量の差ですね。ところであなた( Rich Medina) はジャーナリストでもありますね? 
Rich Medina: 13歳のころから自分の日記(ジャーナル)を書き続けていて、もともと物書きは好きだったんだ。数学よりも国語が得意で、大学卒業後くらいから、詩を公開するようになった。そのうち雑誌や刊行物、論文なんかに寄稿しないかって言われるようになったんだ。’97年から雑誌『Fader』にヴァイナル・アケオロジー・ページのコラムを3年ほど書き、その後も『Wax Poetics』など様々な媒体でライターとしての機会を頂いたよ。根っから「物書き」ではあるけど、もともと「ジャーナリスト」というわけではないから、歩み途中だけれど、この仕事も確実に自分にとって大事な要素だよ。 


あなたがフェラから受けた影響について教えてください。 
Rich Medina: フェラの音楽を聴いて学ぶようになってから、「フェラ・クティはアフリカのジェームス・ブラウンだ」と思うようになった。彼は政治的な問題意識を持ったジェームス・ブラウンなんだ。 

Mark Hines:ジェームス・ブラウンが政治的ではなかった、という意味ではないけれどね。 

Rich Medina: ジェームス・ブラウンが音楽活動をしていたころのアメリカは、今と比べたら黒人にとって大変な時代だった。もちろん今も問題はあるし、改善されるべきこともあるけれどね。ただそれ以上にナイジェリアのレゴスと比較すると、ナイジェリアの情勢はもっと厳しいものだった。黒人同士の殺し合い(Black on Black crime )やそれを取り締まる警察国家はナイジェリアがルーツだ。石油やダイアモンドなどの天然資源の搾取が始まったのもこの国だ。そんな国で、フェラの音楽は若い大衆に革命を起こさせたんだ。軍事国家で革命を起こすのは、アメリカとは違った大変さがあっただろうさ。ミュージシャンとして壮大なことをやってのけたフェラの活動に、感銘を受けたよ。いつ警察が家に押しかけて、何とでも理由を付けて人を殺したかもわからないのに。ナイジェリアは国が経済的、政治的、軍事的にも石油とのつながりが強い。俺たちも含めみんなが使っている石油が最も搾取されたのがナイジェリアだ。フェラのメッセージは、デモや闘争に新しい視点をもたらしたんだ。だから俺にとっては、「自分の信じることを強く貫け。それを裏付ける理論があって、自分の意見に賛同してくれる人たちがいるなら、世の中を変えられる。」というメッセージだった。少なくともアメリカでなら、自分の考えを信じて、強く貫くき、日常の人々に話すことで物事は変えられる。 

Mark Hines: そうだね。RichのDJ姿を様々なパーティーで観ていて思うのは、そういう意識や政治的な問題意識がいつもあるんだ。それを一番発揮できるのがJump N Funkのステージだってこと。メッセージ性のあるパーティーだから、今話していること、政治的な課題や社会的な問題がパーティーで、ダンスをしているうちにだんだんと頭に入っていく。 

Rich Medina: そうそう。そーっとメッセージを織り込む。Markの言うとおりで、パーティー中は、コミュニティーの発展につながる行動についてわざわざ考えたりしないだろ。ダンサー、DJ、クラバー達には、それぞれのコミュニティーがある。そうした状況でメッセージを届けるために、いろいろなレコードを絶え間なく流し続け、コミュニティー内でできる行動は何か、いろいろな考え方を示しているんだ。 Jump N Funkは間違いなく、こうしたメッセージを伝えあう場になっている。若い黒人のアメリカ国民には、意見を主張する機会があまりないから。 

Mark Hines: パーティーに来てるのに説教されたくないよね。伝えたいメッセージはあるけれど、説教になってしまっては楽しんでもらえない。だから、みんなに楽しんでもらいながら、あちこちで視覚と聴覚からいろいろなメッセージを受け取ってもらえるような絶妙なバランスを大事にしている。それがゆくゆくは、もっと意識を高める、即戦力を持ったアクティビズムにつながってくれればいいなと思っているよ。 


今回のPEACE ft. JUMP N FUNKを通じて日本のシーンにどんな進化を求めますか? 
Rich Medina: 今日一緒にパーティーするAfrocksやMitsu the Beats, Koga & Freedom Chicken (Downwell79's) 達はみんな同じサウンドを信じてやってきている。このイベントをきっかけに既にあるものを、もっと積極的に前進させるためのチャンスにしてほしい。俺たちが来ている時も、来ていない時も常に前進していくアフロビートのコミュニティーを日本で作ることができたらいいな。今回のイベントを通じてメッセージを受け取ってもらえたらうれしい。これがオリジナルのアメリカのアフロビートパーティーだってこともね。言葉の壁があると言われる日本でイベントができるのは、音楽が全ての人に通じるコトバだという何よりの証拠だと思う。ポップミュージック以外にも聴くべき音楽やメッセージはたくさんある。それをわかってもらう手助けができれば、と思っているよ。 

<この記事は5th-elementからの抜粋記事である>
Special Thanks to: HITOMI Productions http://www.myspace.com/hitomipro

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