松浦俊夫がPioneer DJの最新ターンテーブル、PLX-500を語る Part 2

September 21,2016 | Category :  Page | Tag :  Pioneer DJ, Toshio Matsuura,

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松浦俊夫 x Pioneer DJ PLX-500: ファースト・インプレッション・インタビュー Part 2

Part 1はこちら

―― PLX-500のダストカバーは90度で固定することができ、レコードのジャケットを飾るのに最適なストッパーもついています。松浦俊夫さんはレコードを聴く上でジャケットを飾るという行為を重要視していますか?

お店でも、今店内でこれかかってますよってジャケットを飾ってたりしますが、私もバーとかでアナログオンリーでDJするときは、自分の横のスペースにかけているレコードのジャケットを置いて見せていってます。自分で眺めるというよりは見せるものとして使ってますね。アナログをかけて飾りたいっていう人も多いと思うし、それを皆が簡単にできるようになったら、そういうことにこだわる気持ちがより生まれる気がするので、良いことだと思います。

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―― PLX-500には専用カートリッジが付属されるのですぐにでもレコードを再生することが可能ですが、様々なカートリッジを使用することで自分好みの音を追求することができます。今回のPLX-500の視聴では付属のカートリッジと、ナガオカとPioneer DJが共同開発したPC-X10を聴き比べていただきましたが、どう音が変化しましたか?

付属のものと比べると、音量レベルが全然違いますね。アナログの音をダイレクトに出してくれるというか。アナログに刻まれた音をちゃんとピックアップしてくれるんで、汚いレコードだったらそれが目立ってしまいます。レコードを丁寧に扱わないとダメですね。でも、それってDJにとってもリスナーにとっても大事な行為だと思うんですよ。昔、レコードだけでやってた頃は、DJをするときやサンプリングするとき、なるべくノイズが出ないようにレコードを洗剤で洗って、拭いて使っていたのを思い出しました。あとプレスが良くない盤だとそれもはっきりわかってしまいますね。ですから取り扱いは注意かもしれないですけど。

あとPLX-500を自宅の同じ環境で他社のターンテーブルと聴き比べたのですが、中高域がクリアに出ると思いました。今の音楽の流れを重視した音作りができていると感じました。あとはカートリッジの組み合わせで低域を強調させたり、よりパワフルな音にしたりできるので面白いなと。

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2016年12月発売予定のヘッドシェル、左からブラック、ゴールド、シルバー。
PLX-500の付属のカートリッジやPC-X10と組み合わせて好みにアレンジすることができる。
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PLX-500を使ってのDJプレイ

―― PLX-500はリスニングだけでなくDJミックスや簡単なスクラッチができるように設計されています。実際にDJプレイをしてみていかがでしたか?(DJプレイは付属のカートリッジでプレイ)

入門編としては十分じゃないですかね?78回転も聴けるし。レコードが聴きたいけど、これからDJになるかどうかわからないという人がこれを使えば、プロ向けのターンテーブルと使い勝手が一緒なので、それをスタンダードとして始めることができるのはとても良いことだと思います。これを使い込んでいって、その先に自分なりの機材感とか、サウンド感が見えてくれば素晴らしいのではないかなと。

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―― 近年はアナログ・レコード人気が復活していると言われ、アナログ・レコードならではの音質を楽しむ方が若い世代にも増えています。これはなぜだとお考えですか?

どんどん世の中がフラット化していて、フラットがデフォルトになってしまっているところがあると思うのですが、手に取れるものを所有する喜びを皆が重要視し出しているということなのでしょう。データだけで持ってるとしたら、ハードディスクが飛んだ場合取り返しが付かないじゃないですか?当然、バックアップをとらなきゃいけないというのはあるんですけど、アナログをデータ化してそれを持ち歩くっていうのはアナログとデジタルのいいとこ取りだと思うので、それが今のやり方なんだと思います。

アナログで自分の世界を広げていけるというか、アナログは選択肢が広いので、自分なりの音楽観が生まれていく、これからもさらに再評価されていくメディアだと思うんです。カセットテープまで今流行り始めていますし。アナログに人生を変えられたひとりとしては、アナログを収集する喜びについてもっと広く伝われば嬉しいですね。保管するスペースは必要ですけど。

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松浦俊夫 「レコードがなかったら今の自分はなかった」

―― 松浦俊夫さんはレコードにどのように人生を変えられたのですか?

人生の道に迷っていたときに救われたんですよ。若いとき、思い通りいかなくて焦ってて、このまま普通に大学に行って普通の人生を送るのは避けたいと考えていて。でもその代わりはなんだろう?と考えていたとき、10代の終わりにジャズに出会ったんですよ。踊れるジャズに。その音楽に出会ってしまったがために、熱にうなされるように求め始めて。レコードがそこになかったら今の自分はなかったと思います。今も、仕事という意識よりも、ずっと音楽に恩返しし続けている気持ちでやっています。常にフレッシュな気持ちは忘れずにいたいと思っていますし、30年近くこういう職業につけているのも音楽のおかげなので、本当に救われたと思ってます。

―― レコードでDJをすることのどういったところに魅力を感じますか?

アナログでプレイするときにしかない高揚感ってあるんですよね。あと、DJでどこかに行ったときに、その街でたまたま買ったレコードをその日のDJに入れることができる、そんな即効性があるのも楽しみですよね。「曲をかけてる」っていう感覚においてアナログに勝るものはないです。トリッキーなプレイをするならデータのほうがたしかに便利だけど、レコードは一発勝負みたいなイメージでスリリングなんですよね。

昨夏にフランスで行われているジャイルス・ピーターソンのWorldwide Festivalに出演した際、アナログオンリーで挑んだその日に限って海風が凄くて、結構ハウるわ、針が飛ぶわで、大変だったんです。でも皆でターンテーブルを抑えてくれて。一緒に参加した沖野修也さんがその場でダンボールで風防を作ってくださって。そういえばDJシーンってなんかこういうものだったなぁって思ったんですよ。ハウるときは皆で抑えるみたいなことが90年代にはあったなって思い出して。楽しさも大変さも共有できるのがアナログの面白さなのかなって思いました。面倒くさいところがアナログの良さでもある。気軽にできるのはデジタルだから、どちらかだけというよりは良いとこ取りして、もっと面白い音楽の聴かせ方ができないかなと常に考えていますね。

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Photos by Tsuneo Koga

PRODUCT INFORMATION

PLX-500 K (Black) & W (White)

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  • 発売日:2016年9月16日
  • 価格:オープンプライス
SPECS
  • ・幅: 450 mm
  • ・高さ: 159 mm
  • ・奥行き: 368 mm
  • ・本体質量: 10.7 kg
  • ・駆動方式: サーボ式ダイレクトドライブ
  • ・ターンテーブル: アルミダイキャスト 直径:332mm
  • ・モーター: 3相ブラシレスDCモーター
  • ・ブレーキシステム: 電子ブレーキ
  • ・回転数: 33⅓, 45, 78 rpm
  • ・回転数調整範囲: ±8 %
  • ・ワウ・フラッター: 0.15 %以下WRMS
  • ・S/N比: 50 dB
  • ・起動トルク: 1.6 kg・cm 以上
  • ・起動時間: 1 秒以下 (33⅓ rpm時)
  • ・トーンアームタイプ: ユニバーサルタイプS字型トーンアーム / ジンバルサポート型軸受構造 / スタティックバランス型
  • ・カートリッジ: VM
  • ・出力端子: 1 PHONO/LINE (RCA)
  • ・USB: 1 USB B port

More Info: Official Site / Official Shop

ARTIST PROFILE

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TOSHIO MATSUURA

1990年、United Future Organization (U.F.O.)を結成。日本におけるクラブカルチャー創世記の礎を築く。12年間で5枚のフルアルバムを世界32ヶ国で発売し、高い評価を得た。独立後も精力的に国内外のクラブやフェスティバルでDJ。さらにイベントのプロデュースやファッション・ブランドなどの音楽監修を手掛ける。2013年、4人の実力派ミュージシャンとともに、東京から世界に向けて現在進行形のジャズを発信するプロジェクト”HEX”を始動。Blue Note Recordsからアルバムをワールドワイド・リリース。InterFM”TOKYO MOON”(毎週水曜23:00)好評オンエア中。
http://www.toshiomatsuura.com/

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松浦俊夫がPLX-500のリスニングに選んだレコード5枚

  • - デ・ラ・ソウル 『And The Anonymous Nobody』LP
  • - ケイトラナダ 『99.9%』LP
  • - バッドバッドノットグッド 『IV』LP
  • - ソンゼイラ 『Tam Tam Tam Reimagined』LP
  • - ジャイルス・ピーターソンズ・ハバナ・カルチュラ・バンド 『La Rumba Experimental (Motor City Drum Ensemble Remix) / Weird Melody (Max Graef & Glenn Astro Remix)』 12″

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