re:discovered
Wax Poetics Japan
Denise LaSalle
デニス・ラサール (Westbound)
「A Man Sized Job」
この曲の躍動感あふれるアレンジを行った、
テネシー州メンフィス出身のトランペッター/バンドリーダーのジーン“ボウレッグス”ミラーは、その時点でもう10年近くChessやStaxなどのリリースでプレイしてきたベテランであった。元々、ボウレッグスはHi Recordsのウィリー・ミッチェルの元で働き、アン・ピーブルスの初期作品などのアレンジや共同プロデュースを行っていた。すなわち、この曲がミッチェルのトレードマークサウンドを彷彿とさせることもうなずけるというわけだ。
Mass Extension
マス・エクステンション (Future Records)
「Have Some Fun」
このタイトルを聞けば、B.T. エクスプレスのダンクラ名曲を連想する方が多いだろう。しかし、1984年にFuture Records & Tapes (レーベルのリリースは90年代でスットップしている)の記念すべき1枚目としてリリースされた本作は、B.T. エクスプレスのそれよりも高揚感でダンスフロアを包む、華やかなゴーゴーナンバーだ。残念ながらアーティスト詳細は不明だが、そこがまたディガー心を突き動かし、レコードバックに入れたくなる1枚だ。
Cleveland Eaton
クリーヴランド・イートン (Black Jazz Records)
「Keena」
60年代後半のラムゼイ・ルイス・トリオを支えたアース・ウインド&ファイヤのリーダー、モーリス・ホワイトとクリーヴランド・イートン。そのクリーヴランドがラムゼイの名盤『Sun Goddess』を最後に彼から離れた頃に録った作品。ブラック・ジャズの異色作で、後のディスコ路線を予感させる音作りとなった75年のアルバム。2曲目に収録された「Keena」は怪しい音が背中を通り中盤からの高揚感あるメロディーに心奪われる。
Spanky Wilson
スパンキー・ウィルソン (Mothers Records)
「You」
フィラデルフィアで産まれたソウル、ファンク・ディーヴァのスパンキー・ウィルソン。70年代に数枚のアルバムをリリースし、その中でもこのグルーヴ感溢れるファンキーなナンバーはダンサーをフロアで釘付けにする事は間違いないだろう。テンポの良いリズムに攻撃的な演奏、畳み掛けるヴォーカルはひとつの時代を感じさせる。80年代後半にパリに移住するが、彼女の壮絶な漆黒ナンバーは70年代という時代に必要とされていたに違いない。
Copeland Davis
コープランド・デイヴィス (Gold Coast Records)
「Totally Outrageous」
NYのRegaliaというレーベルから70年代の中後期にリリースされた、フリーソウル名盤『Smoulderling Secrets』のイメージが強いコープランド・デイヴィス。しかし、あまり見ないこのジャケットの中で光り輝くマイアミソウルはジャズでありソウルなクロスオーヴァー作品である。身体を動かしたくなる軽快なリズムは、ダンスフロアをロックする為に作られたアルバムのようだ。鍵盤の上で踊り狂うコープランドの指先が脳裏をよぎる。
Latimore
ラティモア (Glades) 1973
「There's No End」
マイアミのセッション・ピアニストであるラティモアはこのゆったりとしたディスコ・グルーヴと共に、素晴らしい音楽を届けるために表の世界へ出てきた。この曲はクラレンス・リードがプロデュースしていて、Glades Recordsからリリースされている。ラティモアの淫らな声を聴くと、ただの色男に騙されるものかという気になるが、耳に絡みつくアレンジへ耳を傾けてしまえば、たちまちにコロっと落ちてしまいそうだ。
Billy Preston
ビリー・プレストン (Capitol) 1969
「Can't She Tell」
5人目のビートルズと言われ、人気に火がつく前から、ビリー・プレストンはキーボードの神童であり、たくさんのレコーディングやツアーに早い段階から参加していた。彼がポップ・マーケットで成功する少し前にはCapitol Recordsで作品を残している。この曲はデイヴィッド・アクセルロッドとスライ・ストーンがプロデュースして、プレストンに合うように絶妙に料理してある。
Patrice Rushen
パトリス・ラッシェン (Prestige) 1977
「Roll with the Punches」
80年代、ドラマーのジェイムス・ギャドソンは、このパトリス・ラッシェンの曲を含め、ジャズ、ポップ、R&B、ディスコなど、たくさんのジャンルの人たちと演奏してきた。US版ワックスポエティックス14号で彼が「みんなが僕のドラムをサンプリングした」と言っていたのはこの曲のことかもしれない。打ち乱れるギャドソンのドラムブレイクはビートを愛する者なら必ず反応するだろう。
Luther Ingram
ルーサー・イングラム (KoKo) 1971
「Be Good to Me Baby」
ちょうどアル・ベルがレーベルのサウンド革命を起こしている最中、運がいいことにルーサー・イングラムはStax Records配給のKokoと契約することになった。Kokoの社長であるジョニー・ベイラーもクレジットされているが、ヘヴィーなアレンジメントとオーケストラ風の曲の作り方はアイザック・ヘイズとデヴィッド・ポーターを彷彿させる。
Barbara Mason
バーバラ・メイソン (Buddah) 1973
「World War Three」
73年にBuddah Recordsから出た「World War Three」は、カーティス・メイフィールドの言葉を引用してあり、地獄の業火が降り注ぐような、政治的予言書となっている。この曲でバーバラ・メイソンはフィラデルフィアのシグマ・スタジオにシカゴの風を巻き起こした。Philadelphia Internationalのレオン・ハフをキーボードに迎え、Curtomサウンドを最高の状態で呼び覚ますメイソンのヴォーカルが響き渡る。







