The Steve McQueensインタビュー/ネオヴィンテージ・ソウルジャズ、ザ・スティーヴ・マクィーンズ

June 09,2015 | Category :  Interview Release | Tag :  The Steve McQueens,

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シンガポールの新星ザ・スティーヴ・マクィーンズが、インコグニート・ブルーイのレーベルよりデビュー・アルバムを発表。

 
2013年に結成したばかりの5ピース・バンド、ザ・スティーヴ・マクィーンズは2014年にシンガポールを訪れたインコグニートのブルーイに見出され、彼にデビュー・アルバムをプロデュースしてもらえるという大チャンスを手にした、期待の新星。キーボーディストのジョシュア・ワン、ベーシストのジェイス・スン、ドラムスのアーロン・ジェームス・リー、サックスのファビアン・リムと、ヴォーカリストのジニー・ブループから成る彼らは、フュージョンやスムース・ジャズにネオソウルの質感を融合させたような自流のソウル・ジャズを“ネオ・ヴィンテージ”と銘打っている。ブルーイのプロデュースのもと出来上がったデビュー・アルバム『Seamonster』は、ブルーイの新興レーベルSplash Blueのリリース第一弾となり、日本では現在先行発売中。セロニアス・モンク、ジェームス・ブラウン、エリカ・バドゥ、ロバート・グラスパーらをインスピレーションに挙げる彼ららしい、ジャズの伝統と現在進行形のネオ・ソウルが詰まった鮮やかな作品になっている。ロンドンのスタジオでレコーディングを行っていた際、ブルーイが連れてきたジャイルス・ピーターソンをも虜にしたという、この驚くべき才能をより詳しく知るため、ヴォーカリストのジニー・ブループに話をきいた。
 
バンドの結成の経緯を教えてください。
みんな、シンガポールのミュージシャンのコミュニティで知り合ったの。とても小さなコミュニティだったわ。2年ほど前にジョシュ(ジョシュア・ワン)と一緒にジャカルタのJava Jazz Festivalに行ったけど、そのフェスに出ていたアクトにとてもインスピレーションを受けて、私たちも同じ方向性のバンドをやりたいと考えた。帰ってきてから彼と一緒に作曲したり、ライブをしたりするようになった。当初はメンバーを変えながらいろいろと試して、2013年の6月に今のメンバーになったわ。
 
ザ・スティーヴ・マクィーンズというバンド名の由来は?
ジョシュのアイディアよ! 彼は映画が好きで、彼にスティーヴ・マックイーンの映画も見せてもらった。スティーヴ・マックイーンの作品は“逃避”を題材にするものが多かったし、しがらみに囚われたり、人の意見に流されたりせず、自分がやりたいことや信念を貫き通す人でもあって、それは私たちの音楽にも通じると思えた。私たちにとって音楽は、現実からの逃避だし、好きなことを自由にできる世界だから。
 
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あなたが最も影響を受けたアーティストは?
ソウルとジャズをよく聴いているわ。エリカ・バドゥ、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイ、チェット・ベイカー、エイミー・ワインハウスとか。ハイエイタス・カイヨーテ、リトル・ドラゴン、ロバート・グラスパーとか、最近のアーティストもよく聴いている。
 
本格的に歌い始めたのはいつですか?
歌を真剣にやるようになったのは21歳の頃。ラサール(ラサール・カレッジ・オブ・アーツ)で音楽を勉強していたけど、真面目にやるようになったのは2年生になってからだった(笑)。2010年くらいかな。
 
あなたたちは自身の音楽を“ネオ・ヴィンテージ”なソウル・ジャズと呼んでいますが、このサウンドをどう定義しますか?
“ヴィンテージ”という言葉は、子供の頃から聴いてきた昔の音楽を意味している。特にうちのメンバーは年齢が離れているし、影響された音楽もひとりひとり違うのよね。それぞれがこれまでに聴いてきた古い音楽を表現しながらも、音楽は常に進化するべきだと思うから、そこに自分たちなりの新しさを注入する。それが“ネオ”の部分ね。
 
2013年にEP『Einstein Moments』をシンガポール国内でリリースしています。新作『Seamonster』はこのEPがベースになっているのでしょうか?
ベースになっているわけではないけど、あの作品によっていろいろなチャンスを掴むことができたし、『Seamonster』が生まれるきっかけになったわ。『Einstein Moments』を出したとき、私たちのサウンドが受け入れられるかどうかわからなかった。シンガポール国内のマーケットに向けて作ったものだったけど、リリースしたら想像していた以上の反応をもらうことができて、自分たちのサウンドをより深く追究する勇気が湧いた。その進化の結果が『Seamonster』で、このアルバムに収録されている「Walls」は『Einstein Moments』に入れた曲の再録バージョン。このバージョンはすごく気に入っているわ。1年ほどの間に自分たちがどれだけ成長できたのかもわかったしね。
 

 
アルバムの制作はいつ始まったのですか?
『Einstein Moments』が終わって、すぐに曲を作り始めた。私たちは常に音楽を作っているのよ。2014年にブルーイがシンガポールに来て、私の母校でワークショプをやった。そこで私たちもライブをしたんだけど、ありがたいことにブルーイが私たちの音楽をとても気に入ってくれて、プロデューサーとしてアルバム作りに参加することになった。その時点ですでに何曲か完成していたけど、彼とプロダクションの契約を結んでから、真剣にアルバム作りに専念するようになり、楽曲を磨いていった。アルバムを完成させるという目標が目の前に現れて、ひたすら制作に励み、最善を尽くしたわ。もっと楽曲を作ったけど、最終的にこの10曲に落ち着いた。
 
ブルーイとのレコーディングはいかがでしたか?
最初はすごく緊張した! どうなるかわからなかったからね(笑)。ロンドンに行く前にシンガポールでデモを録って、先にブルーイに送っておいた。私たちがやろうとしていることを知ってもらうためにね。それからロンドンで話し合ったけど、ブルーイはとても温かい人で、私たちの音楽を理解してくれた。デモを渡した段階で「ラジオ的にこの曲は少し長いかもね」とか、「この部分がちょっと独りよがりになっている」みたいなことは言われたけど、レコーディングの前に実際に演奏してみると「ああ、だからこの部分が必要なのか」と理解してくれた。曲の構成の面でも彼はいろいろアドバイスしてくれたけど、ありがたいことに自分の意見を押しつけるようなことはしなかった。とてもやりやすい人だったわ。
 
『Seamonster』というタイトルの意味は?
収録1曲目の名前をアルバム・タイトルにしたんだけど、あの曲を書いた時期、私は自分の決断に疑いを抱いていた。アーティストなら誰でも一度は陥ってしまう状態だと思うけど、このプロジェクトが上手くいくかどうか自信がなくて、アーティストとして生きることに不安を感じていた。特にシンガポールでは、アーティストとして生きるのが難しい。あまり芸術を優先しない文化的な背景があって、周りの人からのサポートがそれほど得られないのよ。この曲では、モンスターが潜む未開の海原を渡ること、つまり自分たちの力で障害を乗り越えることを歌っている。それはアルバムを通して伝えたいことでもあった。シンガポール出身のソウル・ジャズ・バンドなんてそれほどいないし、くだらないことには左右されずに、自分を貫くべきだということを伝えたかった。
 
ジャイルス・ピーターソンと会ったときはどう思いました?
感激したわ! スタジオのなかに彼がいることを知らなかったの。レコーディングしている最中で、私はヴォーカル・ブースにいたから、外で何が起きているかわからなかった。ブースから出たらそこにジャイルスがいて、紹介された。驚いたわ! 彼はすごく優しくて、私たちの音楽をとても気に入ってくれたし、いろいろと話をした。アーティストのことをしっかり知ろうとする人だった。彼のような人では珍しいことよ。サッカーのチケットもくれたわ!
 
インタビューの後半は6月末発売のWax Poetics Japan No.40にて掲載。
 
pcd93911 
The Steve McQueens
『Seamonster』
【CD】¥2,300 (Tax excl.)
Now On Sale
Splash Blue / P-VINE
PCD-93911
p-vine.jp
 
Tracklist
01. Seamonster
02. More Than We Know
03. Rain
04. Feel
05. Barbwire Tree
06. Snowman’s Demise
07. You Bring Me Up
08. Summerstar
09. Safe
10. Walls

TOWER RECORDS ONLINE
HMV ONLINE
diskunion.net
iTunes
 

The Steve McQueens / Seamonster

6/3に日本先行発売したザ・スティーヴ・マクィーンズのワールドワイド・デビュー・アルバム『Seamonster』、欧州ではブルーイが新たに設立したSplash Blueから今週リリース。それに合わせて、ファースト・オフィシャル・ミュージック・ヴィデオ「Seamonster」が公開! 紅一点のリード・ヴォーカル、ジニー・ブループによる、バリのビーチで曲題のイメージを想起させる、オリエンタルな魅力を湛えたアピアランスに注目の、インターナショナルに照準を拡げたヴィデオになった。また、曲の後半部のインプロヴィゼイションがこのグループの売りのひとつだ。なお、『Seamonster』は地元・シンガポール含む東南アジア地域では7月中旬リリース予定。

Written by Eugenia Yip & SMQ (Taken from the album “Seamonster”)
Label: Splash Blue / P-VINE Records
Directed, Filmed and Edited by Manex Efrem, Giuliano Eboulia & Bluey
On site assistants in Bali: Christalla Arsiotou & Lina
Executive producers: Bluey, David Ranalli, Julian Fontenell, Ravi Chidambaram & Michael Tay
Project co-ordinator: Takami
A Man-Blue / Unikflow Production

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