Sonzeira-Brasil-Bam-Bam-Bam2

Brasil Bam Bam Bam

Artist : Sonzeira  | Label : Talkin' Loud / Universal  | Release Date : 2014/5/27

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今夏はワールド・カップ・ブラジル大会ということもあり、ブラジル音楽をテーマにした企画や作品があちこちで見られる。本作もそうした1枚に数えられるのだが、ただありきたりのブラジル曲集ではない。本作の企画者であるジャイルス・ピーターソンは、かつてキューバ音楽に取り組んだ『Havana Cultura』や、そこから派生した『Mala In Cuba』、アフリカのナイロビとロンドンを結んだオウニー・シゴマ・バンドなど、ワールド・ミュージック(今風に言えば辺境音楽)と現在のクラブ・サウンドを結ぶ試みを継続的に行っているが、本作はそのブラジル編なのである。

参加者はマルコス・ヴァーリ、ナナ・ヴァスコンセロス、ウィルソン・ダス・ネヴェス、エルザ・ソアレスらブラジルのレジェンド級ミュージシャンに、セウ・ジョルジ、カシン、ルーカス・サンタナら新しい世代のミュージシャンを組ませ、新旧のブラジルが融合する。さらに、ロンドンから2BO4(トゥー・バンクス・オブ・フォー)やサム・シェパード(フローティング・ポインツ)も遠征して録音に加わっている。スモーク・シティやジープで活動していたニナ・ミランダの名前もあり、かつて90年代にロンドンから世界中に広まったブラジリアン・ブームを知る人にとっては懐かしいかもしれない。

収録曲は「Nanã」や「Xibaba」など古典作品のカヴァーにはじまり、「America Latina」「Ele E Ela」「Estrelar」など参加者であるヴァーリの曲をやっているが、これらの楽曲セレクトのセンスはさすがブラジル音楽の本質を理解したジャイルスで、単なるヒット曲集ではない意味のある作品が取り上げられている。ブラジリアンだけでなく、フリーズの「Southern Freeez」、ユセフ・ラティーフの「The Plum Blossom」、サラ・ヴォーンの「The Mystery Of Man」など、あっと驚く曲がブラジリアンにアレンジされて面白い。たとえばユセフ・ラティーフの世界観は、アフロ・ブラジリアンやナイヤビンギなどと繋がっているのだなということが、ここから読み取れるのではないだろうか。そして、ブラジルということにとらわれがちだが、「Southern Freeez」のボサノヴァ・ヴァージョンは、かつてのウィークエンドの「The View From Her Room」やラー・バンドの「Perfumed Garden」を思い浮かべさせ、そこにダブの要素を加えたスモーク・シティ的なアレンジである。フリーズ自体が80年頃のUKジャズ・ファンクの象徴的バンドであり、つまりUKの音楽シーンが長きに渡って培ってきた成果がこのカヴァーとも言える。イギリス人のジャイルスだから生まれた発想なのだ。

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