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Cosmic Logic

Artist : Peaking Lights  | Label : Domino / Wired World  | Release Date : 2014/10/6

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アーロン・コイエとインドラ・ドゥニの夫婦コンビによるサード・アルバム。ロサンジェルスを拠点に活動する彼らのコンセプトをひとことで言うなら、チルウェイヴを通過したサイケデリック・ロックの現代的解釈となる。ほかにもアフロ、インディ・フォーク、シューゲイズ、バレアリック、クラウトロック、ミニマル・ミュージック、シンセ・ポップ、ニュー・ウェイヴ、イタロ~コズミック、アーリー・シカゴ・ハウス、ディスコ・ダブ、デジタル・ダンスホールなどさまざまな音楽的要素を内在するが、デビュー作の『936』とセカンドの『Lucifer』でもっとも顕著だったのがサイケとチルウェイヴ的要素で、その霞がかかったようにダビーでアシッドなロー・ファイ・サウンドは、1960年代後半のUS西海岸で花開いたフラワー・ムーヴメントを呼び覚まし、それと現在のウォッシュト・アウトやトロ・イ・モアなどを結んでいた。こうしたサイケ的モチーフを持つアーティストでは、近年だとストーンズ・スロウから登場したステップキッズが思いつくが、さらにメディテーショナルなサウンドというのがこの2作でのピーキング・ライツの印象だった。
 
『Lucifer』から2年ぶりの本作はLAに新築したスタジオで録音を行い、1年半の制作期間を経て完成した。オープニングの「Infinite Trips」は、伝説のニュー・ウェイヴ・バンドのフライング・リザーズがデビュー・アルバムに収録した「Der Song Von Mandelay」に対するオマージュ。続く「Telephone Call」は、カーペンターズがカナダのプログレッシヴ・ロック・バンドのクラトゥをカヴァーした「Calling Occupants Of Interplanetary Craft」を題材とする。これらを聴くだけで、今までのアルバムに比べてサウンドがクリアになり、ビートが強くなっていることがわかる。「Hypnotic Hustle」や「Breakdown」のようなディスコ路線は、インドラのヘタウマなヴォーカルもあってトム・トム・クラブを彷彿とさせる。彼らの持味のレイドバック感覚も「Everyone And Us」のように今までになくポップな打ち出しだ。「Little Light」や「Eyes To Sea」は完全にシンセ・ポップと言うべき作品で、「Bad With The Good」や「New Grrrls」は100%シルクのようなインディ・ダンス~ハウス・レーベルのサウンドに通じる。「Dreamquest」と「Tell Me Your Song」は今までのサウンドに比較的近いが、それでもあの独特の酩酊感や宇宙遊泳感は薄くなっている。
 
スタジオの変更がサウンドの変化に繋がったのかは不明だが、いずれにせよピーキング・ライツが新しい道を歩き始めたアルバムだ。もちろん、こうしたシンセ・ポップやインディ・ダンス的要素は今までのアルバムの中にも薄くはあり、唐突な路線変更ではないが、傑作と誉れの高かった過去2作の世界観が好きな人にとって、やはり違和感はぬぐえないかもしれない。また、この手のインディ・ダンスものは現在数多く溢れており、悪く言うなら没個性化しかねないところもある。本作のみでは路線変更が成功したのか否か、判断はつきかねる。そのたあたりは、次回作以降を見てみたい。

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