Batida-Dois

Dois

Artist : Batidos  | Label : Soundway  | Release Date : 2014/11/4

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2014年は辺境音楽や民族音楽をモチーフとした新作のリリースが充実していた。そして、どちらかと言えば昔の音を忠実に再現するヴィンテージ系のリリースが多いこの手のジャンルにあって、現在の新しいクラブ・ミュージックとの融合を図り、2014年現在の新鮮なサウンドとして提示するアーティストも目に付いた。例として、クラップ・クラップやモー・カラーズなど、ベース・ミュージックと民族音楽の融合に成功した人たちが挙げられる。ベテランのクァンティックもその新作で、ラテンをはじめとした民族音楽をクラブ・ミュージックとしてモダナイズする安定した手腕を見せてくれた。2014年末にリリースされたバティーダの『Dois』も、これら成功例のひとつに挙げていいだろう。
 
バティーダは、ポルトガルはリスボンのDJ/プロデューサー/ミュージシャンであるムピューラことペドロ・コケォンによるユニット。彼の出身地はアフリカ南西部のアンゴラ共和国で、そこにはクドゥーロという特有のストリート・サウンドが存在する。発祥は1980年代に遡るが、ブルカ・ソン・システマなどの活躍で、次第に海を越えて旧宗主国だったポルトガルはじめ、ヨーロッパの中でもアンゴラ移民の多い諸国で流行していく。フランスでは、フレデリック・ガリアーノがミックスCDを出して普及に努めていることも知られる。音楽的には、アンゴラの民族音楽であるセンバはじめ、アフロビートなどアフリカ音楽、ズーク、カリプソ、ソカなどカリビアンと、欧米から輸入されたエレクトロニック・サウンドを融合したもので、そこにはヒップホップ、グライム、テクノ、ハウス、ダンスホールなど各種クラブ・サウンドの要素が散見される。デジタル・クンビアとかレゲトンのような発生形態で、同じポルトガル語圏ということでバイレ・ファンキとの相関性も見出せる。ブルカ・ソン・システマの「Sound Of Kuduro」(2008年)にはM.I.A.も参加し、それによってクドゥーロの一般層への浸透は進んだと言える。バティーダはこのクドゥーロの新進アーティストで、2012年に『Batida』で民族音楽の発掘で定評のあるUKのサウンドウェイからデビュー。本作はそれから2年ぶりとなるセカンド・アルバムだ。
 
1曲目の「Pobre E Rico」でいきなりアップリフティングなビートが繰り出され、続く「Tá Doce」や「Mama Watoto」でさらにダンサブルなビートは加速。ビートのタイプとしてはUKファンキーのような跳躍力のあるスタイルに近いが、そもそもアフロやラテンなどパーカッシヴでリズミカルな音楽を土台とするので、ダンス・サウンドとしては最高のハイ・ブリッドと言えよう。「Luxo」や「Lá Vai Maria」のいかにも中南米的なクセのあるラップは、クドゥーロがゲットー・ベースとして根付いていることを示す。「Bantú」は非常に高速のテクノ寄りのナンバーで、「Cookin Ugali」のエレクトリックなアプローチもユニークだ。「Chat With Mr. Ochieng」と「Céu」は、伝統性と現代性が見事に融和したトロピカル・ベースの傑作。前作からさらに進化した姿を見せてくれるアルバムだ。

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