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Early Riser

Artist : Taylor McFerrin  | Label : Brainfeeder/Beat  | Release Date : 2014/5/14

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プロデューサー/DJ/キーボーディスト/ビートボクサーという、多くの肩書きをもつ才人であるテイラー・マクファーリンが、ついに完成させた待望の1stアルバム。2008年に出したフューチャー・ソウル〜ブロークン・ビートなEP『Broken Vibes』が話題になり、その後ホセ・ジェームズ、ディーゴ、シネマティック・オーケストラ、アンプ・フィドラーらの作品のプロデュース/リミックスなどを手がけてきた彼だが、長い制作期間を経てようやくリリースされた『Early Riser』は、フライング・ロータス主宰のBrainfeederから出たことで想像がつく通り、1つのジャンルにすんなり属す作品ではない。フェンダー・ローズ、シンセ、ギター、ベース、ドラムなどを自身で演奏し、それを更にサンプリングして構築していくスタイルで制作された彼のトラックは、様々なテンポを刻み、多様なムードを表現しているが、常に美しくオーガニックであり、 包み込まれるような心地良さに溢れている。

同作は“次世代のジャズ”として紹介されることが多いが、個人的には彼をあまりジャズ・アーティストとしては見ていない。しかし、父親がジャズ・ミュージシャンのボビー・マクファーリンであることや、ロバート・グラスパー、ホセ・ジェイムズらと親交が深い点など、ジャズとの接点が多いことは確かだ。特にジャズの要素が顕著なのが、ドラマーのマーカス・ギルモアが卓越したドラミングを魅せる「4 AM」、「Already There」、「Invisible/Visible」、「Pls Dnt Lstn」の4曲であり、「Already There」にはロバート・グラスパーとサンダーキャットが、「Invisible/Visible」には彼の父親と、ブラジルの名ピアニスト、セザール・カマルゴ・マリアーノが参加している。その他では、ハイエイタス・カイヨーテのナイ・パームが参加した「The Antidote」、エミリー・キングとの「Decisions」、ライアットをフィーチャーした「Place In My Heart」など、ヴォーカリストとのコラボレーションも夢幻的ながら、絶妙なキャッチーさのある曲に仕上がっており、とても素晴らしい。だが、 静謐なビートで始まり、徐々に壮大な宇宙へと膨れ上がる「Postpartum」や、スローなテンポのドラムと高速のハット/パーカッションで半速/倍速のノリを楽しむ「Degrees of Light」、「Stepps」、「Blind Aesthetics」など、現行のビート・シーンの流れを捉えたインスト・トラックもメランコリックで物語性があり、秀逸だ。

個人的にお気に入りなのは、唯一本人がヴォーカルを担当した「Florasia」。ゆったりとしたドラムに支えられた淡く叙情的なメロディーに、テイラー・マクファーリンの繊細な歌声が溶け込む同曲は、言葉を失うほど美しいネオソウルであり、聴くたびに、抑えきれない感情がこみ上げてくる。

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