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EarthEE

Artist : THEESatisfaction  | Label : Sub Pop  | Release Date : 2015/2/23

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ラッパーのスタシア・アイロンズ、シンガーのキャサリン・ハリス=ホワイトによるジーサティスファクション。このシアトルの女性ヒップホップ/R&Bデュオは、2008年頃からミックス・テープを作り始める。エリカ・バドゥやアニタ・ベイカーの作品を歌ったミックス・テープも作る一方、2011年にサブ・ポップと契約を結び、手始めにレーベル・メイトとなった同郷のシャバズ・パラセズのファースト・アルバム『Black Up』に客演する。元ディガブル・プラネッツのバタフライことイシュマエル・バトラーが、ムビラ演奏の第一人者ドゥミサニ・マライレの息子で、マルチ・ミュージシャンのテンダイ・マライレと組んだシャバズ・パラセズは、この作品で大いに注目を集めるが、同時にジーサティスファクションの名前も広まることに。そして翌2012年にデビュー・アルバム『awE NaturalE』を発表。彼女たちの出発点にはミドル・スクールのヒップホップがあるが、それだけにとどまらずアフロ、ジャズ、ソウルなど幅広い要素をブレンドしたトラックに、ポエトリー・リーディング風のラップとヴォーカルのコンビネーションは、ジョージア・アン・マルドロウなどの影響を感じさせるものだった。こうした形態の女性コンビでは、フランスのレ・ヌビアンや、現在は解散してそれぞれソロ活動をしているフロエトリーなどが思い起こされるが、ジーサティスファクションはそうした先人たちと、ラスGなどのLAビート・シーンを繋ぐような、非常に面白い存在になるのではと期待された。『awE NaturalE』の構成も、フライング・ロータスの『Until The Quiet Comes』に通じる部分があったと思う。
 
その後それぞれのソロ活動を経て、ようやく3年ぶりのアルバム『EarthEE』が完成した。前作がふたりだけで制作したのに対し、本作は盟友のシャバズ・パラセズのほか、ミシェル・ンデゲオチェロらゲストがいろいろと参加する。ただ、これらゲストが出過ぎることはなく、あくまでジーサティスファクションの個性を引き立てる存在にとどまり、決してゲスト頼りの作品とはなっていない。ジャケットのアフロ・コズミックな雰囲気は1曲目の「Prophetic Perfection」から溢れ出ているが、今回はさらに音楽性のフュージョン/クロスオーヴァー化が進み、もはや一般的なヒップホップやR&Bの範疇では括ることができない。「Nature’s Candy」は比較的R&B寄りだが、それでもレフトフィールドな雰囲気が充満する。エキゾティックな表題曲からはアフリカや東南アジアなどの辺境音楽の香りが流れ、それをビート・ミュージック的に料理したといえる。「No GMO」はまさしくフュージョンといえる作品だし、アンビエント・テクノの要素が含まれる「Universal Perspective」、スペイシーなエレクトリック・ソウル「Planet For Sale」、変則ビートの幻想的なポエトリー・ジャズ「Blandland」、抽象性の高いスピリチュアル・ジャズの「Post Black, Anyway」と、まさに音楽の百花繚乱状態となっている。それでいて、アフロ・コズミックなカラーで統一されており、それはミニマル音楽を取り入れた「Recognition」で頂点を迎える。どこにも属さない強烈な個性を持つ、ジーサティスファクションの世界が極められた。

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