Forever Charlie

Forever Charlie

Artist : Charlie Wilson  | Label : RCA  | Release Date : 2015/1/27

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もしかしたらギャップ・バンドの全盛期を超えているのでは?と思うほど、近年のチャーリー・ウィルソンは絶好調だ。間違いなく現行のR&Bにおいて最も成功しているヴェテラン・シンガー(62歳)であり、自身のスタイルをキープしながら時代の波に乗っていく柔軟な身のこなしには脱帽するしかない。ソロとしては92年にアルバム・デビューしているが、特にジャイヴと契約した2000年代中期以降(現在はジャイヴを吸収したRCA所属)は、一作ごとに新たなクラシックが生まれているほどアルバムのクオリティも安定している。スティーヴィ・ワンダー系統の濃厚で彫りの深いヴォーカルがガイのアーロン・ホールやR.ケリーに影響を与えたのを筆頭に、この20年近く後進のR&B~ヒップホップ勢から慕われながら共演のオファーが相次ぐチャーリー。近年はカニエ・ウェストとのコラボも話題で、そのカニエの参加が噂されていたのが2年ぶりとなる今回の新作である。結局カニエは不参加となったが、ゲストの有無に音楽性が左右される人ではないので、そこらへんは問題ではない。
 
 ソロ時代のチャーリーはどちらかというとバラディアー的なイメージが強く、今作の先行シングル“Goodnight Kisses”もほんのりドゥー・ワップ的な雰囲気が漂うバラードだったが、アルバムは冒頭からディスコ調の快活なアップが登場し、半数近くの曲がその路線。グレッグ・パガーニやエミール・ギャンテス(元インソムニアックス)がメインで制作を手掛けるのはここ数作と同じながら、これまでお互いの作品で度々共演しているスヌープ・ドッグを招いた“Infections”も含め、近年のディスコ/ブギー流行りに反応した……というか、80年前後のギャップ・バンド時代に回帰したようなアルバムとなっているのだ。例えば“Just Like Summertime”はギャップ・バンドの“Outstanding” を彷彿させる小気味よいミディアム・アップだし、カール・カールトンのディスコ・クラシック“She’s A Bad Mama Jama”のフレーズを拝借した“Sugar.Honey.Ice.Tea”も狙いは明らかだろう。そんな中でボブ・マーリー曲を引用したシャギー客演のレゲエ・ナンバーはいい箸休めになっているし、後半ではジャム&ルイスがアヴィラ・ブラザーズを含めたフライト・タイム一派とともにスムーズなタッチでチャーリーのヴォーカルを生々しく引き出している。ある意味、デイム・ファンクとのコラボでスレイヴ時代に回帰したスティーヴ・アーリントンの近作にも近いアプローチだが、このタイミングでディスコ/ブギーの生き証人とも言えるチャーリーがメジャーの舞台で正面切ってブームに応えたことはとても意義深いし、痛快でもある。

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