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Ibeyi

Artist : Ibeyi  | Label : XL Recordings  | Release Date : 2015/2/17

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イベイーはナオミとリサ=カインデという双子のディアス姉妹によるユニット。現在19歳のふたりはフランスを拠点に活動するが、彼女たちの音楽的なルーツを紐解くため、その父親の故ミゲル“アンガ”ディアスを紹介したい。キューバ生まれのパーカッション奏者である彼は、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブでの演奏で知られることになった。キューバ国外でも演奏する世界的な音楽家であり、ライ・クーダー、ロイ・ハーグローヴ、スティーヴ・コールマン、ジョン・パティトゥッチらと共演するほか、音楽教育者としても活躍し、欧米各地の学校で講義やパーカッションのワークショップを開き、教則ビデオも出している。06年に移住先のスペインで亡くなるまで活動し、遺作となった05年作『Echu Mingua』には、コルトレーンの「A Love Supreme」の素晴らしいカヴァーが収められた。
 
イベイーはXLレコーディングスと契約し、本デビュー・アルバムはその総帥であるリチャード・ラッセルがプロデュースする。彼が彼女たちをどう売り出すか考えた際、思い浮かんだのはプリミティヴな要素と現代性の融合ではないだろうか。彼女たちは今どきの女の子たちで、ベース・ミュージックやオルタネイティヴなR&Bの影響を受けており、それを生かすために現代的なプロダクションが施されている。FKAツイッグスやケレラのようなファッション感覚もあり、ヴィジュアル性も含めて現在の最先端をいくアーティストに位置づけられる。しかし、そうした現代性だけでない部分もイベイーの中には存在し、それによって強烈なオリジナリティを放っている。その独自性とは、父親譲りのキューバ音楽はじめ、アフリカや中南米の民族音楽からの影響である。
 
例えば「Oya」の唱法にはビヨーク的な部分も見られるが、同時に民謡やフォーク、黒人霊歌のスタイルが見受けられる。「Ghosts」「Yanira」あたりは比較的ストレートにプリミティヴな要素を出しており、「Singles」「Faithful」ではジャズやブルース、「Behind The Curtain」ではクラシックや教会音楽からの影響も見られる。そして、土着的な要素を現代的なサウンドの中にうまく融合させた例としては、「River」「Think Of You」「Stranger / Lover」「Weatherman」があリ、今までにない全く新しい聴かせ方をしている点が、彼女たちの新世代たるゆえんだろう。そして、リチャード・ラッセルにとってはギル・スコット=ヘロンとザ・エックス・エックスのコラボ作『We’re New Here』、デーモン・アルバーンやラナ・デル・レイらが参加したボビー・ウーマックの『The Bravest Man In The Universe』などに続く意欲的な試みと言えるのではないだろうか。

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