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If There’s A Hell Below

Artist : Black Milk  | Label : Computer Ugly  | Release Date : 2014/10/29

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デトロイト出身ということもあり、何かと“ディラ・サウンドの後継者”といった紹介がされがちなプロデューサー/ラッパーのブラック・ミルクだが、ここ最近の彼のリリース作品を聴けば、それがいかに過小評価かが解る。2013年には5枚目のソロアルバム『No Poison No Paradise』をリリースした上、インストアルバム『Synth Or Soul』を発表し、今年に入ってからはRecord Store Dayに合わせ2枚のEP(『Glitches In The Break』とシンガーのメルとの『Burning Stones』)を同時発売した後、今回のニューアルバムを届けるという多作ぶりを見せているが、どの作品にもローファイなソウル・ループから、ダーティーでグリッチーなシンセ・サウンド、そして生演奏を加えたジャジーなトラックまで様々な楽曲が収録されており、そのどれもが紛れも無いブラック・ミルク・サウンドであると言える。
 
『If There’s A Hell Below』には、先行シングルでリリースされた「What It’s Worth」や、サウスのレジェンド、バンBを招いた「Gold Piece」など、遅いBPMの今風のリズムを取り入れたトラックがこれまでの作品よりも目立つが、彼らしいクリエイティブなネタ使いや、思慮深いリリックでしっかりと自身の世界観に当て嵌めている。ドラムレスなワンループ・トラックの「Leave The Bones Behind」にブルーが参加し、ほぼシンセ・ベースと骨太ドラムのみの硬派な「Quarter Water」にはピート・ロックがラップで参加するなど、ゲスト陣も強力。ショーン・プライスとギルティ・シンプソンがランダム・アックス名義で加勢した、バースごとにトラックが変わる「Scum」など、漢気溢れるハードコア・トラックも用意されているが、「Hell Below」はドラム&ベースに近い高速ドラミングとトランペットの音色が心地良いブロークンビーツ・ジャズであり、「Story and Her」はトラックが二転三転する、オーガニックなネオソウル。かと思えば、デトロイトのクラブの空気感を封じ込めたダーク・シンセファンク、「Detroit’s New Dance Show」といったナンバーもあり、プロデューサーとしてもラッパーとしても成長したブラック・ミルクのレパートリーの幅広さが味わえる、バランスのとれたアルバムになっている。最近、Boiler Roomにも登場し、その多彩ながらどこまでも黒い音をたっぷりと披露していたが、彼のような才能がいるかぎりデトロイト・ヒップホップ、いやインディー・ヒップホップ全体の未来は明るい。

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