shaun escoffery in the red room

In The Red Room

Artist : Shaun Escoffery  | Label : G&S Music Shack/Dome  | Release Date : 2014/9/1

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2000年代初頭にオイスター・ミュージックから放った“Space Rider”がUKの著名ラジオDJ、トレヴァー・ネルソンに気に入られて話題を集めたロンドンのシンガー。ハウス・リスナーに訴えかけるようなクラブ・フィーリングはペヴン・エヴェレットを思わせたし、ポップにしてオルタナティヴなソウル表現は“アンダーグラウンド版のシール”といった印象を受けたものだ。そんな彼のルーツは、サム・クック、マーヴィン・ゲイ、シュギー・オーティス、ティミー・トーマス、ホール&オーツなどの名曲カヴァーを収めた『Move Into Soul』(2007年)で窺い知ることができたように、主に70年代のソウル/ポップス。ファルセットを交えたスモーキーで芯のある歌唱で滑らかにグルーヴしていく彼の音楽は、シンプルながら深みを湛え、聴き手を独自のソウル・ワールドへと導く。
 
 『In The Red Room』と題された今回の新作は、ミュージカルなどへの出演を挿んで7年ぶりに発表されたアルバム。ショーンと共同でソングライティングを行い、プロデュースを手掛けたのはギル・キャング。ギルはガリアーノの楽曲でドラムを叩いたり、ドライザボーン一派として活動したほか、マキシ・プリーストなども手掛けていた才人で、ショーンの前作を制作したジェフリー・ウィリアムズとともにマイケル・ジャクソンの『Invincible』(2001年)で“Whatever Happens”のソングライターとしてクレジットされていた人物でもある。本作でも演奏を含めマルチな才能を発揮しているが、多芸ぶりをひけらかすことなく、ひたすらシンプルに主役のソウルネスを生楽器の瑞々しい響きとともに引き出している。
 
 アイズレー・ブラザーズ“Harvest For The World”を思わせる軽快なミッド・グルーヴの“Nature’s Call”を筆頭に、地声とファルセットをしなやかに行き交う歌唱でポップかつ壮大に展開される楽曲群。艶めかしいファルセットを交えた“Perfect Love Affair”や“Get Over”でのラヒーム・ディヴォーンにも通じるマーヴィン・ゲイ作法、アコースティックな“People”で飛び出すサム・クック節など、件のカヴァー集をオリジナル作品へと昇華させたような作りは、オールドスクールへの愛着と彼なりの進化を同時に伝える。バート・バカラック風のメロディが小粋な“Do U Remember”でのロビン・シック的なスウィートネスも愛おしい。英国らしいトラッドな感覚をベースに己のソウルを磨き上げた意欲作だ。

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