61GG9m73dSL

Jarrod Lawson

Artist : Jarrod Lawson  | Label : Dome / P-Vine  | Release Date : 2014/11/5

Purchase

iTunes
Tower
HMV

この5月に自主制作したファースト・アルバムがUKのレコード・ショップやメディア経由で話題を集め、秋にはUKの名門ドームからのリリースを経て、日本盤も発売されることになったジャロッド・ローソン。アメリカのオレゴン州ポートランド出身のシンガー・ソングライターで、メリーランド州コロンビアで行われるキャピトル・ジャズ・フェスへの参加で実績を積み、今年の開催ではジョン・レジェンドやエリカ・バドゥのオープニング・アクトにも抜擢され、がぜん注目度もアップ。シルキー&スムースかつ力強さと爽快さを持つ歌声、アメリカよりむしろイギリスで先に火が点いたところが示すように、ソウルをはじめジャズ、ファンク、ゴスペル、AORなど幅広いサウンドから影響を受けたクロスオーヴァーな音楽性から、ダニー・ハサウェイ、アル・ジャロウ、フランキー・ビヴァリー、オマー、ディアンジェロといった男性アーティストが連想されるが、特にスティーヴィー・ワンダーを思い起こす人も多いのではないか。実際スティーヴィーの『Songs In The Key Of Life』を聴いて音楽を志し、彼のバースデー・パーティーに招かれてその前で演奏したばかりか、共演も果たしたそうだ。
 
歌唱スタイルを見ると、スキャットを多用したバリトン・ヴォイスで、フェイク気味にメロディを崩しながら歌うところはかなりジャズ・ヴォーカルを意識しており、バランスとしてはソウル・シンガーとジャズ・シンガーの中間に位置するアーティストと言える。イギリスではロニー・スコッツのような老舗ジャズ・クラブで公演をしているところから、ジャズ・ミュージシャンとして認められていることが伺える。作曲面では「Sleepwalkers」や「Here’s There」などラテン風味の導入も印象的で、そのあたりはスティーヴィーの影響が色濃い。「Think About Why」ではアフリカ的なモチーフが生かされ、「Spiritual Eyes」ではハウス調の四つ打ちビートを取り入れ、「Walk In The Park」はまさにフュージョン・ソウルと呼ぶべき作品。こうした音楽性から、ジャイルス・ピーターソンやパトリック・フォージらジャズDJたちが好むのも頷ける。また、ジャズとゴスペルが結び付いたリードとコーラスを多重録音で組み合わせ、随所でひとりテイク6状態を見せるなど、そのアイデアとスキルは並の新人離れしている。ライヴでは自身でピアノを弾きながら歌い、ピアノの腕もなかなか。アルバム収録作以外でも、BBCのスタジオ・ライヴでビラルの「When Will You Call」を披露し、YouTubeにスティーヴィーの「I Wish」をピアノ弾き語りでやった映像がありと、取り上げる曲のセンスもいい。ほかのカヴァーではディアンジェロの「One Mo’ Gin」、ビラルの「Soul Sista」もライヴ・レパートリーのようで、ロイ・ハーグローヴのRHファクターの系譜にあたるステージングだ。しかもかなりの男前とくれば、日本でも人気が高まるのは時間の問題だろう。

Reviewed by

Play on youtube

Share this Article

Like
Tweet
Share
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>