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Life Between the Notes

Artist : Bluey  | Label : Dome/P-Vine  | Release Date : 2015/4/15

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インコグニートの総帥ジャン=ポール“ブルーイ”モーニックが活動歴30余年にして初めてのソロ・アルバム『Leap of Faith』を出したのが2013年のこと。インコグニートの前に組んでいたライト・オブ・ザ・ワールド時代からヴォーカルをとっていたこともあるが、基本はグループのオーガナイザー/ギタリストとしてバックに徹していたブルーイだけにシンガーとしてアルバムを出すとは少し意外でもあった。あれから2年……周囲の反応が良かったのか、ソロで歌うことに悦びを見出したのか、インコグニートやシトラス・サンなどのプロジェクトに関わりながら再びソロ・アルバムを発表。フラットではあるが穏やかな人柄がそのまま反映されたようなテンダーなヴォーカルで、リチャード・ブル、スキー・オークンフル、マット・クーパーといった仲間たちと共同で仕上げた楽曲を歌っていくブルーイは、今回も実に晴れ晴れとしている。
 
ソロ第一弾ではインコグニート的な70年代風サウンドからの脱却を宣言し、ホーン・セクションを入れず、シンセやプログラミングを主体とした音作りで80sブラコンやクラブ・ミュージック的なエッジを効かせていた。では今作はというと、未来への希望を歌った“Tomorrow Never Lies”は前作の先行曲“Got to Let My Feeling Show”に通じる80年代風のアーバン・ソウルだし、昨今のディスコ・リヴァイヴァルに反応したようなブギー・ハウスとでも言うべき“Hold On”を聴いても、前作の延長線上にあるアルバムといった印象を受ける。が、JBやクインシー・ジョーンズ、マーヴィン・ゲイ、ルーファス、カーティス・メイフィールドらの名前を挙げて先達からの影響を明らかにしたスムーズなタイトル曲をはじめ、同じく共感するミュージシャンの名前を挙げながらロイ・エアーズを意識したサウンド(&スキャット)を用いてディアンジェロっぽく振る舞う“Saints and Sinners”、ファルセットで歌い通す日本盤ボーナス・トラックの“I’m Only Here to Remind You”など、今回は70年代に回帰した作風も目立つ。“Been There Before”なんかはホーン抜きのインコグニートといった感じで、アシッド・ジャズ的でさえある。マンボ~サルサ調のジャズ・ファンク“Trippin’ On This Feelin’”やラテン・ジャズ的な“Columbus Avenue”、そしてグラハム・ハーヴェイのジャジーなギターを基調にした“Sunships on the Shores of Mars”など、随所でジャズを匂わせるあたりも前作とは少し違い、ここらへんは今のモードを意識したか。それはスムーズ・ジャズ的なバラード“The Poetry Of Life”においても同様で、全編を通して、かつてブルーイが住んでいたニューヨークのタイトな空気が感じられる。以前、デクスター・ワンゼルと連絡を取り合っていると話してくれたように、ワンゼルとのコラボを期待させるような瞬間もあり。還暦間近という年齢ではあるが、この人にはまだやり残していることがたくさんあるようだ。

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