DeWayne-Woods-Life-Lessons

Life Lessons

Artist : Dewayne Woods  | Label : Soul Therapy  | Release Date : 2015/2/3

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一時期アトランティック・スターに在籍していたこともあるドウェイン・ウッズは、ドナルド・ローレンス率いるトライ・シティ・シンガーズを経て、ヴェリティからリーダー・アルバムを発表したカンザス・シティ出身のゴスペル・シンガーだ。HIVキャリアとして病気と闘ってきた経験から、似たような境遇の人々を癒すことに主眼を置いて活動してきた人で、神との繋がりを求めた折り目正しいバラード・スタイルの曲を歌いながら、R&Bのトレンドや作法を取り入れたポップな楽曲も歌ってきた。そこらへんの折衷/越境感覚は、師と仰ぐドナルド・ローレンスやジョンP・キー、フレッド・ハモンドからも体得したのだろうが、2010年作『My Life’s Lyric』に楽曲提供をしたジェイムズ・ポイザーやPJモートンといった聖俗を跨ぐクリエイターとの交流が、彼をより世俗の方面に向かわせた(ある意味アトランティック・スター時代に回帰した)のかもしれない。
 
かくしてシカゴをベースとする自主レーベルから発表した5年ぶりの新作は、聖俗を跨ぐミュージシャンたちとのこれまでになく豪華なコラボを実現させた世俗寄りのゴスペル・アルバムとなった。ただ、アンソニー・ハミルトンとデイヴ・ホリスターという濃厚歌唱シンガーを招いたプレイズ&ワーシップ的な“Friend Of Mine”など、世俗寄りと言ってもいわゆるアーバンR&B路線ではなく、トラディショナルな教会の雰囲気を現行のレトロ・ソウル・マナーで再現したような楽曲は、“オーガニックなソウル・ゴスペル”と呼ぶのがしっくりくるかもしれない。クリス・デイヴ率いるドラムヘッズのギタリストでディアンジェロ『Black Messiah』にヴァンガードの一員としても参加したイザイア・シャーキーのプロデュース曲“Relyin’”、PJモートンの作/プロデュースでエイヴリー・サンシャインとデュエットした“Take The Pain Away”もそんな曲だろう。また、ミント・コンディションのストークリーとローレンス・ワッデルが手掛けたミント印の込み上げ系ミッド・スロウ“They Said”、R.ケリー作品でキーボード奏者として活躍するロドニー・イーストが手掛けたステッパーズ調の“Worryin’ Never Helped”は、ゴスペルの臆面のなさ(貪欲さ)を象徴するような世俗アプローチが微笑ましい。ジェラルド・ハッドン製のバラード“Try”は、今だとサム・スミス“Stay With Me”を思い浮かべてしまうような曲だが、聴く者を静かに勇気づけるような彼のヴォーカルは自分の感情より他人の気持ちに寄り添うようで、とてつもなく愛おしさを覚える。

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