luke-james-crop

Luke James

Artist : Luke James  | Label : NARS/Island  | Release Date : 2014/9/23

Purchase

iTunes
Tower
HMV

ミックステープは出していたが、公式アルバムとしてはこれが初となるルーク・ジェイムズ。もともとこの人は、地元ニューオーリンズで組んでいたアップスケール(Upskale)というトリオを前身とするルーク&Qというデュオで10年ほど前にJ・レコーズと契約しており、アンダードッグスがバックアップしたシングルが一部でK-Ci&ジョジョと比較されるほどディープなR&Bとして評判を呼んだ。にもかかわらずアルバムはお蔵入りとなってしまうのだが、一方でソングライターとして、クリス・ブラウン、ブリトニー・スピアーズ、ケリ・ヒルソン、ジャスティン・ビーバーらに楽曲を提供し、近年はビヨンセのミュージック・ヴィデオやツアー(の前座)に抜擢されるなど、ポップ・アイコンたちを陰で支える奇才として名を上げてきた感がある。それでも、やはり歌ってナンボの人で、昨年のグラミー賞「ベストR&Bパフォーマンス」にノミネートされた“I Want You”で雄叫びのようなファルセットを交えて歌う様には、彼がシンガーとして(も)突出した才能の持ち主であることを改めて思い知らされたものだ。裏方としてのフレキシブルな才能と甘美なムードも表現しうる強靭な喉は、ルークを舎弟としたタイリースやタンクにも近い。
 
リリースは、デンジャがアイランド/デフ・ジャム傘下で主宰するN.A.R.S.(New Age Rock Stars)からで、プロデュースにはメンターとも言えるデンジャのほか、サラーム・レミとニーヨもコンビで関わり、リック・ロス客演の“Options”など先行曲(の一部)も含む。裏方として関わってきたクライアントが物語るようにメロディにはポップな一面も覗かせ、フューチャリスティックな音像を持つ密室系のサウンドは、飛び交うウワモノなども含めアリーヤを手掛けていた頃のティンバランドをデンジャらが模したようにも思えるが、圧倒的なのは、時にベースレスだったりもする音の隙間からそそり立つルークの歌声。件の“I Want You”や“Dancing In The Dark”などで聴かせるファルセットはもちろん、サム・スミス“Stay With Me”をア・カペラで歌い切ってもいるように、時にアフリカ音楽的な響きを持つ荘厳なコーラスを前面に出したヴォーカル・ワークからは、少年時代にダニー・ハサウェイ版の“A Song For You”を必死にコピーしていたという彼の歌に対するパッションが直に伝わってくるかのよう。鍵盤弾きでもある彼の真骨頂は“Exit Wounds”のようなシンプルなピアノ・バラードになるが、こうした曲における(地元の同窓生でもあった)フランク・オーシャンに通じるナイーヴな歌唱表現や佇まいはフランクと同列に評価されてもいいのでは? アルバム全体として一本調子な部分はあるが、一級のR&Bヴォーカル作品として推したい。

Reviewed by

Play on youtube

Share this Article

Like
Tweet
Share
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>