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Mean Love

Artist : Sinkane  | Label : DFA / City Slang  | Release Date : 2014/9/2

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デヴィッド・バーン、イーノ、ピーター・ガブリエル、ジャー・ウォーブルなど、欧米のロック・ミュージシャンがアフリカ音楽はじめワールド・ミュージックに傾倒した1980年代初頭。トーキング・ヘッズの『Remain In Light』、イーノ&デヴィッド・バーンの『My Life In The Bush Of Ghosts』はニューウェイヴと民族音楽が出会い、そこへ強靭なファンク~ダンス・ビート、そしてダブやエレクトロニクスが結び付いたという解釈が成り立つ。そこからレゲエにラップ、エレクトロ・ポップへもシンクロしたトム・トム・クラブが派生したわけだが、デヴィッド・バーンも賛辞するシンケインの音楽を聴いたとき、最初に思い浮かんだのがトム・トム・クラブだった。
 
シンケインことアーメッド・ガラブはロンドンのスーダン移民の家に生まれ、その後スーダンに戻ったものの国は内戦状態で、6才のときに一家はアメリカへ亡命。現在はブルックリンを拠点とするマルチ・ミュージシャンで、ダン・スナイスのエレクトロニック・ユニットのカリブーから、オブ・モントリオールやイェイセイヤーなどオルタナ~エクスペリメンタル・ロック系のツアー・ドラマーとしても知られる。自身では2009年にアルバム・デビューし、2012年のセカンド『Mars』はLCDサウンドシステムやラプチャーが所属するDFAからのリリースで、これによってクラブ・ミュージック方面でも広く知られるようになった。アフロ、ラテン、レゲエなどのワールド・ミュージックをモチーフに、そこへロックやディスコ・ダブ、ジャズ・ファンクからエクスペリメンタル音楽に至る幅広い要素を交え、デーモン・アルバーンに比較するべき世界を見せた。そして、リズムボックスに代表されるアフリカ音楽のチープな感触や素朴さ、レゲエの泥臭さやユルさ、ラテンの暑苦しさを持ちながらも、そこにポップさを共存させてしまうあたりが、トム・トム・クラブを彷彿とさせたわけだ。
 
最新作『Mean Love』も基本は『Mars』の路線を踏襲するが、前作の多彩な要素を整理していく中でレゲエ・フレーヴァーを強め、よりレイドバックした印象だ。レゲエ・ファンク「How We Be」はロード・エコーあたりに対抗し得るナンバーで、アフロ・レゲエ「New Name」はダブの影響が強い。「Yacha」はレゲエ・ソウルだが、ファンキー・ロック的フィーリングもある。そして、トム・トム・クラブのようなポップ感に富む「Young Trouble」に、アコースティックなトロピカル・チューン「Moonstruck」と、このあたりはかなり万人受けする曲。表題曲や「Galley Boys」「Omduman」などはサーフ・ミュージック調で、ビーチ・ボーイズからジャック・ジョンソン、トミー・ゲレロ、レイ・バービーなどのファンにもお薦めできる。近い将来、日本のフェスなどでも人気を博するのではないだろうか。

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