71MZ8l5IEaL._SL1024_

Mello Music Group: Persona

Artist : V.A.  | Label : Mello Music Group  | Release Date : 2015/3/11

Purchase

iTunes
Tower
HMV
disk union

Mello Music Group(以下MMG)は現在のUSアンダーグラウンド・ヒップホップの中でも抜きん出て勢いのあるレーベルである。2000年代の後半にスタートして以来、良質なアルバムをコンスタントにリリースし、着実に基盤を固めてきた。サウンドはサンプリング主体のヒップホップが多いが、確固たる個性を持った独創的なアーティストが多く、特に看板アーティストのオディシーやアポロ・ブラウンなどは今やカルト的人気を誇るアンダーグラウンド・ヒーローと化している。

業界がこぞってデジタルに移行していた時期にあえてレコードやCDに力を注いできたMMGだが、新作をリリースするときに毎回デジタル・シングルを1曲無料で配信するなど、時代に順応したアプローチもとってきた。そして知名度の低い若手を積極的に育成し、ブレイクさせてきたのと同時に、中堅やベテランもしっかりとフックアップしており、今やシーンの重要レーベルのひとつとして多くのファンの信頼を集めている。先日、ピート・ロックの『Petestrumentals 2』のリリースも発表していたが、今年も怒濤の快進撃を続けるつもりのようだ。『Persona』はそんなMMGの今を切り取ったレーベル・コンピということになる。

収録されている曲はこのコンピレーションのために作られた/提供されたものらしく、今後リリースされるアルバムの曲を1曲ずつ収録したレーベル・サンプラーのような寄せ集め感はない。現在のアーティスト・ラインナップを紹介する役目はもちろん果たしているが、参加しているのはMMGのアーティストだけでなく、彼らと外部ラッパー/プロデューサーの面白い組み合わせが実現している。

オディシーがプロデュースした冒頭の「Requiem」では、元リトル・ブラザー/現フォーレン・エクスチェンジのフォンテとオディシーが久しぶりの共演を果たしており、両者の相性は相変わらず抜群。同じく元リトル・ブラザーのラッパー・ビッグ・プー(最近MMGで作品を出したばかり)とクエール・クリスがラップする「You First」は、オー・ノーによる奇妙でダークなトラックが凄まじい。「Sometimes I Feel」では、唯一無二の活動歴を誇る大ベテランな超個性派、クール・キースが、ロランジュのジャジーかつストレンジなビートを相変わらずのフロウで乗りこなし、「Troubles」では声ネタとストリングスがシャープに切り込むアポロ・ブラウン・ビートの上で、元ジュース・クルーの熟練リリシスト、マスタ・エースが落ち着いたラップを披露する。他にもエグザイルによるトラップ調のリズムの上でオープン・マイク・イーグルがユーモラスなパンチラインを重ねる「Dark Comedy Late Show」や、トール・ブラック・ガイによる躍動的なシンセベースときらめくヴィブラフォンと共にyUが漂うようにラップする「Lose the Ground」、MMGが今プッシュしているデトロイトの若手MCレッド・ピルがブロックヘッドのダウンテンポなトラックで情感溢れるラップを綴る「Darlin’」など、一辺倒になることなくバラエティに富んでいる。

現在のMMGのサウンドをつまみ食いできるだけでなく、90年代のサンプリング・サウンドの系譜にある現行ヒップホップの様々なスタイルの断面図としても楽しめるアルバム。MMGはRawkusの全盛期と比較されることがあるが、『Persona』が『Soundbombing』シリーズの現代版と言ってしまうのは少々大げさか。しかし、このご時世でもしっかりとキュレーションされたコンピレーションはやはり価値があるものだと思わせてくれた。

Reviewed by

Share this Article

Like
Tweet
Share
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>