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Michael

Artist : Les Sins  | Label : Company Records  | Release Date : 2014/11/4

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トロ・イ・モア名義で2010年にファースト・アルバムをリリースし、注目を集めたプロデューサー/ヴォーカリストのチャズ・バンディックのダンスミュージック・プロジェクトであるレ・シンズ。一口にダンス/クラブミュージックと言っても様々なスタイルやサウンドがあるが、『Michael』はそういった、現在の多様なクラブ・サウンドを彼なりのフィルターを通して解釈したものになっている。
 
これまでトロ・イ・モアとして彼がリリースしてきた3枚のアルバムは作風が異なり、作品を発表するたびに新しい一面を見せてきた。1stではリバーブの効いた空間的で広がりのあるスロー・ポップで、「チルウェイヴ」と呼ばれたムーヴメントを確立させるも、2ndではサンプリングやエレクトロニックな要素を一切省き、生演奏を用いたオーガニックなインディー・ポップを提示し、かと思ったら3rdではエレクトロニック・サウンドを大々的に取り入れ、ハウスやR&Bといった様々な要素を独自のポップセンスで昇華させた。
 
トロ・イ・モア名義のアルバムにも少なからずダンサブルなナンバーはあったが、レ・シンズ名義の最大の特徴は、自身の繊細なヴォーカルが楽曲のメイン・フォーカスだったこれまでのポップ・ソング・フォーマットを逸脱した点にある。声ネタが随所にちりばめられている以外はインスト主体であり、リズムやベースに重点が置かれ、クラブ環境で聴くことを想定されて作られている。ナズの「One Love」の一節がサンプリングされている「Talk About」や、自身の喋り声をループさせた「Bother」といったストレートなハウス・トラックもあるが、UKベースの影響が色濃い、ダークな世界観の「Past」や「Toy」、「Drop」、80sニューウェーブ/インダストリアルをベース・ミュージックにアップデートさせたような「Minato」、アメリカのフェス級のステージが似合いそうなダブステップ「Call」といった、これまでの彼のイメージを覆すトラックも収録されている。個人的には、ネイト・サルマンがヴォーカルを担当する、暖かいシンセとファンキーなベースのメロウ・ディスコ「Why」、ジャジーなスロー・ハウス「Bellow」、シンセ・ファンクの「Sticky」が続く中盤に惹かれ、やはり彼にはこういったサウンドが似合うと感じた。トロ・イ・モア作品と比べると纏まりに欠けるが、現代のダンスミュージックの縮図として楽しめる作品である。

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