Ne-Yo

Non-Fiction

Artist : Ne-Yo  | Label : Compound/Motown  | Release Date : 2015/1/28

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シングル“Stay”でデビューして今年で10周年を迎えるニーヨのこれまでのキャリアは基本的に順風満帆と言って差し支えないと思うのだが、近作ではEDM/ダンス・ポップ路線を推し進めていたことで一部のR&Bリスナーからバッシングを受けていたのも事実で、「ニーヨはR&Bから離れてしまった」というSNSでのファンの批判に対してニーヨ本人が真っ向から反論するような事態に発展したこともあった。
 
そんな状況を憂慮したのか、今回のニュー・アルバム『Non-Ficiton』のリリースにあたってニーヨが掲げたテーマはずばり「原点回帰」。「新作のいちばんの焦点は〈R&Bな作品をつくること〉だった」と本人が強調しているように、マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイといった自身のルーツを聴き直してから制作に臨んだという徹底ぶりだ。
 
いざ蓋を開けてみるとデヴィッド・ゲッタがプロデュースを務めた“Who’s Taking You Home”のような曲もあるにはあるのだが、ニーヨの「原点回帰」の宣言に嘘はなかったと言っていいだろう。ロブ・ベース&DJイージー・ロック“It Takes Two”を下敷きにしたような疾走感に富む“Coming wiht You”はR&B派とEDM派の両方にアピールし得る「折衷案」として絶妙だし、フレンチ・ハウスの“Time of Our Lives”はディスコ・リヴァイヴァル的な文脈で語ることもできるはず。ある意味これらの楽曲にわかりやすく表れていると思うのだが、アルバムの全体の力点はR&B云々というよりもむしろメロディ・オリエンテッドな楽曲を標榜してきた自分の良さを改めて前面に押し出すことに置かれている印象だ。
 
そんななかアルバムのハイライトに挙げられるのは、流行のアンビエント調トラックに持ち前の美しく繊細なメロディが映える序盤の3曲(“Run”“Intergrity”“One More”)。原点に立ち返ったことで自然と口をついて出たのだろうか、“Money Can’t Buy Love”でのウィリアム・デヴォーン“Be Thankful for What You Got”や“Religions”でのコモドアーズ“Easy”など、鼻歌感覚で飛び出すソウル・クラシックの引用もアルバムの好感度アップに一役買っている。

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