AGIP-3544

Nothin Is Easy

Artist : Ephemerals  | Label : Jalapeno / Agate  | Release Date : 2014/11/23

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本国イギリスでは作夏のリリースだが(ブルース&ソウル誌で五つ星を獲得)、リミックス集となるボーナス・ディスク付属の日本盤が昨年末に発売されたエフェメラルズのデビュー・アルバム。新人だが既にいろいろなキャリアを持つミュージシャンが集まったロンドンのバンドで、その中心は女性シンガーのハンナ・ウィリアムズをフロントに立てたファンク・バンド、テイストメイカーズのギタリストであるヒルマン・モンドグリーンことニコラス・ヒルマン。ヒルマンはテイストメイカーズで演奏のほかにほぼ全部の作曲も担当しており、このエフェメラルズでも実質的なリーダーと言える。テイストメイカーズはいわゆるディープ・ファンクだが、そのほかにもアフロ・ビート系のケケ・モコロをやっていたり、いろいろ多彩な人物である。エフェメラルズはテイストメイカーズでの仲間のジミ・ニードルズ(ドラムス)、ジェイムズ・グラハム(キーボード)、ケケ・モコロでの仲間のダミアン・マクリーン(トランペット)が参加し、そのほかブリストルのダクラというアフロ・ジャズ・バンドで演奏する女性サックス奏者のシャーロット・オスタフュー、ファンク・プロジェクトのジーン・ダドリー・グループ名義でも活動するベーシストのロブ・ジョーンズという6人編成で、このアルバムではニューヨーク生まれパリ育ちのシンガー、ウルフことウォルフガング・ヴァルブランをヴォーカルに起用している。
 
エフェメラルズはそうしたヒルマンをはじめとしたミュージシャンのキャリアを反映し、ファンクやアフロ・ジャズなどをモチーフに取り入れながら、アル・グリーンに代表されるメンフィス・ソウルの影響を感じさせ、そして「Things」に見られるギル・スコット・ヘロン張りのフォーキーな味わいも印象的だ。それは、ウルフが持つテイストによるところなのだろう。声質はリー・フィールズあたりを思い起こさせるもので、「I’m Your Man」などに顕著なしゃがれ声で振り絞るように歌う。そうしたエモーショナルさに加え、チャールズ・ブラッドレーのようなパワフルさも持つ。先行シングル・カットされた「Call It What You Want」はアフロ・ファンク色が強く、演奏はブラッドレーのバックも務めるメナハン・ストリート・バンドあたりに近い。この曲や「You Made Us Change」「Easy Ain’t Nothin」あたりが、エフェメラルズのディープ・ファンク・サイドを代表するものと言える。一方、スロー系の「Loving Guaranteed」「Six Days A Week」におけるブルージーな渋い味わいも格別。一転してラストの「Life Is Good」での軽やかなグルーヴ感も魅力的だ。また、「Call It What You Want」とカップリングされていた「The Oligarch」、そして「Brixton Girls」とインスト曲もあり、ウルフのヴォーカル抜きでもファンク・バンドとしての面目躍如たるところを見せている。ヴィンテージ感覚と気骨に溢れる演奏、魂と温もりに満ちた歌が織りなすこのアルバムは、ビル・ウィザーズやテリー・キャリアーの流れを汲む現代版フォーキー・ソウルと言えようか。

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