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Reality Show

Artist : Jazmine Sullivan  | Label : RCA  | Release Date : 2015/01/13

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まだ10代半ばだった2000年代前半、フィラデルフィアでネオ・ソウル・ムーヴメントが盛り上がっていた頃にオープン・マイクの〈Black Lily〉を沸かせていたジャズミン・サリヴァン。キンドレッド・ザ・ファミリー・ソウルのデビュー作でエイジャとデュエットした“I Am”はファンの間で語り草となっているが、今やそんな過去を語る必要もないほど、ミッシー・エリオットとの出会いをキッカケに正式メジャー・デビューした後の彼女はメインストリームの大舞台で活躍する歌姫となった。ただ、世間の評判とは裏腹に本人は納得のいかない部分もあったようで、約4年前にセカンド・アルバムを発表した後は引退をほのめかし、原点であるゴスペルの世界に戻ってしまうのでは?なんてことまで考えさせられてしまったほど。
 
とはいえ、ソングライターとしての活動や客演はコンスタントにこなしていた。ロバート・グラスパー・エクスペリメント『Black Radio 2』(2013年)でビラルとともに客演した“You’re My Everything”を聴いた時などは、ジャイルズ・ピーターソンからも見込まれた10代の頃の雰囲気を久々に思い起こさせてくれたものだが、もとから若さを売りにするタイプではない彼女は、本来は“ジャジー”なスタイルがよく似合う人。深みと包容力のある堂々としたヴォーカルはシャーリー・ブラウンあたりを思わせるほどで、昔からのソウル・リスナーに愛されるタイプと言っていい。
 
同郷フィリーのMC、ミーク・ミルを迎えた“Dumb”でスタートする今回のサード・アルバムは、ミッシーの不参加がどう影響するか?ということにも注目が集まっていたが、引き続きサラーム・レミが参謀となった本作も、古風なソウル・シンガーとしての佇まいをキープしながら様々なタイプの曲をジャズミン節で歌い上げる。特に今作では、アフター・7の80s名曲“Ready Or Not”のメロを拝借したアーバンな“Let It Burn”や少しだけネオ・フィリーの時代にバックしたようなミディアム“Silver Lining”など、メイン・プロデューサーとなったキー・ウェインがジャズミンのオーセンティックな魅力をシンプルに引き出したという印象。アンビエント調とも言える妖艶な“Mascara”も抑揚のきいたヴォーカル・コントロールが見事なスロウだ。故エイミー・ワインハウス~シャロン・ジョーンズ&ザ・ダップ・キングスみたいなレトロ・ソウル“Stupid Girl”のような曲はファーストからやっていたが、チャック・ハーモニーが制作した渋いフォーク・ブルース調の“Forever Don’t Last”で聴かせる生々しさは過去最高かもしれない。一方、ダ・インターンズ制作のアッパーなディスコ・ガラージ“Stanley”でフテブテしく突っ走っていくジャズミンも痛快。とにかく無事戻ってきてくれてホッとした。

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