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Redinho

Artist : Redinho  | Label : Numbers  | Release Date : 2014/10/4

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ジェイムズ・パンツの『Welcome』、デイム・ファンクの『Toeachizown』に代表される80sファンクやシンセ・ブギーの復権は、2000年代後半の米西海岸から世界中に広まり、サー・ラー・クリエイティヴ・パートナーズやオンラなどヒップホップからの流れとも合流し、ポスト・デイム・ファンクとも言うべきB.ブラヴォーなど新しいアーティストも生み出している。近年も元スレイヴのスティーヴ・アーリントンがデイム・ファンクとのコラボで復活し、今年はプリンスの新作が出るなど、こうした80sサウンド・リバイバルはすっかり定着したと言える。ダフト・パンクの『Random Access Memories』もそんな流れと無関係ではない。そして、UKの新鋭レディーニョのデビュー・アルバムも、80sシンセ・ファンクが2010年代のベース・ミュージックと交わり、現代にアップデートされたものだ。
 
レディーニョはメタル・バンドやエレクトロニック・ファンク・バンドでの活動後、グライム、ダブステップ、グリッチ・ホップなどに傾倒し、それらを自身の中で消化したベース・ミュージックを作り始める。ラスティのアルバムへの参加、西海岸のラッパーの100sへの楽曲提供で名をあげ、満を持して発表したのが本作だ。ハドソン・モホークやラスティらと共振するメタリックなグリッチ・ホップ的側面も強烈だが、同時に自身の音楽的ルーツも露わになっている。彼はロンドン出身だが、少年時代はカリフォルニアで育ち、『Beverly Hills Cop』のサントラから、クインシー・ジョーンズやマイケル・ジャクソンなどを愛聴してきた。また、スヌープ・ドッグやGファンクにハマると共に、そこから遡ってPファンクやザップに出会う。特にロジャー・トラウトマンのトークボックスに大きな影響を受け、それ以来シンセとトークボックスをトレードマークに制作を行う。本作は幼少期から現在に至る、そうした彼の音楽的軌跡が自然に反映されたものとなっている。
 
ドラマティックなオープニング曲「Stinger」、80sエレクトロ全開の極太ファンク「Jacuzzi」、分厚い重低音にトークボックスとシンセが絶妙に絡む「Playing With Fire」、トークボックスの決定版「Sharp Shooter」に混じり、シンセ・ファンクとベース・ミュージックの融合を試みた「Searching」、上昇感に富む近未来テック・サウンド「Stay Together」と、今までのシングル・リリース曲もうまく配置している。ファンクだけでなくアンビエントな側面も見せる「Shem」もいいスパイスだ。一方、「Making Up The Rules」「Going Nowhere」「Get You Off My Mind」でのメロディアスなポップさも印象的。これらはシンガーをフィーチャーし、今までの12インチやEPでは見られなかった新機軸の楽曲だ。特にインコグニートなどでも歌うヴァネッサ・ヘインズを起用した「Going Nowhere」は、往年のデイトンあたりを彷彿とさせる爽快なナンバー。ファンクネスと対になるメロウネスが際立ち、それは「With Or Without You」にも表れている。これらを聴くと、レディーニョはビートメイカーのみならず、ソングライターとしても素晴らしい才能を持つことがわかる。

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