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Sundial

Artist : Jonny Faith  | Label : Tru Thoughts / Beat Records  | Release Date : 2015/02/04

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オーストラリアの音楽シーンに触れる機会は、欧米のそれらに比べて日本では少ない。しかし、ときどき良質なアーティストや作品に出会うこともあり、近年ではメルボルンから登場したハイエイタス・カイヨーテがその筆頭に挙げられる(今年ニュー・アルバムを出すらしいので期待したい)。ハイエイタス・カイヨーテはオーガニックなテイストのソウル~ジャズ・バンドだが、メルボルンには3人組ソウル・ユニットのエレクトリック・エンパイアや、古くから活動するディープ・ファンク・バンドのバンブーズもおり、全体に生音・生演奏を得意とするアーティストが多い印象だ。今回紹介するジョニー・フェイスもメルボルンが拠点だが、しかしながら前述のアーティストたちとは異なるエレクトロニックなDJ/プロデューサーである。もともとはスコットランドのエジンバラ出身で、オーストラリアに移住してDJやスタジオ・エンジニアとしてのキャリアを積んだ。ラジオ番組やクラブ・イベントでの活動のほか、トキモンスタやノサッジ・シングらのツアー・サポートを務め、プロダクション・スキルを生かして音楽講師の仕事にも就き、マーク・プリチャードらによる制作プロジェクトにも参加しているそうだ。そうして、このたびトゥルー・ソウツからファースト・アルバム『Sundial』を発表する。トゥルー・ソウツはイングランドのブライトンのレーベルだが、前述のバンブーズ関連作品をリリースするなどオーストラリアとパイプがあるので、今回もそうしたラインからの契約かもしれない。
 
レーベル資料ではジョニー・フェイスをレーベル・メイトであるボノボや、フライング・ロータスに続く新鋭と紹介している。『Sundial』を聴くと、ローズのメロウな響きに包まれた「Le Sucre」はボノボの作品に通じるし、「Lost Earth」はフライローやティーブスらブレインフィーダー勢の持つメランコリックなサイケデリアを想起させる。ただし、それらアーティストのフォロワーに終わっていないことは、たとえば中国の古典楽器であるグーチェン(日本の琴のような楽器)を用いた「Zheng」を聴くとわかるのではないだろうか。オリエンタルなモチーフの幻想的な曲想だが、それとスリリングでエッジの立ったビートがコラージュされる独創的な作品だ。カリンバを使った「Firefly」も同様で、ミニマルなアプローチが面白い。そして、マーヴィン・ゲイの「What’s Going On」が素材となった表題曲や、その発展形とでも言うような「The Calm Before」では、ジャジーでディープなグルーヴが美しいフォルムの音響空間の中で紡がれていく。エレクトロニックな手法で作品を作るジョニー・フェイスだが、根底にはハイエイタス・カイヨーテらと同じオーガニックでナチュラルな感性が流れているのだろう。

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