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The Album About Nothing

Artist : Wale  | Label : Maybach Music/Atlantic  | Release Date : 2015/3/31

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2011年にリック・ロス主宰のメイバック・ミュージック・グループ(MMG)に移籍して以降、好調続きのワレイ。2013年リリースの前作『The Gifted』では全米ポップ・チャートとR&B/ヒップホップ・チャートを初登場で制すると共に、初のプラチナム・ヒット“Bad”を生み出しているが、古くからのファンはこうした彼の最近の活躍を複雑な思いで見ているところもあるんじゃないだろうか。というのも、もともとマーク・ロンソンに見出されたワレイは彼のバックアップでつくった2007年のミックステープ『100 Miles & Running』によって脚光を浴びることになるわけだが、スマッシュ・ヒットした“W.A.L.E.D.A.N.C.E.”に象徴されるヒップスター的なポップ・センスやワシントンDCの出身であることに基づいたゴーゴー・サウンドの導入など、初期のワレイの持ち味がMMGへの移籍に伴ってほとんど失われてしまったからだ。そんななか、今回の2年ぶりの新作『The Album About Nothing』はアメリカの人気ドラマ・シリーズ『となりのサインフェルド』にインスパイアされた2008年のミックステープ『The Mixtape About Nothing』の続編になるとのことで、音楽的にどのような打ち出しでくるのか非常に気になるところではある。
 
結論からいくと、『The Album About Nothing』はここ最近の方向性を踏襲しながらもミックステープ時代からのファンへの目配せも感じさせる絶妙なバランスの内容になっている。制作陣は前作『The Gifted』から一新して、タキシードとしての活動も話題のジェイク・ワン、ケンドリック・ラマー“Money Trees”などトップ・ドッグ関連作でおなじみのDJダヒ、トラヴィス・スコットやサイハイ・ザ・プリンスらのミックステープにも携わっていたJグラムらが参加。そのJグラムが手掛けるオープニング・トラックの“The Intro About Nothing”ではいきなりゴーゴー・ビートが飛び出して興奮させられるが、“The Bloom”では『100 Miles & Running』のころからのプロダクション・パートナーであるベスト・ケプト・シークレットとの6年ぶりのコラボも実現、フィリー・ソウル調のトラックを提供してアルバムに華を添えている(この“The Intro About Nothing”と“The Bloom”ではミント・コンディションのストークリー・ウィリアムスがヴォーカルを担当している)。そのほかにも、ジャネット・ジャクソン“Go Deep”使いがキュートなA・トラック制作の“The Girls on Drugs”、SZAがミュージック・ソウルチャイルド“Just Friends”を気怠く口ずさむ“The Need to Know”、アイザック・ヘイズの定番“Walk On By”を大胆に敷いた“The Glass Egg”、R.ケリー“You Remind Me of Something”を引用したジェレマイ客演のアンビエントR&B“The Body”など、キャッチーな良曲がこれでもかと詰め込められているが、ほぼ全曲に挟み込まれるジェリー・サインフェルドのナレーションがここ日本でどのように受け止められるか(『となりのサインフェルド』は1998年に終了しているうえ、そもそも日本での人気が悲しくなるぐらい低い!)が少々気がかりではある。

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