81-z1hZrKyL._SL1500_

The One

Artist : Ntjam Rosie  | Label : Gentle Daze/P-Vine  | Release Date : 2015/3/18

Purchase

iTunes
Tower
HMV
disk union

ウーター・ヘメルやジョヴァンカの人気もあってか、近年、日本でもオランダのポップス~ジャズ~ソウル系アーティストの作品が紹介されることが増えてきた。サブリナ・スターク、クリス・ベリー、シャーマ・ラーズ……そして、このネジャム・ロズィエ。ロッテルダムを拠点に活動し、オランダのグラミー賞にあたるエジソン賞にノミネートされたこともあるカメルーン出身の女性シンガー・ソングライターで、2008年にデビュー作を発表して以降、これまでに3枚のオリジナル・アルバムをリリース。2年ぶりの新作となる本作は4枚目のスタジオ録音アルバムで、シャーマ・ラーズにも関わるフレッシュ・カッツのAlexander van Popta(キーボード)ら親しい音楽仲間たちがバック演奏を担当している。
 
シャーデーやエリカ・バドゥの大ファンで、ホセ・ジェイムズやビラル、ジェシー・ボイキンズIIIなどのオープニング・アクトを務めてきたという経歴からも想像できるように、彼女の音楽はネオ・ソウル的なそれ。アーティスト・イメージとしては、2011年のセカンド・アルバム『Elle』に収録されたコズミックでオーガニックな“Space Of You”のような曲の印象が強い。だが、ギターを筆代わりにして曲を書いたという前作からフォーキーな面を見直す必要があると感じ始めた彼女は、初の全面セルフ・プロデュースとなった今作(バンド・メンバーとの共同制作を含む)で、フォーク・サウンドを基調としたアコースティック・ソウルを、「大胆で裸のような感じ」と言うほど生々しく披露。エリカ・バドゥとインディア.アリーの中間を行くようなハスキーだが濡れたような声もよくマッチしていて、結婚したばかりの夫との愛を歌った“Forever Love”や、ガンビア出身のラミン・クヤテによるコラ(西アフリカの弦楽器)をフィーチャーした美しくも悲哀漂う“Covenant”といったフォーク・ジャズ調の曲を中心としたアルバムは、これまで以上に自身のアフリカン・ルーツを打ち出した内容となった。大半は故郷カメルーンの公用語でもある英語(一部フランス語も)で歌われているが、“Akiba (Thank you)”や“A nye’e fo’o ma (He Loves Me So)”では母方の部族の日常言語であるBulu語で歌うなど、意識的にルーツ回帰を狙ったようだ。
 
とはいえ、エリカ・バドゥ、ローリン・ヒル、ロキア・トラオレ、シーア、ZERO7のアルバムにインスパイアされたという本作は、伝統的なアフリカン・フォークをやっているというわけでもない。ロータリー・コネクション的なサイケ・ソウルを現代インディ・ロック風に再現したような“You Build Me Up“、盟友ピンク・オクルスがスポークンワーズ風ラップを披露する“Always On The Run”、アーバンなミッド・グルーヴの“Dear To Me”あたりには、世界を跨ぐアフリカ系ヨーロッパ人ならではの折衷感覚が滲む。また、エリック・ヴローイマンスの叙情的なトランペットをフィーチャーした“I’m Loved”やクロージング・ナンバーの“Love To Be Here”は直球なジャズ・ヴォーカル曲で、特に後者は現行ジャズ・サイドからも評価されそうだ。原点回帰しながら新たな一面を見せた意欲作。新たなファンも獲得するだろう。

Reviewed by

Play on youtube

Share this Article

Like
Tweet
Share
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>