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The Sunroom

Artist : Avery*Sunshine  | Label : Big Shine / Shanachie  | Release Date : 2014/5/28

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キャッチーに紹介するなら“ジル・スコット以降のネオ・ソウル歌姫”という表現がふさわしいのかもしれない。インディ発ながら、全米の主要R&Bラジオ局を通してブラック・コミュニティに浸透した“Ugly Part Of Me”(2010年)。そこでのジャジー&メロウなサウンドとアンニュイな歌声は確かにジルっぽく、聴き手を奮い立たせ、癒してもくれるような力強くて滑らかなヴォーカルはアンジー・ストーンとも比較された。が、ジルやアンジーを引き合いにして語られる人の大半が亜流の域を出ていない中、ペンシルヴァニア州チェスター出身のエイヴリー・サンシャインは、雰囲気の模倣にとどまらないアクの強さ、歌の強度で他を凌ぐ。ダニー・ハサウェイへの憧憬も顕わに、鍵盤を弾きながらプリーチャーのように言葉を発しながら歌い倒すライヴ・パフォーマンスも強烈。アトランタの大学に入学してからはかの地に住み、シングル・マザーとして暮らす女性ならではの視点で愛の喜びと苦しみを剛柔自在に歌い上げてきたワン&オンリーのシンガー/ソングライターである。

DaisyRewという女性デュオでの活動を経て、タイラー・ペリーの舞台でキーボード奏者としても活躍していたエイヴリー。そんな彼女の声が世に広まったのは2005年、ハウス界の奇才クリス・ブラン率いるアナンダ・プロジェクトの“Stalk You”においてだった。この曲を一緒に書いていたのが、現在も音楽パートナーおよびレーベルの共同運営者としてエイヴリーを支えるソングライター/プロデューサー/ギタリストのBigDaneことデイナ・ブラウン。そのデイナと二人三脚で作り上げたのが2010年のデビュー・アルバム『Avery*Sunshine』で、以降、アンソニー・デイヴィッド、ウィル・ダウニング、ノエル・ゴーディンらとの共演を経て、4年ぶりに発表したのが『The Sunroom』となる。

先日リーダー作を発表したフィリーの名ドラマー、リル・ジョン・ロバーツも続投した本作には、表題通り、部屋に射しこんでくる陽光のような明るくポジティヴな曲が並ぶ。シングル・カットされた“Call My Name”も曲調としては出世曲の“Ugly Part Of Me”に通じるメロウなスロウだが、“醜い性格の私”に自己嫌悪していた“Ugly〜”とは違って、描かれる世界も柔らかでスウィート。まどろみ系の“Sweet Afternoon”やボッサな“Nothing To Something”も同様だろう。そうでありながら、曲の終盤ではエモーショナルなフェイクをかましてガムシャラに歌い込む。アル・グリーン“Love And Happiness”をモチーフにしたハイ・サウンド風ナンバー“Love (Won’t You Try)”、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを思わせる陽気な“Time To Shine”、MotownやStaxの全盛期に連れ戻すようなレトロ・ソウル“I Do Love You(You Ain’t Got To Lie)”などでのアーシーなソウル表現もお手のもので、こうした曲もアルバムに明るい光を運び込む。レーベル絡みで共演経験もあるインコグニートのブルーイが手掛けたホーン・セクションの効果も大きい。最後はゴスペル・アクトのダリウス・ブルックスの曲“Safe In His Arms”を折り目正しく歌い上げてチャーチ・ルーツに回帰。同胞のリスナーがエイヴリーに信頼を置く理由がわかるというものだ。

なお、本作は、UKでは前作と同じDome、日本ではSWEET SOUL RECORDS(ジャケ違い。アコースティック・セッションの音源を3曲追加)からリリースされている。

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