cro-magnonジャケット写真

V

Artist : cro-magnon  | Label : LASTRUM  | Release Date : 2014/7/16

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4年ぶりのオリジナル・アルバムであり、半年間ほどの活動休止を経ての作品なので“復帰作”とも呼べるだろうが、2009年作の『4U』とこの新作の間には、多彩なボーカリストとの全編コラボで贈られた『joints』や、ベスト盤の『THE BEST』、人気漫画「へうげもの」とのコラボ・アルバム『乙』、ライブ盤『Live at Motion Blue yokohama』といったリリースがあったわけで、ブランクは微塵もない。むしろ、順調なリリース攻勢を見せていた中で新たなアルバムが完成したと言えるだろう。
 
このトリオの最たる凄まじさはどこにあるのか、というほぼほぼ答えのない疑問に一定の回答を見いだすとすれば、音楽に傾けるパッション、というありきたりな答えが導かれるが、おそらくはそれが正解に近いに違いない。音楽に対する深い知識と柔軟性、世界一と言える音楽学校で学んだプロとしての自覚と演奏技術、そして円熟味を帯びつつもフレッシュに躍動するグルーヴ、そのすべてに通底する音楽への愛と情熱。一流という言葉を想起させる音楽が、この5作目『V(ファイヴ)』にも確かに存在する。
 
もちろん基本的にはインストのダンス・ミュージックを奏でるバンドなので、高揚感こそがその音楽の肝になるが、ときに中毒性をまとってミニマルに、ときに柔和にメロディアスに跳ね回るグルーヴは、リスナーの高揚感と多幸感を見事に演出する。そのグルーヴ・メイカーとしての類まれな手腕や、数え切れないほど多くのステージ経験に裏打ちされた演奏技術の高さは言うまでもないが、やはり固い仲間意識で結ばれた3人のセッションによって作られる、三つ巴というか三位一体というか三本の矢というか、そういう音楽は言葉では上手く説明できないマジックを宿すのだと思う。言うまでもなく、音にマジックが宿っているかどうかは、凡百の作品と傑作と呼ばれる作品を綺麗に二分する要素だろうが、少なくとも筆者の耳には、これもまた後者に属するアルバムだと思える。
 
筆者が最近行ったインタビューで、メンバーのコスガツヨシは「この3人でアジムスを超えるくらい長く活動したい。アジムスはメンバー(ジョゼ・ホベルト・ベルトラミ)が亡くなったから、あと30年くらい活動すれば追い越せます」と言っていたが、今から10年後、20年後、そして30年後に、cro-magnonが鳴らすかもしれない音楽を想像するだけでも胸が高鳴る。

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