Jose James_20150206

Yesterday I Had the Blues: The Music of Billie Holiday

Artist : Jose James  | Label : Blue Note  | Release Date : 2015/02/04

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快調なペースでアルバム・リリースしているホセ・ジェイムズだが、今度の作品はビリー・ホリデイをトリビュートした企画盤。アルバムは終始、トリオ編成による静謐な空気に満たされており、それはあまりにもシンプルで、クラブ・ジャズという言葉と親和性を持つこれまでのホセのイメージとは、少し異なるものかもしれない。装飾が限界まで排された、シンプルながらも奥行きのあるサウンドスケープのなかで、ゆったりとしっとりと、しかし熱く、生誕100周年を迎えた巨星へのオマージュが捧げられる。収録曲はどれもビリー・ホリデイの愛唱歌で、スタンダードの部類に入るものばかりだ(本作と同時にホセ監修のビリー・ホリデイのベスト盤もリリースされている)。
 
ピアノにジェイソン・モランを、ベースにジョン・パティトゥッチを、ドラムスにエリック・ハーランドを起用し、さらにプロデュースにレーベル社長のドン・ウォズを迎え、少数精鋭の鉄壁と言える布陣により、波乱に満ちた生涯を送ったビリー・ホリデイのブルースが、ここに鮮やかに甦る。彼女の代表曲と言える「Strange Fruit」で本作は終幕するが、このトリビュート・アルバムのハイライトもこの最終曲にあると言えるだろう。周知のとおり「Strange Fruit(奇妙な果実)」は人種差別/奴隷制の苦しみや悲劇や理不尽さを嘆いたものであり、メロディーも歌詞も心に深く刺さるものだ(筆者はキウェテル・イジョフォーを目当てに映画『12 Years a Slave』を観たばかりだったので、なおさらだ)が、ニーナ・シモンなどのコンシャスな女性以外がこの哀歌に自身の魂を重ねる姿を見たのはこれが初めてかもしれない。もちろん、「ビリー・ホリデイを聴いてプロのジャズ・シンガーを志した」と断言しているホセ・ジェイムズなので、あり余るほどの敬意が込められつつ、この唯一楽器が使用されていない「Strange Fruit」のカヴァーも、ことさらディープにエモーショナルに響く。

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