COMMONインタビュー/コモンがJディラについて語る

September 28,2015 | Category :  Interview | Tag :  Common, J Dilla,

CommonThelight

THE LIGHT: Common reminisces on J Dilla

盟友Jディラとの想い出についてコモンが語ってくれた。

シカゴを代表するMC、コモンはこれまでノーIDカニエ・ウエストネプチューンズといった才能溢れるプロデューサーたちと多数の作品作りを行ってきたが、中でもJディラ(a.k.a. ジェイ・ディー)と共に制作した楽曲は、今でも多くのファンの心を掴む名曲揃いであった。コモンの2000年のアルバム『Like Water For Chocolate』と、2002年の『Electric Circus』は、ザ・ルーツのクエストラブディアンジェロエリカ・バドゥジェイムズ・ポイザーピノ・パラディーノら、いわゆる“ソウルクエリアンズ”のミュージシャンも参加しているものの、Jディラが楽曲の大半をプロデュースしており、彼のビートがアルバムの方向性を定めた。『Like Water〜』はコモンのベストに挙げられることも多い名盤であり、15年経った現在も色褪せておらず、『Electric Circus』は寧ろ今聴いても時代の先を行っているほど先進的だ。

コモンとJディラの才能が交わったときに生まれた化学反応は唯一無二であった。その魔法のような楽曲たちに敬意を表するため、Wax Poetics JapanとUniversal Music Japanが手を組み、QRATES.COMで限定生産のヴァイナル・コンピレーションをクラウドファンディングにてリリースすることが決定し、現在予約を受け付けている。『Like Water For Chocolate』、『Electric Circus』、『Be』の3枚のアルバムより、ふたりのエッセンスが詰まった良曲をセレクトし、2枚組のマーブル・カラーヴァイナルに収録。目標額に達成しないと実現しないので、是非両者のファンにはチェックして欲しい。(追記:無事目標額に達成し、リリースに成功しました)

そんなシカゴのレジェンド、コモンが10年ぶりに来日し、東京で単独公演を行った際、Wax Poetics Japanはインタビューをすることに成功した。コモンが表紙のWPJ No.41を渡すと、自身の若い頃の写真や、ソウルクエリアンズの面々と撮影した写真を懐かしそうに眺めていた。短命すぎた天才、盟友Jディラについて熱く語ってくれた。

Jディラとの出会いと制作の様子

―― Jディラの音楽を最初に聴いたときのことを教えてください。

ツアーバスに乗っていたときだった。デ・ラ・ソウルが「おい、ヤバいビートを作るヤツがいるんだ」って言っていた。最初は、どうせ大げさに言ってるだけだろうと思ったけど、聴いてみたら「これはヤバいな」って思った。それからQティップの家に行ったら、Qティップのレコードを漁るジェイ・ディーがいたんだ。彼はとても静かだった。ビートを作ることは知っていたけど、ラップもやるって知らなかった。俺は当時まだシカゴから来たばかりだったし、酒も飲んでたし、ちょっとヤンチャだった。

―― Jディラやソウルクエリアンズと制作していた頃の一番印象に残っている想い出は何ですか?

Electric Lady Studiosにいて、別の部屋ではディアンジェロがレコーディングしていて、俺はビラルとか、ジル・スコットとか、エリカ・バドゥとかとレコーディングしたり。当時エリカとは親しい仲だった。あとデトロイトまで行ってジェイ・ディーの自宅の地下室で制作したり。全部よく覚えているよ。とても大切な時間だった。

―― 制作をしているときのディラはどうでしたか? 完璧主義者だったでしょうか?

完璧主義者だったけど、なんというか……無理矢理な感じがまったくしなかった。ただ、「俺はやりたいようにビートを作るから、気に入ってくれたら嬉しい。じゃなかったら、次のビートを作ろう」っていう感じだった。ヘッドフォンをしたままビートを作ることもあって、俺たちは完成間近になるまで聴けなかった。その後ヘッドフォンをとって、トラックを聴かせてくれると、俺とフランク・ン・ダンクのフランクが「クソやべぇ!」ってなるんだ。ジェイ・ディーは他人の顔色を伺って音楽を作ることはなかった。「これが俺のやりたいことだ。お前もそんな感じだったら嬉しい。お前のために作ってるけど、何より俺は音楽が大好きだから作ってる」って感じだ。彼は音楽性や芸術性が高かったんだけど、デトロイトらしさも兼ね備えていた。ストリップ・クラブにも行ったし、チェーンをしていたし、トラックが好きだった。彼にはそういったフッドな一面もあって、それがすごく好きだった。俺も俺なりにそういう一面があるからね。

「“The Light”は…彼(Jディラ)のベストワークだと思うんだ。あの曲は永遠だよ。」 ―コモン

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コモンがJディラに学んだこと

―― 1曲を選ぶのは難しいと思いますが、ディラと制作した曲のなかで一番のお気に入りを挙げるとしたら?

「The Light」、「E=MC²」、「Thelonious」かな。ここは「The Light」にしておこう。この曲は、ジェイ・ディーのサビの入れ方とか……とにかく彼のベストワークだと思うんだ。多くの人々の琴線に触れることができるトラックで、しかもサビは本当に美しい。しかも当時ああいった曲をやってる人はいなくて、新鮮だった。そして俺が、あの時感じていたことを表現することができて。純粋なるラブソングだし、あの曲は永遠だよ。

―― Jディラと共有した時間を通して、どういったことを学びましたか?

俺が彼から学んだ最も重要なことは、音楽に対して素直でいろ、っていうこと。音楽は心の中の最も誠実な所から来るべき。他人だとか、その音楽がどうやって人々の耳に届くかとか、気にしすぎてはダメだ。とにかく作れ。そして魂を込めろ。スピリットを込めろ。全身全霊を注げ。そして楽しめ。彼は音楽を作ることをとても楽しんでいた。俺も楽しんでいる。彼には、純粋な気持ちで音楽をやることを常に思い出させられたよ。

Words by Danny Masao Winston Photo by KEITA SUZUKI (PLOT. lv04)

RELEASE INFORMATION

Wax Poetics Japan presents – THE LIGHT: A collection of Common classics produced by J Dilla

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More Info: http://qrates.com/artists/waxpoeticsjp

MAGAZINE INFORMATION

Wax Poetics Japan No.41は表紙にコモン、裏表紙にJディラを冠したソウルクエリアンズ特集号。

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