Gilles Peterson Interview

October 28,2013 | Category :  News | Tag :  

photo by Tomdmorgan.com

11/3 (Sun/祝前日) に、渋谷SOUND MUSEUM VISIONにて開催される、RED BULL MUSIC ACADEMY CLUB NIGHT。本イベントのメインアクトであり、世界中に多くのファンを抱えるジャイルス・ピーターソンが、Wax Poeticsの独占インタビューに答えてくれた。本イベントの共演者の話から、レコードバックを抱え、世界中を廻って得た経験の逸話など多くの質問に答えてもらった。親日家としても知られるジャイルスの今の声を届ける。 

RED BULL MUSIC ACADEMY CLUB NIGHT 
at SOUND MUSEUM VISION
11/3 (Sun/祝前日) OPEN23:00~
GAIA SPECAL GUEST: GILLES PETERSON 
ACT: FaltyDL / TOSHIO MATSUURA 
 LIVE: Cro-Magnon (Jazzy Sport) 
DEEP SPACE
SPECAL GUEST: ALEXANDER BARCK (JAZZANOVA) 
ACT: Koreless, 沖野修也 (KYOTO JAZZ MASSIVE), grooveman Spot (Enbull/Jazzy Sport) 

WHITE “JAPAN MUSIC CONFERENCE” 
GUEST: NORI 
ACT: JMC DJz, AKIYAMANIA, KAJI, OHISHI, STOCK

D-LOUNGE “Wax Poetics Japan Lounge” 
ACT: Hickey, C-Ken, Tee, Sakaching, Matsu, Shade Sky, Mitsunobu Hirano 

photo by Tomdmorgan.com

世界各地で開催している“Red Bull Music Academy”が、VISIONに上陸します。この日のメインアクトを務めVISION初登場となるジャイルスですが、新しいクラブでプレイするのはどんな気分でしょうか?


 新しいクラブでプレイするときは、いつもエキサイティングだよ。特に東京のクラブはレベルが高いから、楽しみだね。

Visionは11月で2周年を迎えます。数々のスターDJが来日をするなかジャイルスが出演するのはオーナー、スタッフともどもずっと待ち望んでいました。4つフロアがあり、フランスで行われているWorldwide Festivalのように様々なジャンルを各フロアで聴くことができると思います。全フロアのスピーカーはMR.Kinoshitaが開発したReyAudioというスピーカーです。アナログ・レコードでも凄く良い音がします。

 みんなにクラブカルチャーの歴史を理解してほしいね。ドアスタッフから、バースタッフ、照明スタッフ、そしてDJはみんな繫がっていて、優れたクラブというのはファミリーのように運営されているクラブなんだ。残念ながら、経済的な問題で、多くのクラブではサウンドシステムがないがしろになってる。ロンドンではこれは大きな問題になっていて、本当のクラブと呼べるような会場が減ってる。Plastic PeopleとFabricくらいしか本当のクラブと呼べないね。最近のロンドンのいいパーティーは、一時的にどこかのスペースでイベントをやって、そこをすぐに去るという“ポップアップ”系のイベントなんだよ!


ジャイルスと松浦氏

盟友、松浦俊夫氏のデビュー・アルバムが11月20日発売予定で現在レコーディング中とのことです。アルバム発売に先駆け、初のライヴ・パフォーマンスが決定したと聞きました。
 俊夫は、日本のクラブカルチャーのアイコンだよ。UFOの初期から彼を知っているし、彼は僕にとって重要なアーティストなんだ。彼のスタイルと音楽と世界観からいつもインスピレーションを受ける。彼の新しいアルバムは最高だね。最後のUFOのアルバムは過小評価されたけど、今聴いても色あせない傑作だよ。

VISIONで共演するアーティストについて伺わせて頂きます。ベテランのベルリンのアレックス・バークはジャザノヴァの中でも、最も多才なDJです。ドイツ・ベルリンにおいて多彩な才能を持つ集団として15年以上に渡りプロデュース、作曲、アレンジ、リミックス、DJなどを手がけ、独自の世界感を構築してきました。彼についてはどう思いますか?

 ジャザノヴァのメンバーの中で、彼は一番ディープなアーティストだと思うんだ。テクノシーンとジャズの繋がりを見いだしたアーティスト。僕はこれまで色々なDJを聴いてきたけど、アレックスは常に同じDJセットを繰り返さず、いつ聴いてもオリジナルでフレッシュなプレイをするんだ。

Falty DLは、名門レーベルNinja Tuneに電撃移籍を果たし、アルバム“Hardcourage”をリリースし高い評価を得ていると思いますが、彼についてはどう思いますか?

 Falty DLの新曲はいつでも楽しみだよ。新作の10インチEPの“King Brute”という曲がヤバいんだ! 彼の曲はいつもネクストレベルだよ。ソウル、ジャズ、そして最新のベースカルチャーを組み合わせているところがユニークなんだ。

Korelessの音楽をBBCでヘビープレイしていますが、彼の音楽についてはいかがでしょうか?


 去年のWorldwide Festivalの日曜日に行われた彼のプレイは今でも忘れられない。午前3時に、4,000人のオーディエンスの前で90分のビートなしのセットをプレイしたんだ。衝撃的だったね…。すごく果敢なアーティストだし、彼が“Sun”をプレイしたときはみんなが泣いてたよ…彼の音楽は本当にエモーショナルなんだ!


ジャイルスとシュギー・オーティス


ジャイルスとボノボ

ジャイルスとボビー・ウーマック
ジャイルスとロニー・リストン・スミス、スウィンドル

あなたは10代の頃にラジオでDJを始めて、レーベル設立から30年以上も経ちました。以前あなたがアーティストと契約する基準があると言っていました。それは今も変わってないですか?

 アーティストを見つけるときは、特にルールはないよ。とにかく自分の直感を信じて、それが商業的に成功をすることもあれば、成功しないこともある。一番お気に入りのアーティストはエラン・メーラーだったけど、彼は一番売れなかった! 今のところ僕が一番楽しみにしているのは、1月にリリースされるザラ・マクファーレインの新作なんだ。彼女と時間をかけてこのアルバムを作り上げたし、このアルバムから彼女がブレイクすると思っているよ。


ジャイルスはDJだけでなく、ラジオMCでもあります。そしてレーベル運営ではホセ・ジェームス、4ヒーロー、ロニ・サイズも発掘しました。アーティストをリリースするときは、自分の直感に従うのでしょうか?

 とにかく自分の直感に従うんだ。それしかないよ! アーティストがデビューする前に注目されすぎると、逆に僕は興味をなくしてしまうんだ。早い時期にそのアーティストの音楽を聴きたい。例えばディグス・デュークやバッド・バッド・ノット・グッドも、偶然彼らの音楽をインターネットで聴いて発見したんだ。


ロンドンのクラブ・カルチャーはとてもクリエイティブで、数年おきに新しいエレクトロニック・ミュージックが登場します。ロンドンは、なぜここまでペースが早く新しい音楽が誕生するのでしょうか?
 ロンドンのように、様々な階級や文化が融合する都市は世界中で他に見たことがない。退廃的でありながらも美しい都市であり、音楽、クラブ・カルチャー、海賊ラジオの歴史があるんだ。ロンドンは常に変化してるんだよ。ここ数年のロンドンの音楽シーンは特に刺激的だったね。僕も新しいクラブを開きたいくらいさ!


オリンピックが2020年に東京で開催されることが決まりました。ロンドン・オリンピックでは映画監督のダニー・ボイルが総合演出、アンダーワールド、人気ロックバンド・アークティック・モンキーズ、ポール・マッカートニー、ブラー、007やエリザベス女王、デビット・ベッカムなどイギリスを代表するアーティストとスポーツ選手、伝統的な音楽が揃って驚きました。他にもオリンピック関連のクラブイベントなどもあったのでしょうか? 

 オリンピックがロンドンで開催されたときは、ロンドンの人間にとっては本当に高揚感のある時期だった。特にオリンピック・スタジアムがあるハックニーに住んでいる僕らにとっては、特に嬉しかった。ロンドンが巨大な文化交流の場所になったんだ。それに、色々な音楽イベントも開催されたよ。そのときに、僕はスイス人、フランス人、ブラジル人、それにイギリス人向けのイベントでプレイしたんだ。最高のサンバ・パーティーも開催されたよ! 

キューバの話に移ります。あなたはキューバの様々な音楽を発掘し、レゲトン、サンタリア、ジャズなど様々なジャンルをミックスしたコンピレーションをリリースしました。このコンピについて教えてもらえますか?

   ロベルト・フォンセカと共同で、キューバの新世代のアーティストを披露するコンピレーションを2枚リリースしたんだ。僕にとって非常にやりがいのあるプロジェクトだったよ。ハバナという美しい都市を発見し、オリジナルな音楽を発表することができた。そして、マラというアーティストとキューバで滞在し、最新のロンドン・ベース・カルチャーをハバナのストリートに持っていくことができた。来年は更にもっとキューバで色々なことをやってみたいと思うんだ。


ジャイルスとマーラ、Worldwide Festival

キューバからヒップホップMCなど、様々な新しいアーティストが登場しています。キューバは社会主義国家ですが、それでもなぜキューバの音楽シーンはここまで活気があるのでしょうか?

 キューバの音楽シーンはとてもタフだよ。パーティーが当局によって閉鎖されてしまうから、ヒップホップのラディカルなパーティーを探し出さないといけない。でもキューバには強力で、知的なヒップホップシーンがあるんだ。そして、ルンバを土台にした宗教音楽も素晴らしいんだよ!

あなたはキューバ、ブラジル、コロンビア、アフリカにも旅をしてそれらの国の音楽をリリースしていますが、どの国から一番インスピレーションを受けていますか?

 そうだね、ブラジルかな。ワールドカップもオリンピックもブラジルで開催されるから、ブラジルはとても注目されている。ブラジルでマルコス・ヴァーレやエルザ・ソアレスなどのサンバとボサノヴァのレジェンドが参加したアルバムを、リオでレコーディングしてる最中なんだ。ブラジルは今でも大好きだし、ブラジルに行くたびに素晴らしいレコードを発見するんだ。今はブラジルの北東エリアに興味があるんだ。ブラジルの中で、一番生々しい音楽がそこから生まれている。 

話は変わりますがイングランドはワールドカップでどこまで成績を残せると思いますか?

 正直言って、僕はイングランドよりもアーセナルのサポーターなんだ! イングランドは、第2ラウンドか準々決勝で敗退すると思う。ベルギーはチェックしておいてほうがいい。僕はベルギーをチェックしてるよ。カガワがユナイテッドにいるのがもったいない! 1月にホンダがアーセナルに来るべきだと思っている。今は優れたストライカーが必要とされているし、もう1人の優れたセンターバックが入れば、優勝できるかもしれない! アーセン・ベンゲルが大好きさ! 

ジャイルス、東北の被災地にて

ジャイルスは日本を愛してくれ被災地まで足を運び、パーティにも出演してくれ、様々な人々に状況を伝えてくれたと思います。音楽はこういう状況において、どのような力をもっていると思いますか?

 アルバート・アイラーの、「音楽は宇宙をヒーリングする力がある」という言葉に限るよ!

人々はあなたの音楽への愛情と情熱に魅了されますが、どこからモチベーションがわき上がってくるのでしょうか?

 音楽を仕事にできることは最高のことだし、人前で音楽をプレイできることはいつも光栄だと思ってる。駆け出しのときから楽しんでいれば、トップに立ったときにもっと楽しめるんだ。

Wax Poeticsはあなたの活動にインスパイアされてきました。今年の10月で5周年を迎えるWax Poetics Japanにアドバイスをあげるとしたら?

 自分が良いと信じる音楽について書き続けることだよ。自分の音楽的な夢を、商業的な意向に邪魔されないようにしたほうがいい。僕は今でも常にインスピレーションを受けているよ。

ジャイルス・ピーターソントは一言で言うと「The DJ」です。これぞDJの完成系だと思いますが、ここまで長くDJを続けている秘訣は?

 シンプルなことだよ。僕は今でも音楽が大好きだし、過去とのつながりを見つけることに興味があるんだ。そして、レコードバッグに入っているレコードを毎週変えるようにしている。DJプレイが上手くいかないこともあるけど、進化するにはそういう経験も必要なんだ。あえて自分にとって難しいことに挑戦することも大事なんだ。 

最後にVISIONに来るお客や、日本のファンに向けてメッセージをください。

 あと数日で日本に行けるから楽しみだよ! そして、レコードショッピングをして、納豆を食べることが楽しみだ! 

RED BULL MUSIC ACADEMY 
CLUB NIGHT 

at SOUND MUSEUM VISION
11/3 (Sun/祝前日) 
OPEN23:00~
DOOR 男性:¥3000  女性:¥2500 

photo by Tomdmorgan.com

by Yasushi Takayama (RUSH! PRODUCTION)

translated by Hashim Bharoocha

Share this Article
Facebookでシェア
Twitterでシェア
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>