HINAWAJU

February 04,2014 | Category :  News | Tag :  

ルーツ・レゲエの弾丸

by Hajime Oishi
photo courtesy of And Heavy Inc.

 “ジャパニーズ・レゲエ”と書くと、一般的には2000年代以降になってメジャーな領域にも一気に進出したダンスホール勢のことが思い出されるだろう。だが、この日本にはかなり強固なルーツ~ニュー・ルーツのシーンがアンダーグラウンドで形成されている。しかも、都市部のみならず、各地方にもネットワークが広がっているのが特徴。ダンスホール勢のようにメディアで大きく取り上げられることは少ないが、現在では国外アーティストも巻き込んだシーンがしっかり構成されているのだ。

 そんな日本のルーツ・シーンのなかでマイクを握ってきたのが、今回ファースト・アルバム『REBELVERS』をリリースするHINAWAJUだ。東京や横浜など関東を拠点とする彼が活動を開始したのは2002年。ルーツ・レゲエ・バンドのO’SCAR SOUNDを結成し、2011年に同バンドを活動休止してからはルーツに特化したサウンド・クルー、Smokers Revelationのフィーチャリング・ディージェイとしても活動。一貫してアンダーグラウンド・ルーツ・シーンで奮闘し続けてきた人物である。

 そんなHINAWAJUのファースト・アルバム『REBELVERS』には彼が長年主張してきたメッセージが込められている。現代社会に対する警告。生き抜くために持つべき意識と知恵。レゲエ・ミュージックに対する愛着と信念。そして、そのメッセージは骨太の歌声によって聞き手に届けられる。彼のシングスタイルからシズラなどジャマイカのラスタ・ディージェイを連想させるのは簡単だが、ジャマイカのモノマネではなく、あくまでも“自分自身の歌”を歌おうという姿勢が各曲からはっきりと窺えるのも好印象だ。ちょっと荒削りな歌唱ではあるものの、気取ったところのないその歌声からは、かなり実直な人間なのだろう彼の人となりも透けて見えてくる。

 重要なのは、本人制作のトラックが収録曲の大半を占めているという点だ。制作においてはSmokers RevelationやO’SCAR SOUNDの盟友たちなどルーツ・シーンのミュージシャンも多数参加しており、インタールードを除いて全曲がディープなワンドロップ~ステッパーのトラック。そして、そのリズム・トラックの魅力はディスク2のダブ盤でこそ強調される。深いダブによってトラックの骨格が浮かび上がってきたとき、そのトラックが実はかなり細かく作り込まれていたことが露わになる。

 ルーツ&カルチャーに対する真っすぐな視線。パッケージからハミ出す熱気。あくまでも“現場”を拠点にしているシーンのため、この手のルーツ・アルバムが制作されることは決して多くない。そしてこのアルバムもまた、巨大なサウンドシステムが重低音を鳴り響かせるフロアへの入り口という性格も持っていることを最後に強調しておこう。

HINAWAJU『REBELVERS』

【CD】¥2,400 (Tax in)

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N’Dour Punnahahh

NDP-0001

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