今後の音楽シーンを担う注目の若手が登場 — NEW SWEETIE Vol.1 イベントレビュー

February 22,2016 | Category :  Live News | Tag :  Mizuki Ohira, NEW SWEETIE, WONK,

6H4A6973

新進気鋭の2組、WONKと大比良瑞希が出演した新しいライブ・イベント・シリーズ、『NEW SWEETIE Vol. 1』が渋谷Hot Buttered Clubにて開催された。

生憎の大雨に見舞われた寒い土曜日であったが、会場のHot Buttered Clubに到着すると、入り口前には人だかりが。開場時間を過ぎてからの到着であったが、入場を待つ人々で入口が溢れかえっていたことに驚き、このイベントや出演アーティストたちの注目度の高さを感じた。NEW SWEETIEは「洗練された良質なアーティスト達によるライブ・イベント」という謳い文句でスタートしたイベントシリーズであり、その記念すべき第一弾に出演したのはWONK大比良瑞希という、注目の若手2組であった。WONKはネオソウルやジャズ、そしてヒップホップを取り入れたエクスペリメンタルなバンドであり、大比良瑞希は作詞・作曲・トラックメイキングなど手広くこなすマルチなアーティスト。2組とも音源はチェックしていたがライブは初めてであり、こじんまりとした店内にひしめき合う他のお客さんと共にワクワクしながら開始を待っていた。

こだわりの空間と音

渋谷の片隅の地下に潜むHot Buttered Clubはこだわりのフードメニューと音響システムで、質の良いライブ・イベントやDJイベントを開催しているラウンジ・スタイルのお店。以前DJイベントに足を運んだときはヴァイナルでのDJにこだわった選曲師たちが丁寧に針を落としていたのが印象的であった。この日の客層は、見たところ20代から30代が中心のようだが、ちらほらとその上の世代の人たちも。ミュージシャンとオーディエンスの距離感がかなり近いため、ライブが始まると親密度の非常に高い空間が出来上がっていった。大比良瑞希のCD作品や、WONK『From The Inheritance』の限定カセット・リリース、Library Recordsのレコード販売、INST DESIGN WORKによるアパレル販売など、物販スペースも充実しており、Hot Buttered Clubとのコラボ・フード/カクテルというスペシャルなメニューが用意されてあったことにも好印象を受けた。

corabolate_cocktail
food
Library_Records_goods
大比良瑞希のCD作品や、WONK『From The Inheritance』の限定カセットなど、物販スペースも充実

爽やかさと壮大さを兼ね備えた大比良瑞希のネオポップ・ミュージック

キュートな笑顔とユーモアを交えた曲間のMCでオーディエンスのハートをしっかり掴んでいた大比良瑞希と、ストイックに自分たちの世界観を提示し、オーディエンスを引き込んでいたWONKのライブは、とても対照的であった。最初に登場した大比良瑞希は、チェロ/キーボードの伊藤修平とのミニマルな編成で、去年リリースした1stソロEPの『LIP NOISE』や以前所属していたバンド、ヘウレーカの楽曲、そして新曲を披露。彼女が演奏するアコギの爽やかなメロディーと、澄んだ歌声を聴いていて、広大な草原や木々などの緑や、透き通った青空といった情景が思い浮かんだのは、きっと筆者だけではないと思う。彼女は昨年フジロックに出演しており、2月29日のComputer Magicの来日公演ではtofubeatsと前座を務めると話していたが、幅広い層にアピールすることができる魅力を兼ね備えながらも、非常にパーソナルな曲を歌う彼女は、今後このような小箱では観れなくなるアーティストに成長しそうだと期待させてくれた。

ohira2
ohira4
圧巻の歌声とポップセンスで魅了した大比良瑞希

アーバンなグルーヴで魅せたWONKのフューチャーソウル・ジャズ

4人のコアメンバー(Kento NAGATSUKA(Vo)、Ayatake EZAKI(Key)、Kan INOUE(Ba)、Hikaru ARATA(Dr))以外に、3人のバックシンガーとトランペッターを従え登場したWONKは、自己紹介や曲間のトークなどほぼなしで、去年リリースしたEP『From The Inheritance』の曲と新曲で構成されたライブをどんどんと展開した。彼らの音楽を情景で表すとしたら、ネオンサインが滲む東京の夜。暖かく響くキーボードのコードや英語で歌うヴォーカリストの歌声、随所で登場するトランペットの音色が描く景色は、官能的かつ洗練された都会の様相であった。ラッパーが数人参戦しフリースタイルをキックするシーンもあれば、ドラマーやキーボーディストらのジャジーな即興演奏もあり、ジャンルやスタイルを自由に横断する彼らの柔軟な姿勢が印象深かった。ヒップホップ以降のゆらめくグルーヴ感やセンスで、ジャズやソウルの未来を模索しているミュージシャンが本国アメリカでは近年脚光を浴びているが、日本でも確実にその流れが起きており、WONKがその波を牽引する存在にすでになりつつあることを、この夜確信することができた。

wonk2
wonk5
wonk10
wonk11
WONKが繰り広げるスキルフルなセッション

第二弾も開催決定

4/23(土)には同会場で第二弾が開催され、前述のWONKと、若手クリエイター集団Tokyo Recordingsが送り出す大型新人Capesonが出演する。どんな音楽シーンやムーヴメントにも重要な役割を果たしたクラブやイベントというものが存在するが、NEW SWEETIEが軸となり新たなシーンが形成されていくのではないかと、心が踊る夜であった。

Written by Danny Masao Winston
Photos by Masanobu Kita

イベント情報

NEW SWEETIE Vol. 2

  • 会場:Hot Buttered Club
  • OPEN/CLOSE 19:30 22:00
  • 出演:WONK / Capeson
  • Door ¥2,500- / Adv ¥2,000- (ドリンク代別)

NS_vol2_Flyer_omote NS_vol2_Flyer_ura

NEW SWEETIE

洗練された良質なアーティスト達によるLIVEイベント。
貴方にLIVEだけではなく、スタイルや空間を提案・提供をする。
東京都内を中心に定期的に開催。

WONK プロフィール

東京を拠点に活動するネオソウルバンド。今年1月に発表したフリーアルバム「From The Inheritance」は『文化系のためのヒップホップ入門』の著者の大和田俊之などにも取り上げられた今期注目の若手バンド。今年7月にはライブ版音源の「From The Inheritance Live Set」を発表。

Capeson プロフィール

1989年生まれ、東京出身の日本人シンガー・ソングライター。幼少期をボストンで過ごし、アメリカの音楽文化を直に受けたことをきっかけに音楽活動を開始。圧倒的な声量と繊細なファルセットに感動したTokyo Recordingsに請われ、2014年夏頃から密かに制作活動を開始。OBKR(from N.O.R.K.)と若干24歳のプロデューサー・小島裕規と共に、1年以上の制作期間を経て「Portrait 1」を完成させる。その音楽性は正統派R&Bの力強さと、UKオルタナティブに見られるような陰鬱さが見事に融合されており、類まれな存在感を放っている。

Share this Article
Facebookでシェア
Twitterでシェア
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>