世界でたった1枚のウータン・クランのシークレット・アルバムは、88年間リリースされないことが明らかに

March 05,2015 | Category :  News | Tag :  Wu-Tang Clan,

wutangonceupon

 

最近発売されたニューアルバム『A Better Tomorrow』とは別に、極秘で6年間かけ制作されていたウータン・クランのアルバム『Once Upon a Time In Shaolin』の存在が去年明らかになったが、何よりも話題になったのはそのアルバムの発売の仕方であった。世界でたった1枚しか作られず、この1枚はオークションで売り出されるというもの。音楽がどんどんと大量消費されていく現状に反旗を翻し、音楽にも、絵画や彫刻と同等の芸術作品としての価値を与えることを目的としている。

この度、この話題のアルバムを紹介する特設サイトと、オークション用のマイクロサイトが開設された。サイトによると、アルバムにはシェール、レッドマン、カリス・ファン・ハウテン、FCバルセロナのサッカー選手など多数のゲストが参加している。当初は、オークションで同アルバムを落札した人に権利が全て譲り渡され、そのアルバムをリリースすることも、無料で公開することも購入者の自由にすると公表していたが、RZAと、アルバムのプロデューサー、シルヴァリングスはその後考えを改めており、著作権が切れるまでの88年間は購入者にリリースする権利を譲らないことを発表した。

シルヴァリングス「元々は、アルバムの購入者に好きにしてもらっていいと考えていた。しかし、このアルバムをリリースしたがっている人達が大勢いることに気づいて、そのままリリースされてしまったら、芸術作品として世に出した俺たちの目的が意味を無くすと感じたんだ。オリジナルと同レベルの複製は不可能だとしても。商業化されて大量生産されたら1点ものとして世に出したこのアルバムの価値を下げることになり、俺たちの主張が無意味になるんだ」

RZA「例えば絵画や彫刻を購入した場合、その作品そのものに対価を払っているんであって、その作品を複製する権利までは手に入らない。ピカソの作品を所有していたからといって、それを複製して売る権利はない。『Once Upon a Time In Shaolin』も同じだ。アルバムのマスター盤を手に入れたわけではなくて、世界でたった1つの原物を手に入れたことになるんだ」

31曲入りの同アルバムはイギリス系モロッコ人のアーティスト、Yahyaによってデザインされた、銀とニッケル・メッキの豪華な重量箱に収まっており、アルバム制作の裏側を綴ったライナーノーツを含む174ページの革綴じの本が同封される。アルバムのフィジカル/デジタルのバックアップ・データはすでに全て破壊/消去されており、もはや曲は原物でしか聴けないという。

現在はモロッコのマラケシュに大切に保管されているとのこと。Forbesがエクスクルーシヴな取材をすることに成功し、アルバムのデザイナーやプロデューサーにインタビューをした動画が公開されている。

88年という数字には意味があるそうだ。

RZA「ウータン・クランのオリジナル・メンバーは8人だ。2015年の数字を足すと“8”になる。オークションをやってくれるブローカーは“8”という数字が名前に入っている(Paddle8)。8を横にすると無限を指す記号になる。数学的な偶然かもしれないが、以前から8は俺たちにとって特別な意味を持つ数字だったんだ」

作品の内容としては、『Once Upon a Time In Shaolin』は、『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』時代を彷彿させるものになっているようであり、未来への期待を託した『A Better Tomorrow』との対極に位置し、陰と陽のバランスを保つものであり、ウータン・クランのレガシーに刻印を押すものであるとRZAは明かしている。

RZA「運命は解らないが、『Once Upon A Time In Shaolin』が最後のウータン・クランのアルバムになりそうなのは間違いない」

アルバムをギャラリーや博物館などで展示し、視聴可能にするエキシビション・ツアーも予定されていたが、これは落札者が決まってから、本人の意志に任せるとRZAは答えている。

なお、この件に関して様々な意見が飛び交っており、ウータン・クラン内でも意見が別れているようだ。XXLのインタビューでこの件に関してきかれたメソッド・マンは、憤りを露にした。

メソッドマン「俺はマジでもううんざりしてるね。皆もうんざりしているのは解ってる。あのアルバムはファックだ。これまで聴いたことないような出来だったが、そんなことするぐらいだったら、もうあのアルバムなんてどうでもいい。それが本音だ。音楽を音楽じゃない別の何かにしようとしているなら、そんなのクソだ。聴きたがってる人達に聴かせてあげろよ。無料で配っちゃえ。そんなことしても誰も金持ちにも貧乏にもならない。音楽を人々に与えろ。人を馬鹿にするのはやめろ」

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