ロバート・グラスパー 読者参加型インタビュー Part 2

June 13,2016 | Category :  News | Tag :  Miles Davis, Robert Glasper,

robertglasper-interview

Part 1 はこちら

“ ジャズ・ミュージシャンって最強だと思うんだ ”

ー ‏では、読者からの質問に戻ります。美和子 さんからの質問です。「好きな映画はありますか?」

ロバート・グラスパー (以下ロバート): うーむ…。(しばし無言)ひとつに絞るのは難しいけど、お気に入りの中のひとつを挙げるとしたら、スパイク・リーの『Mo’ Better Blues』だね。ジャズを取り上げた映画のなかで一番だと思う。あの時代を的確に捉えていた。演技も最高だった。そして劇中の音楽がとにかく素晴らしい。時代を代表するジャズ・ジャイアンツが関わっていた。サントラは、テレンス・ブランチャードケニー・カークランドロバート・ハーストジェフ“テイン”ワッツっていう最高なメンバーなんだ。

akinao kanari さんからの質問です。「私はいまだにJディラ周辺や90年代のヒップホップばかりが好みなのですが、あなたは現行のヒップホップ・シーンをどう感じていますか?」

ロバート: 俺もその時代が一番好きだよ(笑)。Jディラとか、90年代〜2000年代初期が一番好きだ。現行のヒップホップは何人か好きな人がいるって感じかな。Jコール、ケンドリック・ラマーとか。でも最近のヒップホップの大半にはあまり興味が湧かない。クラブで酒飲みながら聴くぶんにはいいけどね。

Yui Seyama さんからの質問です。「一番好きなディラのビートを5曲あげるとしたら?」

ロバート: うーん…難しいね。(しばらく悩む)正式にリリースされていないけど、ブートとかで出回ってるトラックも含めさせてもらうよ。「Confused French Horns」、「Still Shining」、「The Look of Love」、「Thelonious」…えーと、あとは…「Stakes Is High」かな。

ー これは難しい質問ですよね。ところで『Everything’s Beautiful』のライナーであなたは「きっとマイルス・デイヴィスはディラと制作していただろう」と話していますね。ディラとマイルス・デイヴィスの話をした記憶はありますか?

ロバート: 覚えてる限りでは、ないね。しかしハービーの話をしたときのことははっきり覚えているよ。Jディラにハービーの『Sunlight』っていうアルバムを教えてもらったんだ。それまでそのアルバムを聴いたことがなかったんだよ。ディラはそのレコードを『Fantastic Vol. 2』製作時によくサンプリングしていたんだ。ディラと出会ったのは確か1999年くらいだ。俺は大学2年生だった。そのアルバムのことを教えてもらったのは鮮明に覚えている。もしかしたらマイルスの話もしていたかもしれないな…。彼はとても音楽に詳しかった。

ー ‏93no™ さんからの質問。「もしあなたが鍵盤と出会っていなかったら、今どんな楽器を演奏していると思いますか?」

ロバート: ドラムだね!最初に始めた楽器はドラムだったんだ。子供のときにドラムセットを買ってもらった。今でもドラマーの友達が多いんだ。昔からリズムに夢中だった。

ー では、最終的にピアノを選んだ理由は?

ロバート: 自然と惹かれていったんだ。母親がピアニストでシンガーだった。なんでなのか自分でもわからないけど、気がついたらピアノに魅せられていた。俺はピアノのほうが向いていると、きっと神様が思ったのだろう。

Yuka Fujitaさんからの質問です。「時代を超えて共演するなら、ベーシストとドラマー、それぞれ誰がいいですか?」

ロバート: トニー・ウィリアムズジャコ(・パストリアス)だね。ふたりともそれぞれの楽器界において革新者だ。ジャコのようなベースの演奏の仕方をする人はジャコの前にはいなかったし、トニーのようなドラムの叩き方をする人もトニーの前にはいなかった。そしてふたりともジャンルに縛られていなかった。だから彼らとは良いジャム・セッションができるんじゃないかと思うんだ。

akinao kanari さんからの質問。「日本ではカフェや服屋に留まらず、ビルのトイレやラーメン屋ですらジャズが流れています。しかしジャズがそれだけ浸透し、知られ、興味を持たれているということではありません。皆が好む音、心地よい音ではあるが、誰が何をプレイしているのかは気にならない。専らBGMとしての認知であることを知っていますか。またどう思いますか?」

ロバート: それはジャズだけに言えることではないんじゃないかな。どんな音楽でもBGMとして使われてると思う。ただ問題は、ジャズがBGMではなくてメインの音楽になることが少ないということ。リアーナとかジャスティン・ティンバーレイクの音楽だってBGMとして使われてる。でもその代わり、そういった音楽は人気ラジオ番組でもガンガンかかってる。ジャズには同じことは言えない。そこが扱いの違いだね。BGMとして使われてるのは気にならないけど、もっと存在感のある音楽になって欲しいとは思うね。

ー ‏Keith Murai さんからの質問です。「あなたはジャズの繁栄、ジャズが盛り上がることを願いますか?そしてその為に活動していますか?またはジャズというジャンルに縛られず、新しいジャンルを作っていきたいとお考えでしょうか?」

ロバート: 俺がやっていることは自然とジャズの繁栄に繋がっているんじゃないかと思ってる。俺がやっていることって、ただ今の時代を反映させて、自分のストーリーを表現しているだけなんだ。それで人の心を掴むことができていると思う。最近のジャズ・アーティストの多くは、自分のストーリーを表現していないんだ。そして他のジャンルとか今の時代を反映させたことをしていないから、ジャズ好き以外の人からしてみれば退屈に思えてしまう。ジャズ好きしか反応しない。

俺は様々な音楽を混ぜるのが好きなんだ。そして色々なサウンドを混ぜてやっているから、多方面の人々の興味を引くことができていて、自然とシーンの活性化に繋がっていると思う。だから、俺は別にジャズをよりポピュラーにしようと意識しているわけではないんだ。今の時代を反映したことをやっていて、それが自然と注目を集めているんだ。

ひとつのジャンルに縛られたくはないね。でもジャズ・ピアニストと呼ばれるのが嫌かと言ったらそれは嫌ではない。ジャズ・ミュージシャンって最強だと思うんだ。ジャズを演奏することができるようになると、どんな音楽でも演奏できるツールとテクニックが手に入る。だからジャズ・アーティストとして認識されるのは嫌ではない。ただ、俺のことを“ジャズ・ピアニスト”って書くんだったら、そのあとにコンマを入れて“プロデューサー”、“作曲家”って他の肩書も入れてくれたら嬉しいね(笑)。

俺はジャズに新しい波を起こしているつもりだ。そして「自分のやりたい表現をとことん追求して良いんだ」って、若い世代に伝えることができているんじゃないかと自負している。それは誇りに思ってるんだ。


プレゼント企画!

『Everything’s Beautiful』のジャケットをプリントした特製Tシャツを限定2名様にプレゼント。以下の応募方法を良く読み、ふるってご応募下さい。

  1. 1. 本インタビュー記事Part 1のページに戻り、当該記事をTwitterあるいはFacebookにてシェア。
  2. 2. 当該記事をシェアしたことがわかる画面をスクリーンショットし保存。
  3. 3. 保存したスクリーン画面を添付し、件名に「Tシャツプレゼント企画」と記入し、お名前/ご住所/電話番号を記載したメールを、info@waxpoetics.jp まで送信してください。
  • - 応募方法にある要件を満たしていないと応募対象になりません。
  • - 当選者にはメールにてご連絡をさせて頂きます
  • - TシャツはMサイズのみとなります。
  • - 当選の権利は当選者様ご本人のものとし、換金・譲渡はできません。

締め切り: 2016年6月30日(木)

RELEASE INFORMATION

Miles Davis & Robert Glasper
『Everything’s Beautiful』

everything
  • 価格 (税込): ¥2,376
  • レーベル: Sony Music Japan
  • 発売中
内容
生誕90年であり、没25年を迎えたマイルス・デイヴィスに捧げるトリビュート・アルバムとして、ロバート・グラスパーが様々なコラボレーターと共にマイルスの音世界を再創造。米コロンビア・レーベルのテープ保管庫にて選ばれたマイルスのオリジナル録音をベースに作曲やリミックスをし、マイルスの音楽の遺伝子が今も受け継がれていることを証明する。ビラル、イラ・J、エリカ・バドゥ、フォンテ、ハイエイタス・カイヨーテ、ローラ・マヴーラ、キング、ジョージア・アン・マルドロウ、スティーヴィー・ワンダー、そして実際にマイルスのバンドでも演奏していたギタリスト、ジョン・スコフィールドが名を連ねる。プロデューサー陣にはDJスピナやブラック・ミルクも参加。
トラックリスト
  1. 1. “Talking Shit”
  2. 2. “Ghetto Walkin” featuring Bilal
  3. 3. “They Can’t Hold Me Down” featuring Illa J
  4. 4. “Maiysha (So Long)” featuring Erykah Badu
  5. 5. “Violets” featuring Phonte
  6. 6. “Little Church” featuring Hiatus Kaiyote
  7. 7. “Silence Is The Way” featuring Laura Mvula
  8. 8. “Song For Selim” featuring KING
  9. 9. “Milestones” featuring Georgia Ann Muldrow
  10. 10. “I’m Leaving You” featuring John Scofield and Ledisi
  11. 11. “Right On Brotha” featuring Stevie Wonder

Share this Article
Facebookでシェア
Twitterでシェア
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>