Survival: A Talk With Del

November 10,2008 | Category :  News | Tag :  

By: David Ma // 02.08.04



「音楽的にも概念的にも、俺はサバイバルしてるんだ」これらの言葉は、他の多くのラッパー達とは違い、デルは今も音楽活動を続け、故に成長し続けていることを我々に気付かせてくれる。短時間で新たな音楽が次々と生まれる今、熱狂的な音楽ファンでさえも目の前のものしか見えなくなってしまう。多くのアーティストはつかの間の流行と共に最終的には姿を消していく。しかし、中にはその中間点に位置し、現役のアーティスト達の為に前例を作り上げるミュージシャンも存在し、彼らはそうしている間も未来の為に自分自身の技術を磨き続けている。

この特殊な中間点のトップに位置するのがテレン・デルヴォン・ジョーンズ、デル・ザ・ファンキー・ホモサピエンとして知られる男だ。10年以上に渡り多くの作品をリリースし続け、数多くのゲスト出演やコラボレーションから、成功を収めたワールド・ツアーまで、デルは長い間この業界に居続けることに精を出してきた。オークランド生まれの彼は『No Need For Alarm』や『Future Development』といった1990年代のリリース以来、ヒップホップ・クラシックスとしての非公式の名声を得るアルバムを手掛けてきた人物だ。

2004年の現在、デルはベイ・エリアの家で腰掛け、音楽理論を学び、ビディス(インドの手巻き煙草)を吸いながら、ビートを作りだしている。名高いハイエログリフィックス集団のボスである彼は、今も尚成長し続けていると断言し、それを実際に示してみせる。ファンクのエッセンスが注ぎ込まれた『I Wish My Brother George Was Here』から、SF的なデルトン3030まで、デルは自分自身を改革することを可能にしながら、上級なヒップホップには必要不可欠な伝統主義の感覚を保ち続けている。落ち着きを増し、一見した所、今までにない程に集中力を増し、デルは我慢することによって成熟が進むことを証明してみせている。次のソロ作品となる『The 11th Hour』のリリース直前、私はアンダーグラウンドのアイコンであり、おどけた性格でありながら、しばし大まじめになるデル・ザ・ファンキー・ホモサピエンを捕まえることができた。


あなたが音楽理論を学んでいるのは知っています。ワックス・ポエティクスの読者に、音楽制作に対するあなたの考えを教えてもらえますか?


実は音楽理論を学び、それを制作に当てはめてみることでラップをより良いものにすることができたんだ。メロディーを減らすとかそういったこと、それにリズムに関することは基本的に俺にとってとても役に立つことだった。単純に自分の表現方法にも役立った。特定の言葉の言回しや、異なったサウンドを強調する方法だったりだ。わかるだろ? みんなサンプルを再利用しようとしていて、それがとてもクールなやり方だと思ったんだ。俺は初めはサンプルをしたくなかった。もし何か気に入ったら、それを演奏できるようになりたかった。けれど今は音楽のことを以前よりも理解して、サンプルと演奏の両方を組み込んでいる。俺が初めて制作を始めたときは、サンプルの真似をして自分でそれを演奏しようとしていたんだ。でも時間が経つにつれ音楽について学ばなければいけないと思った。今はサンプルするよりも、実際に「ファンキー・ドラマー」のブレイクをプレイすることができる。何故ならその裏側にある本当の感覚を分るようになったからだ。本当に面白いよ。今は基本的な部分で、自分の音楽に対してより良いコントロールが出来る様になったと思う。


あなたはラッパーとしてではなく、プロデューサーとして具体的にどんなことを成し遂げたいと思っていますか?


生々しい部分を失わずにヒップホップをもっと広げたいと思ってる。音楽に動きを与えたいと思っていて、メロディーは大好きだけど、メロディアスになり過ぎるのは嫌なんだ。自分の作品をミニマリスティックに保ちたいんだ。そこが俺の頭を悩ませてきた所だ! 俺は驚異的なライブラリーを手に入れたんだ。雑誌、本、そして今までにリリースされたほぼ全てのラップ・アルバムだ。情報を手に入れて、それを取り入れてみるんだ。ブルース、ジャズ、そしてそういったもの全てを取り入れようとした。しかし同時に、それを生々しく、単純なものに保ちたかったんだ。


全てのラップアルバム?


(笑)ああ。本気だよ。ほぼ全部だ。もの凄い数だよ。


ヒップホップ以外でどんな音楽を聞きますか?


全部だね! 一般的な音楽が好きなんだ。ファンキーなものなら何でも。俺はパーラメント・ファンカデリックの大ファンさ。ジャズとブルースが好きで、両方を小さい頃からたくさん聴いていた。クラシック音楽も好きだよ。けれど基本的にはファンキーなものなら構わない。でも今でもたくさんのラップを聴いているんだ。ラップすることがほんとに好きだから、常にヒップホップはチェックしている。


デルのフェイヴァリット・ラッパーとプロデューサーは誰ですか?


今だったら、カムロンと彼の一味だな。プロデューサーに関しては、エリック・サーモンだ。彼は自分自身のファンクのスタイルを築いたけれど、それでもそれをヒップホップとして保ち続けたんだ。それとボム・スクワッドもだね! 彼らがサンプリングでやった事は独創的なものだ。彼らの音楽は今聴いてもいまだに圧倒されるよ。この2組が俺のオールタイム・フェイヴァリットだろうな。どちらも自分達が何をやってるかわかってるんだ。最近のプロデューサー達の中では、ティンバーランドとドクター・ドレが好きだな。彼らは俺が音楽理論を学んでいる時に研究していたアーティストだ。何故なら彼らは超えるべき相手だったんだ。あー、それとRZA! RZAはもの凄く厳しい奴だ。俺はRZAをもの凄く研究した。彼のラップの仕方とプロデュースの方法だ! 俺達はいろいろな所で似た考え方をしていると思うんだ。 

RZAとドレも長年の間、活動を続けてきました。あなたの長い活動歴をどう考えていますか?


その理由は俺がさほど変わっていないからだろうが、俺は変わっているんだ。俺は新しい事を本当に上手く取り入れる事ができるんだ。でも、俺がどんなことをしてどんな奴だと言うことの本質は、全く変わっていないんだ。俺のアルバムからそのことを聞き取る事ができるはずだよ。


自分自身のアルバムで気に入っているのはどれですか?


難しいな。『Future Development』は良いアルバムだったと思ってる。俺のフェイヴァリット? 難しいな! 自分の曲で好きなのはたくさんあるんだ。ほんの少し挙げるんだったら「Jaw Gymnastics」と「Disastrous」。そういったよりハードで一風変わったビートが好きなんだ。


あなたが関わっているごく最近のプロジェクト、デルトロンやザ・ゴリラズに関してはどうですか?そしてダン・ジ・オートメイターと再び組むことはありますか?


ダンはこの間電話してきたばかりだよ! 俺達はただ自分たちの仕事を順番にやっているだけなんだけど、彼とはいつも落ち着いて仕事ができる。デルトロンもゴリラズもとても気に入ってる。ゴリラズには俺はちょっと参加しただけで、ちょっと手を貸しただけなんだ。デルトロンは単純に素晴らしいものが出来た。余った時間にやっていたもので、ダンがメインとなっていたんだ。俺達は単にうまが合った。今でも皆俺の所に来て、彼らのフェイヴァリット・アルバムがデルトロンだって言うんだ。俺達は間違ってなかったってことだ。皆まだあのレコードを買っていて、つまり、たまにはただ良い結果が生まれることもあるんだってことだろうな。


あなたの音楽をダウンロードする人間についてどう思いますか?


良い質問だぜ。ある意味ではむかつくな。どこかのポイントでくそ野郎達は金を払うべきだと思う。誤解しないでくれよ。俺の作品をチェックしてくれているってのは良いことだ。つまり、どうあれ音楽をダウンロードして、少なくても俺の作品は聞かれているってことだ。だけどまったく何もしないやつをありがたくは思わないぜ。決して金を払うことなく、全てをダウンロードするくそ野郎達。俺はそんな奴らには感謝しない。奴らの性格がよくわかるだろ。何を言ってるかわかるか? そういった意味ではダウンロードは嫌いだ。けれど音楽業界がでかすぎて、それ自体が大損をしているように感じるんだ。俺が言いたいのは、全員がその影響を感じているってことだ。ファン達はショーの為にもっと金を払わなければいけなくなるだろう。つまり、ファン、アーティスト、それとアーティストをサポートするミュージック・ラバー達が金を失っていくんだ。その理由が、アーティストにサポートが必要だってことが単純にわかっていない人間たちのせいなんだ。


皆、新しいハイエロのレコードをサポートしてくれていますか? そしてそのサポートについてどう思っていますか?


皆俺達にとても親切だよ。サポートはとても力強いもので、俺達はもの凄く感謝している。それにその結果にもとても満足しているんだ。俺達は目的地にたどり着いたんだろう! 特に作品の出来に満足してる。俺達はラップができるのはわかっていたが、ビートの中に欠点を見つけるのを苦しむくらいビート作りに力を注いだんだ。もし気に入らないとかそんなことだったら、それはしょうがない。でもそこに欠点があるなんて言わせないぜ! バックの演奏を出来たことにも満足している。それによって自分のアルバムに時間を費やすことができたし、同時に他のメンバーも日の目を浴びることができた。というのは、ショーでは皆俺の所にやってきて、俺に注意を払ってくれる。でも、俺としてはペップ・ラブやソウルズ [オブ・ミスチーフ]もチェックしてくれって感じなんだよ。こいつらも本当にヤバいんだ! ハイエログリフィクスを見に来たんであって、デルを見に来たんじゃないだろ! おかしなもんさ。オピオのニューアルバムを聞いたばかりなんだけど、それもヤバかったぜ! 彼は言いたいことが山ほどあって、彼の個性がそこで光ってる。もうすぐ出るからチェックしてくれよ。ペップ・ラブもだ! ペップはとんでもない奴だぜ! 奴は高度なテクニックを披露してるんだ。


他のハイエロのメンバーとサブ・グループを組んでアルバムをリリースすることを考えたことがありますか?


ああ! 俺とカジュアルはスマッシュ・ブラザーズというプロジェクトをやるつもりだ。俺達はアイディアを出し合って、すでに動き始めてるけれど、まだ現時点ではなにも形にはなっちゃいない。俺達2人共たくさん取り組んでいることがあって別々にツアーにもでているから、時間を作るのがとても難しいんだ。カジュアルが丁度新しいソフトと機材を手に入れたからそこから始めようと思ってる。二人共機材を持っていてお互い極めて創造的なんだよ。俺は作品のことばかりいつも考えている。シークレット・アルバムのリリースの予定さえあるよ。


シークレット・アルバム?!! それは言ってもらわないと。誰にも言わないなんて約束はできないけれど。


ハハハー! そうだな、別にシークレットって訳でもないんだ。今、アキレス・ヒールというプロジェクトを抱えているんだ。俺はそれを思いっきり生々しく地味なアルバムにするつもりで、インターネットかツアーでのみリリースするつもりだ。俺について来てくれて、彼らの時間を俺に与えてくれたファンへのアルバムなんだ。『11th Hour』と同じくらいの時期にリリースしたいと思ってる。俺はたくさんのラップとビートが完成させてあって、どうにかしてそれらをリリースしなければならないんだ。これはそれらの良いリリース方法になるだろう。


今リリースされているヒップホップについてどう考えていますか?


ほとんどアンダーグラウンドの作品はチェックしていないよ。俺にはついていけないんだろうと思う。俺が知っているアーティストや好きなアーティストをチェックしている。MFドゥームはドープだ! やばい奴らはそこら中にいる。アラスカン・フィシャーマンはドープだ。俺はメジャーのリリースも好きなんだ。よりファンキーであればより良い。ミッシー・エリオット、ザ・ネプチューンズ、俺の耳を捕らえたものならなんでもだよ。


音楽や音楽制作を始めようとしている人間に対してなにかありますか?


自分のやっていることを理解しろ! つまり、ただビートを作るのもクールだけど、音楽そのものを学ぶ必要があるんだ。多くのプロデューサー達、つまり、この世界のトップにいて、彼らが好きなことをやっている人間達は全員音楽知識を持っている。少なくとも彼らが知っていることは知らないと駄目だ。少なくともだ! 俺は古いファンクの達人と、ブルースのミュージシャンの本を手に入れたんだ。本物のドラミングと本物のベースラインを学ぶべきだ。クソ野郎達はただ遊んでいるだけではもういられないんだ。自分の技術に磨きをかけろ。何が言いたいかわかるだろ?


アーティストとして10年前の自分とはどういった違いがありますか?


全てが自然な進歩だと思う。常に音楽に対して興味があったけれど、本当にミュージシャンになるなんて考えたこともなかった。昔はただラップしてただけだった。わかるだろ? けど今は音楽を理解している。基本的にプロデューサー達はリリックに関して、ラッパー達はプロダクションに関して知っておくべきだ。しばらくして俺はこれらのことを独学で学ばなければならなかった。何故なら先に進んでいないように感じたからだ。それからどうやって曲を書き、どうやって楽譜を読むかを学んで、「くそっ、もっと早くに学んでおくべきだった」って思ったよ。それはとても難しいことのように思えたけれど、基本は目の前にあった。今はもっとよく知っているように感じている。

私達はデルのアルバムからどんなものを期待できますか?


そのことを聞いてくれて感謝するよ。それは『The 11th Hour』ってアルバムだ。このアルバムで試みたのは、基本的に生々しさを保つことだった。セカンド・アルバムからの一部と、ファースト・アルバムに立ち返ったんだ。セカンドの生々しさと、ファーストのファンク。俺は凄くパーラメントにのめり込んでいて、さっきも言ったように、ファンキーじゃなきゃだめなんだ! 俺がやったいくつかのトラックは、より70年代のソウルやファンクの要素を持っている。俺は1972年生まれだから、その時代に最も関連している。音楽的にも概念的にも、俺はサバイバルしているんだ。


ワックス・ポエティクスの読者に最後に何かありますか?


これからいろいろな作品を世に出して行くぜ! ハハハ! たくさんの人間が俺に「デル、お前のことが好きだけど、お前に売れて欲しくないんだ」って言うんだ。俺は少し止まって考えて、「サンクス…クソ野郎!」つまり、俺は必死にやってきた。本当に必死にやってきたんだ。何故俺が成功にふさわしくないんだ? 意味がわからねぇ。俺は皆にヒップホップに対してオープン・マインドであって欲しい。リアル・ヒップホップだとかフェイク・ヒップホップだとかは関係ない。全部音楽なんだ。良いか悪いか、それと全く同じことだ。俺のニューアルバムをチェックしてくれ。それと長い間、俺を支持してくれて感謝してる。俺のファンにありがとうって言いたいのと、今回のことをあんたにも感謝してるよ。ピース。

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