WONK、Nao Kawamura、yahyelから感じる次世代のポテンシャル — NEW SWEETIE Vol.3 イベントレポート

June 28,2016 | Category :  Live News Report | Tag :  Nao Kawamura, NEW SWEETIE, WONK, yahyel,

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今注目すべき若手3組が集結したライブイベント、『NEW SWEETIE Vol. 3』が代々木ANCEにて開催された。

新進気鋭アーティストをフックアップし、親密な空間で彼らの魅力に触れさせてくれるイベントシリーズ、NEW SWEETIE。2ヶ月に1回の頻度で行われており、このたび第3回目が6月25日に開催された。会場は渋谷Hot Buttered Clubから代々木ANCEに変更されており、より広い空間でアーティストたちの才能溢れるパフォーマンスを味わうことができた。

NEW SWEETIEは「洗練された良質なアーティスト達によるライブ・イベント」という謳い文句でスタートしたイベントであり、いつ大ブレイクしてもおかしくないほどのポテンシャルを持った若手が毎回登場する。今回はネオソウル・シンガーのNao Kawamura、エレクトロニック・バンドのyahyel、そしてこのイベントではもはやおなじみであるエクスペリメンタル・ソウル・バンド、WONKが登場し、それぞれが個性溢れるライブを披露。ライブの合間にはLIBRARY RECORDSが販売するレコードやカセットをチェックし、NEW SWEETIEとANCEのコラボカクテルを飲みながら、DJ FAMEの選曲に耳を傾けていた。

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Nao Kawamuraが魅せた次世代ネオ・ジャズソウル

最初に登場したのはシンガー、Nao Kawamura。ベーシスト、ドラマー、キーボーディスト、バックシンガーからなるバックバンドを引き連れており、途中でトランペッターの参加もあった。以前はWONKのバックシンガーもやっていた彼女だが、4月には渋谷JZ Bratでワンマンライブを行ったという実績もあり、その表情、しぐさには自信が溢れる。ときに甘く、ときに力強く、自身の声を変幻自在に操り、バックバンドとの阿吽の呼吸で圧巻のパフォーマンスをみせた。彼女の歌もバンドの演奏も「間」を大事にしており、バラードからジャジーなソウル、ファンク色の強い楽曲まで幅広く展開していった。マイケル・ジャクソンをカバーするのはどんなミュージシャンにとってもハードルが高いことだろうと想像できるが、Nao Kawamuraの個性的な「I Can’t Help It」のカバーは、イントロから筆者の心を掴んで離さなかった。

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クールなメロディーと変拍子グルーヴが衝突するWONKの音景色

次に登場したのはWONK。自身の音楽を「エクスペリメンタル・ソウル」と呼んでいるバンドだが、簡単に一言では表せない音楽性を擁しているところが魅力である。筆者はNEW SWEETIEの第1弾で彼らのライブを初めて見ており、今回が2度目となったが、この短期間で更に成長していることに驚かされた。グルーヴはよりタイトに、インプロはより柔軟で自由に、そして表現力はより鮮やかであった。MCをフィーチャーリングしたり、トークボックスで「California Love」のフレーズを奏でたり、ドラマーがパソコンでの打ち込みのビートも混ぜたりと、ポスト・ヒップホップ世代らしいアプローチを見せていたが、その即興セッション感と複雑に変化する拍子に、しっかりとジャズの基盤があることがわかる。7月にはニューアルバムを自主リリースするつもりであることを発表していたが、どういった作品に仕上がったのか楽しみである。

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yahyelが構築する夢幻宇宙サウンドスケープ

最後にライブを披露したのはyahyel。2015年に結成し、4曲入りEP『Y』をBandcamp上で発表し、すでにヨーロッパツアーを敢行するまでにいたっている注目のバンドである。これまで登場したバンドは生楽器が中心であったが、彼らは電子楽器主体のライブ。電子パッドから放たれるリバーブの効いた金属的なスネア。ブワブワと膨張しては収縮する低音。無機質で冷たいが叙情的に心に訴えかけてくる音色。突然音が消えたと思ったら、次の瞬間、ビッグバンのように音が激しく噴出する。そういった緩急のある展開でしっかりとオーディエンスを自分たちの宇宙に引き込んだyahyelであったが、何より印象に残ったのはヴォーカリストであった。機械を通して加工したファルセットを駆使し、ときに目を見開いた鬼気迫る表情で歌う彼はまるで人の心が宿った人工知能。その歌声はエモーショナルで繊細でありまがら、心の奥底まで貫く鋭さがあった。怒涛のラストでは、嵐のように吹き荒れ続けた音が突如ピタリと止まり、真空に包まれたように無音が広がった。くらくらするほど翻弄されたのは筆者だけではないだろう。

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第4弾の開催も決定

ジャズとヒップホップ/R&Bを融合するムーヴメントはアメリカなどで盛り上がりを見せているが、日本の現場の最先端でもジャンルにとらわれず、センスとスキルを磨いて独自性の高い音楽を繰り広げているアーティストがいる。NEW SWEETIEに足を運ぶたび、その事実になんともワクワクさせられてしまう。まだ日時は未定だが、NEW SWEETIE Vol.4も開催予定とのこと。今後の日本のシーンを担うことになりそうな才能溢れる若手をいち早くキャッチできる当イベントに、次回訪れてみてはいかがだろう。

Nao Kawamura HP
http://www.production-orfeu.com/naokawamura
WONK HP
http://www.wonk.tokyo/
yahyel HP
http://yahyel2015.com/
NEW SWEETIE HP
http://newsweetie.tumblr.com/

By Danny Masao Winston
Photos by Masanobu Kita

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