◎ジャネット・ジャクソン『ステイト・オブ・ザ・ワールド』ツアー・セットリスト、コンセプトなど解説

Posted by     Masaharu Yoshioka | February 12,2019

◎ジャネット・ジャクソン『ステイト・オブ・ザ・ワールド』ツアー・セットリスト、コンセプトなど解説

【Janet Jackson’s State Of The World Tour】

世界情勢。

ジャネット・ジャクソンが2015年11月以来3年3か月ぶりの来日。今回の最新ツアー『ステイト・オブ・ザ・ワールド』は、1989年アルバム『リズム・ネーション』に収録された一曲をツアー・タイトルにしたもの。これは、まさに30年前ながら、そのメッセージ性が見事に2019年にも言えるもので、それを全面に打ち出したショーだ。

「ステイト・オブ・ザ・ワールド」とは、文字通り、「世界情勢」のこと。これを「The State Of The World」とSを大文字で表記すると、「地球白書」を意味する。マーヴィン・ゲイの不世出の傑作『ホワッツ・ゴーイング・オン』と同じコンセプトだ。1971年のメッセージも、1989年のメッセージも、2019年にいまだに有効だということが怖い。

2017年9月7日から始まった同名ツアーで、この日本武道館での2日間がツアーの締めとなる。武道館2本を含め計78本が行われ、約45万人を動員した。前回の『アンブレイカブル・ワールド・ツアー』が2015年から2016年にかけて行われ、日本にも2015年11月に来た。その後2017年1月の出産でしばらく休息を取っていたが、2017年9月から再開し、その一環での来日となった。

冒頭に最近の社会情勢の映像が映し出される。白人至上主義、極右、テロ、警官による暴力などの非道なことが映され、警官によって殺された市井の黒人の名前が多数列挙される。そしてテレビの司会者が、白人至上主義、不平等さについて語り、国内でのテロは極右の者たちが起こした数がイスラム教の人たちが起こした数の倍に上ると説明する。

まさに「世界情勢」を説明し、「ザ・スキン・ゲーム」に。これは、アルバム『リズム・ネーション』録音時の別テイクで、ちょうどその頃、カセット・シングルとシングル「カム・バック・トゥ・ミー」のB面でリリースされたもの。サウンド的には『リズム・ネーション』と同路線にある。ちょっとジェームス・ブラウン風のブラスセクションが印象的だ。「スキン・ゲーム」とは、ざっくりいえば「詐欺のようないかさま」「ぺてん」「インチキ」のこと。今の政治の世界をずばり言い当ててるワードだ。そして同じアルバムから「ザ・ナレッジ(知識)」。情報や教育こそが我々を強くするという「ナレッジ」。ここでは、ボビー・バード(ジェームス・ブラウンの相棒)の声もサンプリングされ出てくる。「偏見」ダメ、「無知」ダメ、と観客の相槌を求め、「知識」を得ることの重要さを説く。

この1-2パンチで、90分のショーのコンセプトが言い表された。ほぼ全曲、ノンストップで歌われ、踊られ、息をつく暇もない。

ショーのコンセプトは冒頭で強烈に印象付けられたが、楽曲的には、1980年代から2000年代にかけてジャネットがヒット曲を送り出したころのヒット集大成。そして、それは前回の『アンブレイカブル・ツアー』とほぼ同じだ。前回セットリストと見比べるとよくわかる。下記セットリスト35曲中、9曲(*を付けた)が前回ツアーで披露されなかったもの。つまり今回新しく聴けたもの。ただし「ダズント・リアリー・マター」などはその前のツアーなどでも披露している。残る26曲程度は、前回と同じ。

今回初披露、ヴィデオを映し出しながら見せた「ホワット・イフ」は、失恋の痛手を描いた楽曲で、前の夫と別れた現在、なかなか歌詞が被る。ただしこの曲自体は前夫のことを歌ったものではない。もうひとつは、最後で父ジョー・ジャクソンとの写真が何枚も映されたところは、これはなんとも胸を打たれた。

■前回ライヴ評

ジャネット・ジャクソン最新『アンブレイカブル・ワールド・ツアー』ライヴ~マイケルのDNAを世界

2015年11月23日(月)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12098524475.html

(ここに前回ツアーのセットリスト)

ジャネット・ジャクソンの余韻~ブラック・イーグルが連れてきて、連れて帰るショー

2015年11月24日(火)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12098705193.html

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■セットリスト 2019年2月10日(日)日本武道館、ジャネット・ジャクソン・ライヴ

Setlist: Janet Jackson : Feb 10, 2019 @ Budoukan

 * denotes songs performed this tour and not on last tour 前回ツアーで歌われなかった曲、9曲。他は前回ツアーで歌われている。ただしDJセットは除く。

Show started 18;18

01.  The Skin Game * (From Rhythm Nation 1814 – 1989)

02.  The Knowledge * (From Rhythm Nation 1814 – 1989)

03.  Burnitup! [with Video, Missy Elliot]

04.  Nasty

05.  Feedback

06.  Miss You Much

07.  Alright

08.  You Want This

09.  Control

10.  What Have You Done For Me Lately

11.  The Pleasure Principle

12.  Interlude

13.  Love Will Never Do (Without You)

14.  When I Think Of You

15.  All For You

16.  All Nite (Don’t Stop)

17.  When We Oooo * (From All For You – 2001)

18.  Doesn’t Really Matter * [with Video] (From All For You – 2001)

19.  DJ Interlude : Feel It Baby [Bennie Man] – R&B Junkie [Janet] – Whoops Now [Janet] – Escapade [Janet] – Somebody Is Tonight [Janet] – Come Back To Me [Janet/Video] – Let’s Wait A While [Janet]

20.  I Get Lonely

21.  Any Time, Any Place [with Video]

22.  What’s It Gonna Be?! * (1999, Busta Rhymes song)

23.  No Sleep

24.  Got ‘Til It’s Gone

25.  That’s The Way Love Goes

26.  So Much Betta * (From Discipline – 2008)

27.  Throb

28.  Together Again

29.  DJ Interlude: Idle [Spooky Black]

30.  What About * (From Velvet Rope – 1997)

31.  You Ain’t Right * (From All For You – 2001)

32.  If

33.  Scream [with Michael Jackson, video]

34.  Rhythm Nation

35.  Made For Now * [Video with Daddy Yankee] (2018)

Show ended 19:47

No encore.

■メンバー

ジャネット・ジャクソン

ドラムス、ギター、ベース+キーボード、キーボード、コーラス2名+1名(兼楽器)、DJ、ダンサー8人

(詳細後送)

(2019年2月10日・日曜、日本武道館、ジャネット・ジャクソン・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Janet Jackson

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